癒し系獣医師の動物病院開業日誌

アニマルセラピー団体で活動している癒し系獣医師。農業団体職員から脱サラし、動物病院を開業しています!

耳垢腺の腫瘍

2010年02月06日 | 動物医療
吹雪、ふぶき、フブキです。
暴風雪です。
雪祭り見学どころでないかも・・・・・

今日、知人の動物病院のところに用事が行くと、耳垢腺腫を取り除く手術だというので少し見せてもらいました。高齢の犬で耳翼をもはみだす大きな腫瘍です。悪性を耳垢腺癌、良性を耳垢腺腫というそうです。見た感じ、扁平上皮癌に似ているので悪性か?とも思いました。

耳垢腺とは、耳の中、正確には外耳道にある汗腺の一種「アポクリン腺」のことだそうで、その腺組織が腫瘍化したものが耳垢腺の腫瘍で、良性のものを「耳垢腺腫」、悪性のものを「耳垢腺がん」という。
 しかし、形(イボ状からキノコ状、ドーム状など)や色(白や肌色、赤紫など)、大きさや数が様々で、外観だけでは良性か悪性か判別することは難しい。皮膚と同じ白っぽいイボのようだからと放置していると、実は悪性腫瘍でどんどん大きくなり、動物病院を訪れた時にはすでに他に転移してしまっていることもあるそうです。耳ももう聞こえないようです。

いずれにせよ、径6センチ以上はあるので、手術は大変でしょう。止血との戦いです。
 事実、腫瘍に細い針を刺しただけで、血が吹き出ます。
そこで、腫瘍切開基部を糸で縛り、血液の循環を抑えながら切開していました。これだと出血がかなり抑えられます。それでも、止血は大変そうでした。
いまさらながら、「できもの」の恐ろしさが分かりましたね。手術は無事終わったそうです。

外耳炎のケアもしっかりしないと怖いことになります。