癒し系獣医師の動物病院開業日誌

アニマルセラピー団体で活動している癒し系獣医師。農業団体職員から脱サラし、動物病院を開業しています!

iphone4

2011年04月30日 | Weblog
いや、子供がiphoneにしたいってんで、変更することになったら、急に自分も変更した方がいいと思い込み、店に乗り込んだんですが、結構設定に時間がかかりますね。
でも、料金安いし、機能満載です。
問題は使いこなせるかです。僕みたいなおっさんにはかなり過酷。
でもまあ、何とかなるでしょう。

そんなんことで、今も使い方のマスターで四苦八苦です。
眠い、もう寝よう。明日は仕事だ!

マダニも役に立つ?

2011年04月29日 | 動物医療
今日は久々?のお休みで、お彼岸に行けなかったお墓参りに行きました。
ゴールデンウィークの墓地は空いているのです。
北海道はお彼岸に墓参りするとなると、雪をどけなくてはならない場合がほとんどです。
ですので、私は今の時期を選びます。

農業の世界、我々の業界もそうですが、「マダニ」の研究をする方は多いようです。
蚊も結構研究材料に選ばれますが、マダニはその中腸上皮細胞に特徴があり、いろんなおもしろい材料があるようです。

マダニ、主にフタトゲチマダニは卵、幼ダニ、若ダニ、成ダニのステージで発育しますが、宿主からの吸血が欠かせません。その過程でベクターとして人や動物の病原体を伝播します。
その吸血のプロセスの中で吸血調節物質といわれるものをだすのですが、その中に、「ヘマンギン」という血管増生を抑制する物質があることが分かってきました。
つまり、フタトゲチマダニ唾液腺から、蛋白分解酵素阻害剤のヘマンギンが発見され、ヘマンギンはセリンプロテアーゼ阻害物質活性を保有し、濃度依存的に血管内皮細胞の増殖を抑制して、血管形成を阻止することが分かりました。
「マダニ唾液腺からは、これまでに血液凝固を抑制する分子は多数報告されてきたが、ヘマンギンのような血管新生を抑制する機能の発見は初めてである。ヘマンギンはマダニの大量かつ持続的吸血を可能にする役割を果たしていると考えられる。」

とのこと。
これは将来マダに由来の人間の重要な病気の治療に応用されるのかもしれないのです。
つまり、
「ヘマンギンは血管新生に起因する、ガン・糖尿病などの治療薬開発の創薬候補分子としての可能性も考えられる。 」
ということです。

もちろん、マダニの吸血行動を支えるヘマンギン等の吸血調節物質を不活化することは、新たなマダニ制御技術の開発に利用できるものと思われる。 つまり、従来の駆虫薬にかわる新たなダニの駆除ができるかもしれません。

恐るべし、マダニ・・・・・・




セラピー犬の犬体検査結果通知

2011年04月28日 | 動物医療
今日は振替休でしたが、いろいろあるので午前自主出勤し、午後からは所要があり、母校の大学に行ってきました。

大学内のほ場は例の田舎の香りの元を撒いた後なのか、歩道にもその痕が・・・
でも、学生は気にもせず、歩いていました。僕はちょとよけたなぁ。
緑も萌え始め、いよいよ農作業開始といったところでした。

大学では伝染病学の先生にもお会いできたので、今回のセラピー犬の犬体検査結果についてのアドバイスもいただきました。

カプノサイトファーガ・カニモルサス感染症は良く分からないので、説明を聞きましたが、通常の接触では問題ありません。なにしろ、かなりの率(9割)で保菌はしているといわれています。
一部検出されましたが、心配なし、だたし一層の衛生管理を御願いしました。

サルモネラもたまに検出されます。
食中毒の原因菌のひとつですから、これも糞便の扱いに要注意と説明しました。

当然ですが、皆さん何かが検出されたと聞くと大変驚かれます。
このような場合、メール等で伝えるとかえって不安を増すこともあり、必ず電話で直接伝えるようにしています。

何もでないことが望ましいですが、何かを契機に「気をつける」という意識が生まれればいいではありませんか。

検査材料を送っていただいた犬についてすべて問題なしとしました。

気温とフィラリア感染症

2011年04月27日 | 動物医療
少しずつ暖かくなってきましたが、もう少ししたらフィラリアの予防の季節ですね。
北海道でも道東は感染の危険性が低いですが、感染の可能性はあります。ですから、予防はしたことに越したことはありません。

フィラリアの感染の可能性の期間を示す概念にHDUがあります。

HDUとはHeartworm Development heat Unitの略で、近年フィラリアの感染可能期間を類推する方法として日本犬糸状虫症研究会、犬フィラリア症予防普及会により提唱されているもので、概ね感染期間と一致すると考えられています。

算出式は((最高気温+最低気温)/2)-14
を1日HDUとし(マイナスの時には0とする)、春はそれを加算していって130を超えた時点
で冬は最近30日間の合計HDUが130を切った時点、つまりその年の終点です。
つまり、予防は130を超えてなるべく速やかに予防したgほうがいいのですが、細かく言えば

フィラリアの成長はL1(ミクロフィラリア)から始まりますが、L1は体内にいても、そのままでは成虫まで成長することができません。一旦、蚊の吸血によって蚊の体内に入り込み、L3まで成長して、犬に感染する能力を得ます。寒い時期に蚊がL1を取り込んでも、L1は成長できずに蚊の体内で死んでしまいます。
L3まで成長した虫を持った蚊がもう一度犬を刺すと、その傷口からL3が犬の体内に入り込みます。つまり、感染が成立する可能性が出てきます。
L3は犬の皮膚の下で成長して心臓まで虫が到達すれば感染成立ということになります。
フィラリアの予防薬と呼ばれているものは実際にはフィラリアの幼虫が皮膚の間にいる間に殺す駆虫薬です。予防薬といっても少し御幣があるかもしれません。

イベルメクチンはL4幼虫のみを殺すもので、確実に殺せるのは感染15~50日齢の幼虫です。確実な駆虫期間はミルベマイシンよりも短いのですが、ジャーキータイプがあります。
ミルベマイシンはL3,L4,L5初期の幼虫を殺すもので確実に殺せるのは感染15~60日齢の幼虫です。確実な駆虫期間はイベルメクチンよりも長いです。
まあ、正確には駆虫薬です。

ちなみに、札幌ではHDU130を超えるのは大体6月下旬で終わりが10月初旬ですから、駆虫は7月初旬から11月初旬くらいまでしょう。

気温が重要な病気です。
 

犬体検査

2011年04月26日 | 動物医療
暖かい日でしたね。
震災が起きてしばらく経ちますが、まだまだ課題が多いとしても少しずつ前進しているのは間違いないですね。

セラピー犬では適性検査のほかに犬体検査も行います。
血清や糞便等を材料に人の健康に影響する病気を持っていないか検査します。
今回の分もあと少しで結果を発表しますが、注意すべき感染症もあります。


サルモネラ菌には様々な種類があり、犬や猫ばかりでなくねずみや亀に至るまで、多くの動物に多く分布しています。人では主に食中毒や腸炎を起します。犬はサルモネラ菌を持っていても、比較的症状を示さないことがありますが、この場合でも菌は体外に排泄されています。犬を清潔な環境に置くこと、ゴミなどをあさらせないこと、便を完全に始末することで人への感染は防げます。
散歩の時は注意ですね。特に北海道は春先は公園や道路が汚いですから。

また、最近はカプノサイトファーガ・カニモルサスという細菌を原因とする感染症も注目をされています。
この菌は動物(イヌやネコなど)の口腔内に常在しています。犬では90%以上とも言われています。犬そのものには影響ありませんが、体力のない人か咬まれると稀に発症します。まあ、敗血症ですね。

とにかく、過度の接触を避けるのが基本です。
とは言っても・・・・・
ほどほどにです。

殺処分

2011年04月25日 | Weblog
今日は新入社員の歓迎会でした。
フレッシュマンはいきいきとして見ていても若々しく楽しい気持ちになりますね。

福島の警戒区域内の家畜」を殺処分するとか。
事情は分かりますが、個人的にはやめてほしい。
如何にも厄介払いされると言う印象です。補償さればいいという問題ではありません。

伝染病でもなんでもない。
確かに汚染地域に入れなくする事情はわかりますが、どこか離れたところに畜産団地をつくり一時退避できないものでしょうか。

個人的には「殺処分」とういう言葉に反応してしまいます。
飼い主さんの心情を思うと中々受け入れられないことだと思います。
命の重みに鑑み知恵をだしてほしいものです。
何とか救ってほしいと切に思います。
「口蹄疫」とだぶり、辛い気持ちになります。

旭山公園出初

2011年04月24日 | Weblog
 すっかり雪も溶けたので、午前中はお仕事でしたが、午後からさっと旭山公園に行ってみました。
 もうすでに、沢山の市民が来ていまして、その多くが犬連れです。この公園は何といっても犬連れが多いのです。
 一番のお気に入りは「つり橋」のあるポイントです。野山を犬と一緒にあるくのはホントにリフレッシュしますよ。
 こんないいところに、車で15分くらいでいけます。

 我が家の、コーギーも久しぶりの公園に喜んで走りました。
 今年は、いっぱいこの公園に来るつもりです!

町内会総会

2011年04月23日 | Weblog
ちよっとグロイ系ですが、肛門腺炎を放置するとこうなります。
治療は可能ですが、もちろん痛いでしょう。

猫でも犬でも起こりえます。
肛門腺が出づらい子もいるので注意が必要です。
外の圧迫だけでは出ない子もいます。
その場合は肛門に指をいれて直接絞る必要があるので、一般の方にはお勧めできません。
病院で定期的に絞ることです。
そんなにお金はかかりません。

今日は町内会の総会でした。
東北の震災のことがあり、自治防災に関する意見が沢山でました。
震災は数々の教訓も与えていますね。
黙祷も行いました。

防災組織も単なる形でなく、ちゃんと稼動できるよう努力が必要です。

放し飼いの牛

2011年04月22日 | Weblog
原発の被害にあっている、福島では避難区域が設定されて、皆さん生きた心地がしないのではないでしょうか?

被災しているのはもちろん人間もそうですが、人やある意味食物や自然そのものが被災しているとも言えます。

今朝の新聞にも掲載されていましたが、避難はしたものの、残した家畜が頭から離れず、制限を無視して家畜に餌や水を与えに行く畜産農家もいるようです。心情は全く理解できますし、僕も同じ立場なら同じ行動をとったでしょう。
特に、肉牛農家は牛を我が子のように、ペットとはちょっと違う感覚なのでしょうが、とにかく大切に飼いますから。

被災地の動画投稿を見ると、放し飼いにされた牛や豚、犬や猫もいるようです。
いたましくて、直視できません。止むに止まれず放したのでしょうか?

一刻も早くこの苦痛から被災地の方や動物が開放されるのを望むのみです。

明日は、町内会の総会で、さっきやっと議案ができました。
無事に終了すれば安心なのですが、最近なんとなく皆さん仲が悪くて・・・心配。

スクレーピー

2011年04月21日 | Weblog
BSE(牛海面状脳症)に似たスクレーピーが道東音更町で発見されました。
久しぶりですね。しかし、殺処分することで他に広がる危険性はありません。
牛のBSEもしばらく発生していない中でちょっと驚きましたが、冷静に対処できるでしょう。

「平成23年4月14日(木曜日)に福岡県でスクレイピーと確認されためん羊が、音更町産であることが判明しました。

 スクレイピーは、異常プリオン蛋白質を原因とするめん羊・山羊の伝達性海綿状脳症で家畜伝染病の一種ですが、牛の伝達性海綿状脳症(BSE)とは異なる病気です。

 この病気は患畜(スクレイピー感染が確認されためん羊)の出産時に体液や胎盤などに接触することにより感染するため、次のようなめん羊を疑似患畜として殺処分します。

患畜と血縁関係(親子・母系の兄弟姉妹)にあるめん羊 患畜の母親が患畜を分娩してから1か月の間に当該患畜または患畜の母親と同居したことのあるめん羊 患畜が雌の場合、当該患畜の最終分娩時以降に当該患畜と同居したことのあるめん羊  スクレイピーは、口蹄疫のような感染はしませんので、疑似患畜を割り出して殺処分することで対処します。今回は、北海道十勝家畜保健衛生所が生産農場の疑似患畜16頭を殺処分・焼却しました。」
以上抜粋です。

それにしても韓国の口蹄疫はまだ治まっていませんが・・・・・