癒し系獣医師の動物病院開業日誌

アニマルセラピー団体で活動している癒し系獣医師。農業団体職員から脱サラし、動物病院を開業しています!

子宮脱

2010年02月13日 | 動物医療
産業動物獣医師の「華々しい治療」のひとつに「子宮脱整復」というのがある。
子宮脱というのは、分娩後に何らかの理由で子宮が反転して子宮頚管から陰門外に脱出した状態を指します。飼い主からは「胎盤みたいなのが、ぶら下がっている」なんて稟告がある場合もあるようだ。

僕が最初に臨床実習で出くわしたときは驚いた。牛は起立できないで子宮の裏返ったものだ出ているんだから・・・・・・
その当時は確か、農家の人に子宮の下のビニールを敷いて保護したのち、子宮を洗浄してから、
先生がやおら
「かあさん、砂糖あるかい?」
「はあ?さとう?」
「そう、甘いさとう!」
「あるけど?」
「持ってきて」

てな具合で、砂糖を子宮にまぶし始めた。
そして僕という人力がいるので、二人で反転した子宮を押し込んだ。
後は、再度脱出しないように、陰部を縫合しておく。
さらに、腰を高く維持するよう敷き藁の梱包を置いたように記憶している。
終わったら汗だくでしたが、妙な充実感が・・・・・

後で聞いたら、砂糖をまぶしたのは脱出して腫れた子宮の浮腫を取る目的だったのですわ。
なるほど!