フクロウは夕暮れに

接触場面研究の個人備忘録です

そば屋で録画

2011-07-09 23:13:11 | today's seminar

千葉に来て早くも13年になるが、もう10年は通っている行きつけのそば屋がある。味ももちろんだけれど、家族でやっているところで、おばあちゃんがとにかく元気がよく、その声を聞きたくて、たまに出かけるわけだ。おばあちゃんも我々家族のことは覚えていてくれるので、「おやもう中3になったの!」とか、「もう薬味も食べられるようになりましたよ」とか話すのがじつに楽しい。

さて、昨日の学部ゼミでは3年生が取り組んできた共同調査の発表があった。そば屋さんに入ったことがない留学生をさがして、二人1組で蕎麦を注文して食べるところを横からビデオ録画するという、怖い物知らずの調査である。

最初の1組はドイツ人とフィンランド人の中級の男性ペアで、写真をみてようやく注文をするが、食べ方がわからず、ちょっとはズルズル音をさせて食べようとやってみるのだが、音は出ず、仕方ないので出してくれたレンゲにのせて食べたりしていた。食べ終わってからも、では箸をどう置くかが問題になって、フォークとナイフのように斜めにそろえるとか、いろいろ考えたみたい。一人はどんぶりの下におき、もう一人はどんぶりにかけて、とりあえず終了。

2組目は、エジプト人女性とアメリカ人男性の中上級ペア。エジプト人女性はとにかく肉の入っていないそばで、食べるときは手をあわせつつ、心のなかではエジプト風の挨拶をするという二重規範の適用が見られた。アメリカ人男性は前にも日本に少しだけ滞在したことがあるので少し感があるのだけど、横においてあった梅干しの缶から梅干しを食べ続けたり、かなり可笑しい。

そんなこんなで結論はうまくつけられなかったのだが、なにはともあれそば屋の録画という蛮勇には拍手を送りたい。同僚のMさんや博士課程のY君も言っていたけれど、そば屋は日本の麺関係のお店の中で、一番、外来性の高い場所であって、スキーマを作るのが難しい場所なのだ。外からめったに中は見えないし、メニューも字ばかりのことが多いし、その蕎麦の名前も南蛮とかおかめとか予想がつかないのだ。

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