晴耕雨読なくらし

じねんじょに夢をかけるおじさんの物語

鴻雁北(こうがんかえる)

2022-04-10 06:08:57 | 季節のたより
今日からは七十二候の一つ『鴻雁北(こうがんかえる)』です。
鴻雁北(こうがんかえる)とはツバメとは反対に、
冬の間を日本で過ごした雁が北のシベリアへと帰っていく頃のこと。
雁は「かり」とも読み「鴈」と書くこともあります。
鴻は「ひしくい」という大型の雁で、
雁はそれ以外の小型のものを意味しているそうです。

こうして冬鳥が 去り夏鳥がやってくる。
野鳥の世界での衣替えは今月から始まります。
暦もないのに規則正しく生活場所を変える渡り鳥には、
何とも不思議な存在ですね。

彼らは正確な体内時計を用いて、
太陽や星座を頼りに旅をするそうです。
 爺の体内時計は精々腹が減ったから、
そろそろ昼かなと思うのが精いっぱいです(笑)。

わざわざ北へ帰って雁は何をしているのか不思議ですよね。
調べてみました。
日本に毎年やって来るマガンは、
北極圏に帰り出産と子育てをしています。
5月の末頃に地上のくぼみに巣を作ったマガンは、
6月頃から産卵を始めます。

卵を抱く期間は4週間に及ぶといいます。
その間卵を抱くのはメスだけなので、
食事や排泄の時間も満足に取れないそうです。
無事にヒナが生まれると他の家族と合流して、
さながら共同保育所のような状態で子育てを行います。

ヒナが生まれて3週間ほどで北極圏は夏を迎えます。
気温が15度程になるとたくさんの羽虫が発生しますが、
マガンは親子でそれを食べ来るべき渡りに備えます。
親子で飛行訓練をする様子がそこかしこで見られるようになり、
9月が始まる頃にはマガンは渡りを開始するとありました。

4月は出会いと別れの季節ですが、
別れることは決して悲しむことではありません。
それに別れたと言ってずっとそのままではありません。

鴻雁来という言葉があるように、
雁は北へ帰ってもまた秋になれば戻ってきます。
別れる相手が誰であれ、
また別の形で出会うこともあるでしょう。
それに別れがあるからこそ新しい出会いがあるのです。
だから春の憂うつを感じたら鴻雁北を思い出しましょう。
(写真と文の一部はネットよりお借りしました)

< また会えると別れも無涙の帰雁 >
コメント
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