フクロウは夕暮れに

接触場面研究の個人備忘録です

1年生のコーラスの美しさ

2005-11-15 00:32:32 | visiting hunan uni
さて、10月31日は月曜日で、湖南大学では朝から授業があります。じつは授業時間は夜の9時過ぎまであるそうです。日本語の授業も通常の科目と同じく45分が2つで1セットとなっていて、間に10分の休憩を入れていきます。じつは前もってお願いして授業見学と授業録画をさせていただくことになっていました。ところが持って行った古いビデオカメラのバッテリーがまったく充電できない故障品だったようでこの日は1つも録画できませんでした。

一番録画したかった授業は最初に見せて頂いたM先生の初級クラスでした。M先生は9月まで千葉大に留学されていたので、私もよく知っている方です。生徒は女子がほとんどでだいたい25名ほど。天井の高い教室で、講義用に固定した机と備え付けの倒して使う椅子が教卓に向いてついています。M先生はてきぱきとまだ日本語を始めて2ヶ月の生徒たちを教えていきます。復習事項の確認、文法の説明、中国語から日本語への翻訳、日本語から中国語への翻訳、自由な文の作成、などじつに気持ちのよいテンポで進めていきました。しかし、何よりも感動したのは、新出語彙を先生が2回言い、そのあとに生徒たちがコーラスで繰り返したときでした。テンポの良い授業はきっとクラスに一体感をつくっていたのでしょう、コーラスは一糸乱れず、高い天井に響きます。1年生の日本語の学習をいきいきと、希望にあふれて、熱意をもってやっている気持ちが胸に伝わってくるような美しさだったのです。じつは一緒に参観していた主任の先生も「涙が出そうでした」と同じ感想を抱いていたのでした。

私はよく思うのですが、教える内容についてはいろいろ大切なことがあります。しかし、教え方については、いろいろな教授法や理論がありますけど、どんな教え方でもクラスが1つになったように楽しく、学生たちの頭の中で日本語が気持ちよく回転するような授業ならそれでよいのではないでしょうか?授業は1つ1つ、先生も学生も内容も場所も違うのですし、クラスの数だけちがう授業があるのだと思うのです。

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