癒し系獣医師の動物病院開業日誌

アニマルセラピー団体で活動している癒し系獣医師。農業団体職員から脱サラし、動物病院を開業しています!

ウルソデオキシコール酸

2012年06月30日 | 動物一般
今日は昨日よりは暑さが和らぎ、夜も涼しいです。
夏はいいですね、やはり。
でも、秋が一番すきなのですが。
先日、熊胆のことを書きましたが、、、、
漢方医学(漢方薬)や東洋医学では古来から熊胆を身体を強健にする『万能薬』として用いており、現在でも化学合成されていないクマから採取して乾燥させた熊胆は『利胆薬』として珍重されています。その主成分はウルソデオキシコール酸です。

病院で処方されるウルソデオキシコール酸は化学的に合成されたものですが、『健胃効果・利胆作用・肝機能改善』など消化器系全般に作用する薬効が認められています。肝臓に作用して胆汁の分泌を促進して、肝機能・胃腸機能・胆嚢を改善しますが、その他にもコレステロールや中性脂肪を抑制する効果があります。

今日、家の実家のポメラニアンが11歳の誕生日だったこともあり、病院で血液検査をしました。
すると、以前数値の悪かった、
ビリルビン
コレステロール
AST
が正常値になっていました。
ここ、半年くらい「ウルソ」を与えていたのでその効果ですね。
天然の熊胆は一体どれだけ効くのか体験したいものです。


熊胆

2012年06月29日 | Weblog
今日は暑い日でした。昨日より暑いです。節電の中では辛いですね。体も何となくだるい・・・

さて、
熊胆(ゆうたん)は、動物性の生薬のこと。熊の胆(くまのい)ともいわれ、材料は、ツキノワグマやヒグマの胆嚢であり、乾燥させて造られますが、健胃効果や利胆作用など消化器系全般の薬として用いられています。ただし、めちゃくちゃ高価で1g1万円くらいしますので、胆のう1個まるまる舞買うと数十万円します。
近年は、狩猟者が減少していること、乾燥技術の伝承が絶たれていることなどから価格が上昇していて、中国などから輸入される量が増えつつあるそうです。中国では、「熊農場」においてクマの胆嚢にカテーテルを挿入して強制的に採取した胆汁の乾燥物が出回っており、国際的に問題視されているらしいです。
熊胆の主成分は胆汁酸代謝物のウルソデオキシコール酸 (UDCA) ですが、UDCAは化学合成が可能で、一般医薬品として広く使われているにもかかわらず、漢方薬として熊胆が未だ珍重されています。これは漢方医学では、抵抗力(生気=免疫力)の低下した人に邪気(寒の邪や風の邪)が侵入すると考え、予防と治療には気、特に胃腸機 能を整えることを重視することから、漢方薬しても価値が高からです。

熊胆は漢方の世界では、解熱、鎮痛、鎮痙薬としても珍重され、場合によっては煎じた汁を点眼して点眼薬として使う場合もあるようです。

高価でも求める人がいるくらいですから、効くんでしょうね、UDCA単味の場合と違うのだと思います。

身近な生薬

2012年06月28日 | Weblog
綿毛のような種?がいっぱい地面に落下し、しかもデジカメの調子が悪くピンクの芝桜のように写っています。
今日も暑い一日でした。

最近、漢方薬に凝っていろいろ本を読んでいるのですが、身近に生薬の原料はあるのもです。

・シナモン
 桂皮といいます。ベトナムのクスノキ科の常緑の木の皮ですが、ご家庭にありますよね。単独では温める作用が強く、頭痛、発熱、寒気に効きます。
・厚木
 こうぼくです。その樹皮を使います。これも温める作用が強く腹痛、咳、腹囲膨満に効くと言われています。
・シソの葉
 紫蘇葉といいます。単独ではやはり温める作用があり、シナモンと同様の効き目があるほか、精神安定や魚とカニの中毒に効くといわれています。ですので、サシミ料理にシソを添えるのは理にかなっているのです。
・芍薬
 シャクヤクの根です。冷やす作用があります。腹痛やめまいなどひえに伴う症状に有効です。
・桃の実
 桃仁といいます。お血症状、つまり血の結滞に有効です。
・ボタン
 牡丹は木ですが、その皮を使います。冷やす作用があります。

まだまだ沢山ありますが、意外と身近にあり特別なものでないものが漢方の生薬になっているのです。

トレーナーと訓練士

2012年06月27日 | 動物一般

家の家庭菜園も何となくカッコ付いてきました。
今年は全て「種」から育てています。
さやいんげん、赤カブ、小松菜、メークインです。
暖かい日が続き期待できます。

それにしても、今日も暑い一日でした。
今週一杯は天気もよく気温も高いので、先週の天気の悪さを挽回できそうですね。


犬の訓練士とドッグトレーナーは同じことだと思っていましたが、業界の中では「微妙」に異なるようです。

訓練士さんは犬を訓練する
ドッグトレーナーは飼い主さんを教育する

という差があるようです。
そういえば、先日行った「しつけ教室&親睦会」のときの講師はトレーナーと名乗り、
「私は犬でなく、人に教えるトレーナーです」と最初に仰っていたことを思い出しました。

犬と問題を抱えることなく、楽しくワンライフを築くためには、トレーナーさんの力が必要であると痛感しました。

「よい飼い主」になることが大切ですね。




サイロキシン製剤(忘れてた)

2012年06月26日 | 動物医療
今日は暑い日でした。
久々ですね。6月も下旬ですからこうでなくちゃ。

何となく、家の犬がもったりして、体重が増えてきた?
ウーン、うん!よく考えてみたら、甲状腺機能低下症の薬剤を与えるのを忘れていました!
さっそく与えねば!春の足の怪我ですっかり忘れていたのです・・・・・・

ところで、犬の甲状腺機能低下症の場合に与えるサイロキシン製剤(甲状腺ホルモンの一種)の量は、人のそれに比べて大量です。

犬は(猫も)甲状腺ホルモン製剤の腸管からの吸収率が人に比べて非常に悪く、人では甲状腺製剤を腸管から約50~80%吸収するのに対し、犬や猫では10~50%からだそうです。
このことから、人に比べて犬や猫の方が甲状腺機能低下症の場合には大量に服用しなければならない原因と考えられています。
ただし、ゴールデンレトリバーは加減して与えないと逆に甲状腺機能亢進症になってしまう場合があるそうです。

サイロキシン(T4)の作用部位は核の中の蛋白合成、エネルギーの代謝の活性です。
食欲・眼の輝きなど。投与によりエネルギーの代謝の活性はすぐにですみたいです。

これで、家の犬のもったりは解消するか?

しつけのトレーニング

2012年06月25日 | 動物一般
土曜日のイベント(しつけ教室&親睦会)は岩見沢市の「さとう動物病院」をお借りしたのですが、セラピー犬がドッグランで遊ぶ姿を見て、大人しく他の犬とも争うことなくいる姿を見て、「さすがだ!」と言ってくれたのは嬉しかったですね。

しつけ教室を毎年必ず行うのですが、しつけは「家族」として共に生きるためのルール作りです。
そして、そのルールを作って犬に教えるのは当然人間です。
ですから、トレーナーの方も言っていましたが、しつけ教室は犬でなく人間に対して行うものだともいっていました。

犬は社会のルールは知らないし、理性というものも本来ないはずです。
ですから、犬の頭の中にしつけという絵を描くのは飼い主さんに依存するのですね、とこのトレーナ-の方のある新聞記事に書いてありました。なるほど!です。
どう描くかは飼い主さんの個性であり、下手に書けば下手な社会のルールしか犬は見れないのでしょう。

やっぱり、丁寧になるべくきれいに描きたい。
そのためには飼い主さんが理解して、丁寧に筆を持つことです。

できたらほめて、出来なければ叱るというのがしつけの基本ですが、私も含めてよく理解ができていない人も多いのが現実です。

そのために自分自身で勉強して考えて、トレーニングしていくことが必要なようです。
特効薬はないのです。

大盛況でした。しけつ教室&親睦会

2012年06月24日 | アニマルセラピー
昨日の北海道ボランティアドッグの会の「しつけ教室&親睦会」は大変盛況でした。
10時過ぎからのしつけ教室には12頭の参加です。
担当は「ヒューマン ドッグ トレーニング サービス」の浅井訓練士さんでした(長沼町」。訓練士さんにおなじみの会員多く和やかに取り組んでしました。

約1時間半くらいの教室のあとは、「親睦会」です。
全員で40名を超える大親睦会は
岩見沢市の動物病院に併設されたドッグランの中にある、「バーベキューコーナー」で開催したのですが、これが大好評!
鳥の足をその場で、揚げてくれて提供してくれました(専用厨房機がある!)。
それから、石窯焼きピザこれも専用機がある!
そして、揚げたてのフライドポテト!これもある!
外では、焼肉!
そしてデザートにソフトクリーム!これも専用機がある!

さとう動物病院にはとてもお世話になりました。
院長が大学の同級生で友人ということもあり、大サービスしてくれたおかげで参加者は大満足です。
この病院は元の牛舎を活用して病院とドッグランを作ると言うユニークな病院で患者さんも非常に多いのです。

毎回のセラピー活動以外懇親を深めることは大変有意義ですし、普段あまり顔をあわせない会員同士も知り合いになります。

参加者が予想以上で事故がないか心配しましたが、余計な心配だったようです。
皆さん、きっちりと協力してくれる方ばかりで、そのような心配は杞憂でした。

機会があればまたやりたいですね。

漢方薬は脇役でいいかも

2012年06月22日 | 動物一般
寒いですねぇ・・・
5月の気候です。
農作物が心配になりますね。

明日は、ボランティアドッグの会の「しつけ教室&親睦会」です。
室内ドッグランということもあり、沢山参加者がいます。
今日は買いも物とかですっかり疲れた・・・・・早く寝よ!

漢方専門外来を持つ病院はまだまだ少数派です。
それでもいろいろ調べると、大学病院を中心に東洋医学外来はあるようです。
東京方面中心ですが、特に「慶応大学病院」にもあります。
それだけ最近はしっかりした医学分野として位置づけされつつあるということです。

それでも、一般の病院では脇役的存在です。
漢方薬は西洋医学と併用しても特殊な場合があるかもしれませんが、問題ないそうです。
むしろ西洋薬で手の届かない部分を漢方薬で補うのです。
妊婦さんや子供さんに対しても危険なく使えるといわれています。
妊婦さんに関していえば、むしろ副作用が僅少な漢方薬の方がいいかもしれません。

漢方薬も人間の医療保険薬として薬価が収載されています。そして安いのです。
それでも、数年前の「事業仕分け」で消されそうになりましたが、必要性が認められて残りました。
漢方というと、いまだに眉唾ものと見る無知な人がいるのです。

それは、怪しい団体が例えば癌に効くとか糖尿病に効くと宣伝したりする場合があるからでしょうか?

糖尿病に効く漢方薬はありません。ただし、糖尿病で引き起こされた併発した症状の緩和に効く漢方はありそうです。
また、癌に効く漢方薬もないそうです。あるとすれば、がん治療によって引き起こされる副作用を緩和したり、症状を和らげるたりする補助薬的な役割として、むしろ注目されつつあるのです。

西洋薬にできて、漢方薬にできない部分もあるし、その逆も多いと言うことで、やはり専門家のアドバイスに従って服用するのがベストでしょう。

皮膚病と消化器疾患

2012年06月21日 | 動物医療
今週は台風の影響で天気がよくないですね。
今から台風なんて、困っちゃいます。北海道は直撃されていないのでまだ問題は
少ないですが、被災地で地盤沈下したところは大変です。
北海道で心配されるのは、気温の低下です。台風4号から変わった温帯低気圧と、オホーツク海に中心を持つ冷たい高気圧がぶつかり、気圧の谷ができるのが原因とか。
早く、夏らしい日が来て欲しいものです。

さて、たまに聞くのですが・・・・皮膚病と便秘や下痢は関係があるようです。
特に胃腸の状態とアトピー性皮膚炎は無関係ではなく、便秘や下痢がアトピー性皮膚炎を悪くすると一部では言われています。
腸内には多数の菌が常在しているのですが、その中にも善玉菌(乳酸菌群など)と悪玉菌(カンジダなどのカビ、腐敗性嫌気性菌など)がありますが、便秘や下痢の時には悪玉菌が増えやすくなり、また悪玉菌が増えると便秘や下痢になりやすく、そのような状態ではアトピー性皮膚炎に悪影響が及ぶとのこと。

腸の働き・状態や腸内細菌のバランスを整えておくことは、アトピー性皮膚炎の改善に役立ちますので、整腸作用のある食物繊維や乳酸菌を含む食品を十分にとるとよいかもしれません。加えて腸内環境と免疫は関係がありますのでそういう面からも腸内環境が大切です。

食物繊維は海藻、豆類、きのこ類、野菜類などに多く含まれ、乳酸菌を多く含む食品の代表はプレーンヨーグルトです。私はヨーグルトを毎日食べます。犬も食べますが、以前より皮膚病になりにくくなりました。

難治性の皮膚病が漢方で胃腸を整えることで改善することはよく経験することだそうです。局所だけでなく全体を診て治療することも大切でしょうね。