癒し系獣医師の動物病院開業日誌

アニマルセラピー団体で活動している癒し系獣医師。農業団体職員から脱サラし、動物病院を開業しています!

咳と心不全

2009年09月30日 | 動物医療
10月3日はセラピー犬の適性検査です。
それなりに準備するのですが、いつも不安ですね。
まあ、何があるかわからないですから、責任者としてはキンキョーする訳です。
この検査が終わらないとホットできません。

慢性心不全の実家のポメはACE阻害剤(エナカルド)の服用で咳もでないようです。一時期エナカルドを服用しても症状が出て困ったのですが、呼吸器の薬剤とピモペンタンで2週間ほど服用したところで、もとの薬剤に戻しましたがかなり安定して安心しました。

MR(僧帽弁閉鎖不全)のときに何故咳が出るか?
左心不全のとき気管分泌は多くなり湿った咳がでたり、左心房が拡大して心房と大動脈の間で気管が圧迫されて咳が出るといわれています。この場合は乾いた咳になるわけです。

それと慢性心不全のときは腎機能も落ちている場合が多いことは余り一般の人には知られていません。心不全の犬の約60%の犬にBUN(尿素態窒素)の上昇が見られます。つまり、心の循環血液量が減少して充分な糸球体圧が得られず腎前性の機能不全になります。これに対してもACE阻害剤は効果があるといわれているそうです。

老齢になると少なからず心不全傾向はでますので、このことを知って置いて損はないでしょう。

人間ドック

2009年09月29日 | Weblog
今日は人間ドックでした。
今年の検査は自信満々。
何せピークの20kg減ですから。
予想通り、全てクリア・・・・・というかず、僅かに1項目が引っかかりました。
「貧血」です。ヘマトクリットが33%、ヘモグロビンが11.8%しかありません。これは標準を少し下回ります。

何で、低いのかわかりません。
結構食事には気をつけてますからね。ほうれん草も小松菜も食べてるし、野菜類は結構沢山摂取しています。
父も低い方でしたから、血筋ですかね。

ドックでは待ち時間があるので、イロイロ学術書を読んでいたのですが、乳腺腫瘍のことが印象に残りました。
乳腺腫瘍は犬では全腫瘍の52%を占め猫では少ないそうです(17%)。それは、ホルモン依存性の発生なので、プロジェステロン受容体が猫ではすくないからだと言われています。
悪性度は犬では50%:50%ですが猫では20%:80%のようです。
非避妊犬は避妊犬の7倍の発生率であり、初回発情前に避妊していると発生率は0.05%ですが2回目以降だと26%に跳ね上がります。

それにしても、稀ではありますが炎症性の乳腺腫瘍は内科治療も全く効かない厄介なものですが、何故なんでしょうかね?ステロイドの抗生物質も全く効かないそうです。

とにかく、無事クリアしたのはよかった・・・・・


江別市動物愛護フェステイバル終了 2

2009年09月28日 | アニマルセラピー
昨日はイベント終了後の打ち上げにまで参加したので帰りが遅くなりましたのでとりあえずの報告でした。

江別市小動物獣医師会はメンバーが10名ほどですから、2600名規模のイベントと立派です。
企画から実行まで数少ない人数でこなしましたので大変だったと思います。
これも大学のバックアップがあったからかもしれません。

昨年は第1回でしたので何もかにもが手探りでしたが、今年は大分慣れてきたようです。ささやかながら私もお手伝いしましたが、今年はもう不要です。
大成功です。

札幌と江別では来る犬の犬種は江別の方が大型中心であることが傾向として面白かったです。

今回はセラピー犬の模擬適性検査がまたまたすぐに希望者で埋まり嬉しい限りです。こんなに関心を持ってくれることに感謝いたします。

江別市動物愛護フェステイバル終了

2009年09月27日 | アニマルセラピー
チョーいい天気の中で、江別市小動物獣医師会主催の動物愛護フェスティバルが無事終了しました。
正確なカウントにより約2600名の来場者でした。札幌市と違い小規模な団体の開催としては大変すばらしい運営でした。

セラピー犬の模擬適性検査も7組があっという間に埋まり、盛会のうちに終了です。これでイベントは全て終了し、来週の本番の適性検査を迎えます。

あと一分張りです。

インフルエンザ隔離からの解放

2009年09月26日 | Weblog
子供のインフルエンザは順調に回復しているようです。
となると、いつ隔離から解放するかが気になります。
発熱から3日経ちました。完全に解熱しています。


学校保険法ではインフルエンザの場合は解熱後2日となっていますが確かな根拠がある訳ではないようです。

潜伏期は平均2日(1-4日)、感染性があるのは、成人では最初の3-5日が最大だそうです。
インフルエンザウィルスの潜伏期間は長くて一週間といわれていますので、
万全を期すならば感染能力がなくなる解熱後2日から、一週間といわれているのですが、まあウイルスは排出されるけど感染するには一定のウイルス数が必要です。明日で解放としたいと思います。本人も相当煮詰まっているようですし・・・・・

明日は江別市の動物愛護イベントです。いよいよ今年の最後です。
頑張ろう!!


遺伝

2009年09月25日 | 動物一般
息子のインフルエンザA型は悪化もせず、経過はいいです。
しかし、周りで発症した家庭のことを聞くと全員発症したとか・・・・・
どうなる、我が家。

先日BSで犬の番組を見ていたらローデシアン・リッジバックのリッジヘアのことを取り上げていました。背中の中心部分の被毛がお尻から肩の方に向かって、通常の毛並みとは逆向きに(つまり、逆立って)生えています。これがこの犬のJKCのスタンダードです。しかし、この逆毛の遺伝子は優勢遺伝子で2つの内1個でもあればリッジヘアになるのですが、2つ優勢遺伝子が揃うとある疾患とは、背骨にそって多数のこぶのようなものが出来てしまうそうで、類皮洞とよばれる先天性疾患です。こぶが感染を起こすと、背骨に痛みが出たり、硬直したり、熱を持ったりし、ひどい場合には生命を脅かすこともあるそうです。この遺伝子がヘテロだと問題ないし、劣勢遺伝子がホモになっても発症しません。その代わり逆毛でなくなります。その場合、ローデシアン・リッジバック協会では「淘汰」する場合があるというのです。驚きました。純血というものを守るためにそこまでするのでしょか。

これはホワイト シェパードにも当てはめられる場合もあるというのです。
人間が作出した純血種により、スタンダードでも体に障害を持つことがあります。
遺伝病学の重要性を感じますね。

A型インフルエンザ

2009年09月24日 | Weblog
つ・つ・・つついに、我が家でもインフルエンザA型が発生しました。
今日の未明、息子が急に発熱して具合が悪くなり、翌朝病院に行きましたら、A型だったそうです。

もちろん高校は休みですが、丁度「学校閉鎖」になったところです。
私も職場に報告して、明日は自主的に休むことにしました。

まあ、2、3日前から体調はすぐれなかったようですが、余りインフルエンザは考えていませんでした。発熱が38.3℃で咽が少しいたい程度です。

自宅では手洗い、うがいはもちろん、息子を隔離してマスク着用です。
症状は今の所軽く、タミフルも飲んで、いますが比較的元気です。

これから猛威を振るうでしょう。
皆さんも気をつけてください。

更生プログラム

2009年09月23日 | アニマルセラピー
写真はゴールデンドゥードルです。
6ヶ月だそうですが、札幌市内では余り見かけないでしょう。

いつも訪問させていただいている、小樽のグループホームでは来月警察がアニマルセラピーを見たいということ。警察というより、少年更生の関係のようです。

最近では国会でもこの更生プログラムの必要性が参議院の委員会でも質疑が行なわれた記録があります(平成19年5月)。

先進地アメリカではアニマルセラピーを更生プログラムに取り入れて再犯率が非常に低くなったという報告もあるようです。

私自身は一度も更生プログラムには関ったことはありませんが、是非一度手がけてみたいものです。未知の分野で何も分かりませんが、興味を覚えますね。

シルバーウィークも終わりです。
自身は余り休めないところもありましたが、明日から頑張りたいですね・

イベントにて思う

2009年09月22日 | 動物一般
この間のイベントで我がブースの看板犬。
かわいいですね。

今回の来場者は過去最高だったのですが、それにしても多頭飼いの人が結構多かったように思います。
4、5匹も珍しくありません。飼育費用もバカにならず、世の中不況ですが、かけるところにはかける。というか、こういう時代だからこそ、ペットの癒しが求められるのかもしれません。

それと気づいたのは、年齢の高めの人のペット飼育人口が確実に増えていることです。犬が若いときはいいですが、自分も犬も高齢になったときのサポートも必要ななってきます。犬の老犬ホームも出始めています。今や、動物の癒しは社会の必然的ニーズになりつつあります。社会が「たかがペット」という考えを変換しなくてはならない時代になってきたことを認めてもいいのではないでしょうかね。

ちなみに
「北海道盲導犬協会は1978年、札幌に盲導犬用の「老犬ホーム」を設立した。すでに200匹以上の盲導犬がここで余生を送っている。盲導犬は12歳で定年退職し、その後は人々が責任を持って世話をしている。」
とあります。

犬も老後安心して暮らせるケアが求められる時代になってくるでしょう。

模擬適性 in ばんけい

2009年09月21日 | アニマルセラピー
昨日は疲れてバタンキューでした。

模擬適性検査は本当に意外に人気があります。
デモとしては地味ですし、どうかといつも思うのですが、参加枠(通常5~7組)はすぐに埋まります。特に、声かけしなくてもすぐに埋まるのです。
結構関心強いです。

今回の模擬適性では小型犬が多かったのですが、珍しい犬種では

「ホワイトシェパード」
ジャーマンシェパードの世界では忌み嫌われ
淘汰され続けてきた哀しい歴史を持っています。
そのような不幸な歴史も、やがて終わりに近づき
そして現在、新犬種ホワイト・スイス・シェパード
として生まれ変わり、
その容姿の美しさや友好的な性格の為、
一般の人々から火がつき始めています。
しかし、まだまだ認知度が低い犬種であり、その存在を知らない日本人が多いのです。
ジャーマンシェパードから、アルビノとは違う白毛の子達が産まれてくることすらご存じ無い方がほとんどです。
それもそのはず、白い子達は生まれてすぐに処分され続けてきたからです。
不幸な歴史を乗り越え注目を浴びつつある新犬種。

「ゴールデンドゥードル」
ゴールデンドゥードルとは、スタンダードプードル×ゴールデンレトリーバーから生まれた子犬で、海外(特にアメリカ)では人気があります。ゴールデンドゥードルは従順で賢く、子供ともよく遊び、家庭犬としてお奨めのミックスです。

以上はインターネットで調べた内容です。

実際見ましたが、まだ若くセラピー犬としてはまだ落ち着きがないようでした。
全体として、適正がありそうなワンチャンは半数弱程度でした。

今回は、これまで模擬適性にでたことのないような会員にも参加してもらったことが良かったです。

年々模擬適性に対する関心が高ってきてる感じがして、嬉しいですね。