フクロウは夕暮れに

接触場面研究の個人備忘録です

日本語教育が十分な成果を上げていない

2007-12-06 00:26:48 | today's focus
上の言葉は、現首相が中国残留孤児原告団との面会の席で話したことの一部だそうです(朝日07/12/5)。朝日によると、この面会は「先月28日に孤児への支援を充実させる「改正中国残留邦人支援法」が成立したことを受けて実現した。」とのこと。後で記者達には原告の人々があまり日本語が上手ではなくて、あまり日本語教育をやってこなかったようだとも感想を述べていたそうです。

もう何度も書いた気がするけど、首相はいったい、50代、60代で帰国した人々がどのくらいの日本語を習得できると思っているのかな。自分のことを考えれば答えはすぐに出てくるはずでしょ?原告団の人たちが日本語が流暢ではないのは日本語教育のせいではない。政治は、日本語が流暢ではなくても幸せに暮らせるようになるための想像力を持って、政策を考えなければならないはずです。

その後、首相は、「声を詰まらせながら「皆さん方は日本の国民なんですね。ほかの日本の国民と同じような幸せになる権利を持っています。」 と言ったそうです。ちなみに言えば、「日本の国民と同じような幸せになる権利を持っている」のは、中国残留孤児の人々が「日本の国民」だからではなく、人間のそれが「基本的な権利」であるからでしょう。この論理はいただけない。

さて、こうした政治家が日本にいることには少しも驚かないし、大手新聞が同じレベルでしか書かないことにも落胆しないけど、財団法人日本語教育学会には、ぜひ真実を主張してほしいですね。

これは1つの機会です。
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