11㎞地点の舞平清掃センター前の給水所あたりで、また空が怪しくなってきた。
少しずつポツポツ来たが、大したことはないだろうと走り続けていた。
ところが、次第に強くなってきたので、6km辺りで脱いでポケットにしまっていた例の「穴あけポリ袋」を再びかぶることにした。
12㎞地点辺りでは、相当強い雨足になってきた。
12㎞から15㎞の往復3kmの江南区天野の地域は、新潟寺泊線の道路をはさんで両側が町並みの様相。
この3kmが、新潟ハーフマラソンでは一番応援の多い区間かもしれない。
本降りの悪天候の中を両側にたくさんの人が並んで声援を送ってくれていたのは、ありがたいと思いつつ、折り返しを終えたランナーたちが続々と走って来るのとすれ違う。
その中に、参加している息子がいないか見ていたが、どうやら先に行ってしまったらしい。
次に、4km過ぎであいさつして先行していったYさんはいないか、雨の中目をこらしていると、アルビサポのオレンジをまとったランナーが見えた。
やっぱり、Yさん。
写真を撮りたかったけれど、雨が当たるせいで、うまくスマホが作動してくれない。
やっとのことで撮れた1枚はピンボケ。
Yさん、ごめんなさい。
この後の折り返しまではずいぶん距離があったから、Yさんとは1kmどころではない差がついてしまったのだなあ、と思いながら、折り返し点を目指した。
今年も、折り返し点に立っていたのは、地元の銘酒越乃寒梅の純米吟醸のビッグボトル。
信濃川大橋の手前で折り返す。
町並みの両側からの声援がありがたい。
私の「アイシテルニイガタ」ユニを見て、「アルビ、ガンバ!」と声をかけてくれた方が何人かいたのは、本当にうれしく力が湧いてきた。
アルビユニといえば、何人ものランナーが着用していた。
なかでも、13…伊藤涼太郎、28…早川史哉、23…小見洋太(神ユニ)などは、今はいなくなった選手や以前の番号だから、何やらランナーの深い思い入れを感じた。
そんなとき、後方からカツコツという足音を立てながら、あるランナーが迫ってきた。
仮装ランナーの一人なのだろうけど、服装を見てほしいのではなく、注目は足元。
音がするのも道理、足元が違っていた。
なんと、下駄ばき。それも不安定な一本歯の下駄。
「ひょっとして、去年もこの下駄で走っていませんでしたか?」
と問いかけると、
「ええ、毎回これで走っています。」
との返答。
すごいよね~、なんともオドロキだった。
少し同走したが、前に出られたので、追いついてから、
「写真撮ってもいいですか?」
と聞くと、
「いいですよ」
というのでここに載せたしだい。
このままむざむざ一本歯下駄ランナーに先行されるのも口惜しいので、意地になって少しスピードを上げて先に出た。
その先にあったのが、給水所。
ここでは楽しみがあった。
それは、イチゴの提供。
去年はなくなっていたのだが、今年はありつけたから、満足。
イチゴをいただいたところで、15㎞地点通過。
無理せずジョギング中心に来たので、体力は、まだ残っている気がする。
さあ、あと残りは6km。
(つづく)