癒し系獣医師の動物病院開業日誌

アニマルセラピー団体で活動している癒し系獣医師。農業団体職員から脱サラし、動物病院を開業しています!

ACTとSPEED 心臓疾患栄養学

2010年02月24日 | 動物医療
バンクーバーオリンピックの女子フィギアは面白いですね。
浅田さんはキム・ヨナさんに僅かに及びませんでしたが、ショートプログラムはあれで充分でしょう。真央さんは以前からショートは苦手のようです。
フリープログラムではどうなるか?安藤さんにもまだまだメダルの可能性があります。
感じとしては安藤さんの方が調子いいなと感じていたくらいです。
とにかく、メダルの色よりすばらしい演技を見せて欲しい。

心臓シリーズ第三弾?
心臓疾患では初期の栄養管理が大切です。
その前に、やはり体重のコントロールは必須です。
適正体重にするだけでかなり改善します。

心臓疾患の予防と治療において
・適切なエナルギーの供給
・酸化ストレスからの解放
・炎症の低減
・電解質の改善
・心筋機能の改善
を目的に治療薬意外に栄養学的介在は重要であると言われています。

最新の心臓栄養学では具体的にはACTとSPEEDといわれています。
A:アルギニン
  正常な血管緊張に寄与していると言われています。つまり、心疾患における循環を改善
  すると言われています。
C:カルニチン
  簡単に言えば、心機能を改善するといわれています。現在も心臓サポート用の療法食に  は含まれています。
T:タウリン
  抗酸化作用が強く、欠乏症で拡張型心筋症になるばかりか、与えることで心不全の改善  になるとのエビデンスもあります。

S:ナトリウム(sodium)
最近は闇雲に制限してもかえってマイナスであると考えられています。心疾患初期では
  重度に制限することでレニンーアンギオテンシンアルドステロン系の反応を刺激して臨  床症状を悪化させることがあります。ACE阻害剤の登場もナトリウム制限の必要性を  減じています。
P:タンパク
  制限することで心臓疾患悪液質を進行させます。高消化のタンパクは必要といわれてい  ます。
E:エネルギー
  過度の制限は病気を悪化させます。過肥と痩せすぎのどちらでもいけません。本来のエ  ネルギー要求の80%前後は必要。
E:エイコサペンタエン酸
D:ドコサヘキサエン酸
  この両者で前炎症性メディエーターの低減を図れます。不整脈の改善にも言いといわれ  ています。

いずれにしても、療法食の早期の介在が有用であると言われてきています。
心臓疾患は奥が深いですわ・・・