今回のセウォル号沈没で高校生を含む大量死者・行方不明者を出した最も大きな原因は船内放送で「絶対に動かないで下さい。動くと危険です」と繰り返した事だ。素直に「ハイ」と返事している高校生の携帯動画が残っている。
動画では、傾く船の中で必死に姿勢を保とうとする高校生達の姿が映っている。最初は明るい会話も有ったが、次第に助からないと覚悟したつぶやきも出てきた。
高校生達が逃げ出す時間は2時間も有ったのだから、もし、「今すぐ、脱出してください」と放送すれば、ほぼ全員が船外に脱出できたに違いない。実際、日本の兄弟船である「ありあけ号」では大人など全員が救助されている。
高校生の身体能力は大人が予想する以上にすごい。以前タクシーの運転手が語ってくれた事であるが、車の直前に高校生が自転車で飛び出し、絶対衝突したと思ったが、ひょいとかわした。高校生では良く有る事らしく身体能力、耐久性が高い。
もっとも、日本のありあけ号では船長が浅瀬に船を乗り上げさせ、転覆を防ぐとともに、全員の安全を確認して、船長は最後に救助されているのである。実に立派な船乗りの魂だ。
日本国内では殆ど報道されていないが、セウォル号が傾いている最中、一等航海士が操舵室から社長に携帯電話、時間は50分に及び、事故処理について指示を仰いでいた。その上で、「絶対に動かないで下さい」と船内放送を繰り返している。
セウォル号のオーナーはオカルト教団の責任者。教団は集団自決など数多くの事件を起こしている。セウォル号の船員の殆どはこの教団の信者であることを考えると、乗船客より信者(上級船員)救出を最優先した可能性が強く疑われる。
本来は全船員は自分の身を挺して船室を隈なく探し、乗客に脱出を促し、救命ボートなどに乗せなければならない。ところが、今回、上級船員は全員、船員しか入れない部屋で集合し、船長は下着姿で救助されている。
船長の服装や帽子で一般通路などを移動すると人目につき、救助を求められるし、逃げようものなら大騒ぎになる。救助船も船員の逃亡を許すはずもない。そこで、まず人目に触れないよう、乗船客は動かないよう放送したのではないか。
乗客の移動を封じ、船長をはじめ船員は、船員服を脱ぎ下着姿になった上で、秘密のルートで脱出した事が疑われる。船員のモラルも低いが、教団のオーナーの命令には逆らえなかっただろう。
以上の根拠として、入社したばかりの20歳ぐらいの若い女性船員(上からの指示が伝わっていないのではないか)が高校生に救命具を配り、自分が装着していた救命具も渡した事をあげたい。高校生はあなたは良いのですかと聞いている。
その美しく若い女性船員は次の乗船客を探して、奥へ消えていった。そして献身的な優しい女性船員は助からなかった。東日本大震災で津波の危険を放送し続け、亡くなった若い女性が重なってくる。
悉く問題だらけのセウォル号だったが、このような天使もいた。