日本男道記

ある日本男子の生き様

続 氷点

2008年05月17日 | 読書日記
続 氷点 (三浦綾子小説選集) (三浦綾子小説選集)
三浦 光世,三浦 綾子
主婦の友社

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【一口紹介】
◆出版社/著者からの内容紹介◆
【あなたは殺人犯の娘なのよ】という母の声を遠くに聞きながら睡眠薬を飲んだ陽子…。愛憎交錯するなかで、悩み、成長してゆく陽子の姿を通して、罪のゆるしとは何かを世に問う感動の巨編!

◆著者◆
1922‐1999。旭川生れ。17歳で小学校教員となったが、敗戦後に退職。
間もなく肺結核と脊椎カリエスを併発して13年間の闘病生活。
病床でキリスト教に目覚め、1952(昭和27)年受洗。
’64年、朝日新聞の一千万円懸賞小説に『氷点』が入選、以後、旭川を拠点に作家活動。
’98(平成10)年、旭川に三浦綾子記念文学館が開館。

【読んだ理由】
三浦綾子作品。

【印象に残った一行】
「おもしろいだろう。つまり、人を殺した、強盗に入った。これがワレワレには大きな石なんだね。しかし、うそをいった、腹を立てた、にくんだ、悪口をいった、などという日常茶飯事は小石なんだな。つまり、ひとには始末のつけようがないんだね」

「『今は死ななくても、いつか死ぬ時が必ず来る』
死なない人間は、一人もいない。啓造は自分の爪の色を見た。血色がいい。健康な色だ。しかし、このつめが青白く死んでしまう日が、自分にも必ず来るのだ。誰もが毎日死に近づいている。白髪がふえ、皮膚がたるみ、老眼となる。それは徐々に死んでいることかも知れない。そのはてに確実な死があるのだ。恐ろしいと啓造は思った。
『自分は、いつ、どこで死ぬのだろう』」

「相手より自分が正しいとする時、果たして人間はあたたかな思いやりを持てるものだろうか。自分を正しいと思うことによって、いつしか人を見下げる冷たさが、心の中に育ってきたのではないか」

【コメント】
続も絶対に読んでおきたい作品だ。

 



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