goo blog サービス終了のお知らせ 

 玉川上水の木漏れ日の下

 ワヤン・トゥンジュク梅田一座のメンバー katakura のブログ  since 2013

彫刻の森美術館2「飛びます、飛びます」

2017-12-28 | 映画と美術と音楽と

カール・ミレス「人とペガサス」1949年  
ブロンズ 250×336×140cm

 ピーカンの抜けるような青空を背景に、ビュ〜ンと飛んでいる彫刻があった。
「飛びます、飛びます。」
〜〜〜
 すっご〜く高い台座の上、はるか上方にある作品なので、かなり離れて見ることになる。初めはなんだかよくわからなかったが、眼が慣れてくると翼を持つ馬(ペガサス)と人が飛んでいることがわかった。意表を突く面白い構成だ。
 馬のさらに上空を飛んでいる人が軽やかで面白い!見ていると不思議な感覚になってくる。
〜〜〜
 この彫刻をしばらく見上げていたら・・首が痛くなった。


「飛びます、飛びます」
この飛翔感が良かったナ〜、今にもどこかに飛んで行きそうだ。
見る位置によって表情を変える面白い彫刻。
〜〜〜
空と山々を背景にした野外ならではの作品。
今度は台風の空を背景に見てみたいとも思いましたが、
・・・そんな日に箱根に来たいとは思いません。

ポーラ美術館「クロード・モネ」

2017-12-25 | 映画と美術と音楽と

クロード・モネ「バラ色のボート」1890年 油彩
サイズ135.3 x 176.5 cm 意外と大きく、とても迫力があった。
このオールの長さ、ボートを切った大胆な構図。光と水の奥行き、濃淡の変化。も〜シビレました!

 箱根の「ポーラ美術館」に行った。
 開館15周年記念展「100点の名画でめぐる100年の旅」が開催されていた。
 美術館のコレクションを代表する西洋と日本の100点の名画が、19世紀半ばから20世紀にいたる近代絵画の流れに沿って、わかりやすく展示されていた。
 「えっ!?この絵ってここにあったの?」と改めて思うような名画の数々。素晴らしかった!
〜〜〜
 この美術館にも初めて訪れた。
 私にとって「どうせ温泉観光地の美術館なんかな〜」的な偏見は「彫刻の森美術館」と同じだったと思う。だから今まで行こうと思わなかった。
 ひと月ほど前に妻がここを訪れ、帰宅後私に「よく知っている素晴らしい名画がたくさん揃ってるから是非行くと良い。・・いいから行きなさい。」と勧めてくれた。
 私が「めんどくさい」と渋っていると、「泊まるところも全部手配してあげるから、一緒に行ってあげるから、・・いいから行きなさい。」とまで言ってくれたので、「はい、わかりました。そうか、箱根、行こう。」とMy Favorite Thingsが頭の中を軽やかに流れ、今回の箱根旅となった。よくできた妻である。
〜〜〜
 近代絵画史の美味しいところをつまみ食いしながらのんびり散歩するような、素敵な展示でした。100点を3時間ほどかけてゆっくりと見ることができました。とてもよかったです。
 みなさんも。「・・いいから行きなさい。」


対面してみると、とても大きく迫力のある絵でした。
本物の絵の素晴らしさはどんなに精巧な印刷物でもわかりませんね、
実物の絵の持つエネルギーはやっぱり凄い!(あたりまえですね)


ドガ「休息する二人の踊り子」


マティス「リュート」


黒田清輝「野辺」
この絵、間近でみると凄い気迫を感じます。感動します。


展示室(撮影可と不可の作品があります)


美術館のエントランス
素敵な建築でした。

彫刻の森美術館「岡本太郎」

2017-12-19 | 映画と美術と音楽と

岡本太郎「樹人」1971年。バクハツ!してました・・素晴らしい。
軽やかで美しく、とても良かったゾ!
右脚を上げて楽しそうに跳ねている、ねぶた祭の踊り子のように見えました。
しばらく眺めていると「ピアノ売ってちょうだい!」にも見えてきました。


 箱根の「彫刻の森美術館」に行った。素晴らしかった!
〜〜〜
 美術館のロケーションがとても良かった。広々と開けた展示広場から緩やかな散策路を歩いて行くと彫刻が見え隠れしながら次々と現れてくる、この展示方法は自然環境の中の常設展示でなければありえない、それがとても面白く構成されていて楽しかった。
〜〜〜
 ここの作品は屋外常設展示なのだが、どれもがピッカピカに綺麗に磨きこまれていた。だから太陽光を浴びてどの作品も輝いている。これが素晴らしい。
 「屋外の彫刻なんか、どうせ鳩のフンやコケで汚れてるし〜」との私の先入観は一掃された。彫刻は屋外に置くのが良い!っと思った。
〜〜〜
 箱根にはもう何度も訪れているのだが「彫刻の森美術館」には今回初めて行った。「どうせ温泉観光地の美術館なんかな〜」的な少しバカにした感が私にあったのだと思う。
 今回訪れて良かったと思った。今度箱根に来たら是非また訪れます「彫刻の森美術館」。


ポール・マッカートニーの東京ドーム公演

2017-05-05 | 映画と美術と音楽と

(Photo: YOSHIKA HORI TANME JAPAN)

 先月30日、ポール・マッカートニーの東京ドーム公演に行った。
〜〜〜
 素晴らしい150分の公演だった。とても良かった!楽しみました。
 でも、「こんなにたくさんの曲を歌わなくても良いのにな〜、もうそろそろ歳だし、大変だから無理しないでネ。」と思ってしまうほどポールは歌いました(毎回のことだけど)。多分40曲ほど歌ったかな?
 これは凄いことですね。私は40曲の順番を覚えろ!と言われただけでも多分ダメだと思います。最近特にそう思う。
〜〜〜
 テニスをしていてもゲームの回数を忘れて困ることがある。「マジですか?それヤバイかも」と一緒にプレイをしている若者が思わず呟きます。ハハ。
 だから最近のワヤンも実は大変です。曲の順番なんか覚えられない。幸いワヤンの時は、私の正面に座っているとても優しい人がどんどんとグンデルを弾いてくれるので、私はアレアレ〜と導かれるままに弾いていると、毎回ワヤンが無事終わるのです。これには助かります。
〜〜〜
 歌手の松任谷由実がインスタグラムでポールから直筆のサインをもらったことを明かしたそうです。これ凄いね!なんといっても「ポールの生サイン」だからね。
 でもその昔、特別捜査官の ”キクチ” は「ポールの生サインをたくさんサバき、出世した・・らしい?」・・詳しくはこちらから。この事件はもう37年前のことなんですネ。「はい!キクチです。」
〜〜〜
今日はこれから梅スタジオで練習です。
お庭のきれい花が楽しみです。

映画「人生フルーツ」

2017-03-23 | 映画と美術と音楽と

(写真:「人生フルーツ」公式サイト)
妻・英子さんは87才。
夫の修一さんは90才、絵が抜群に上手い建築家である。この人のスケッチが凄い!
英子さんはお料理が得意、畑仕事もはた織りもなんでもこなすスーパーウーマン、
話声もハキハキと力があってとても素敵な人です。
・・・・・
 春のような爽やかな陽気に誘われて、映画「人生フルーツ」を観にJR東中野駅前のポレポレ座に夫婦で出かけた。ここは100席ほどの小さな劇場、だけどいつも面白い企画で盛況だ。併設のカフェも静かで良い感じ、時々ギャラリーになったりもしている。
・・・・・
 この日は偶然に、この映画の伏原監督が舞台挨拶に来た。挨拶というよりは上映後の舞台に突然現れ、「観客の皆さんからの質問に丁寧に答える会」と言った感じだった。面白い裏話もいろいろと聞けて楽しかった。
 この時の監督のセールス・トークの甲斐もあり、700円の映画パンフレットは飛ぶように売れていた、もちろん私たちも買いました。この日、この700円のパンフレットを仮に50人が買ったとして、35,000円の売り上げだ。監督!良かったね。(このパンフレット、内容が濃くてとても良い)
 さて、仮に700円のパンフレットを売って、国有財産の8億円分の値引き相当額を稼ぐのにはいったいどのぐらい売れば良いのだろうか?(国会の証人喚問は本日そろそろ始まる)
・・・・・
 映画の物語、名古屋郊外のニュータウンの一角300坪の土地にご自宅と、ニュータウン造成前の里山を再現するかのような手作りの雑木林、そしてご夫婦の日々の生活の糧となる畑、40年間自然を友として暮らしてきたご夫妻の映像の記録。
 この映画ではここ数年の映像が中心に構成されている。
 「映像の記録」と書くとなんだか壮絶な場面を想像してしまうのだが、内容は全然違います。「とても静かで穏やかで微笑みに満ちた素敵な映像の記録」です。
・・・・・
 ご夫妻の素敵な生き方にとても感動しました。
 素晴らしい映画です、ぜひごらんください。
「人生フルーツ」予告編
・・・・・
 この映画でのとても素敵なご夫婦の姿を見ていると、いつも我々一座がお世話になっている鷹の台の「梅パパと梅ママ」ご夫婦のことを思いました。
 いつもありがとうございます。これからもよろしくお願いします。

チャック・ベリー

2017-03-21 | 映画と美術と音楽と

Duck Walk
1981年のツアーで演奏するチャック・ベリー (写真:AFP)

 2002年。チャック・ベリーのライブに有楽町の東京国際フォーラムに出かけた。
 この時のライブがもの凄い企画だった。
 前半がチャック・ベリー!そして後半がジェームス・ブラウン!という信じられないような組み合わせ。言い換えるならば一夜のうちに違うダランの熱狂的なワヤンを同時に二本見てしまうような凄さだ!(この表現は多分ワヤン関係の6人ぐらいにしかうけないのはわかっているが、あえて書いている、そのぐらい凄かった)
 ジェームス・ブラウンはもちろんもの凄く良かったのだが、今回はチャック・ベリーの話。だって今月18日にベリーは惜しくも亡くなってしまったから。・・残念。
・・・・・・
「チャック・ベリー」
 ロール・オーヴァー・ベートーベン、ロックンロール・ミュージックなどを作ったロックンロールの大御所。ビートルズやストーンズにも多くの曲がカヴァーされ敬愛されている。
 そしてみんなが知っている名曲が「ジョニー・B・グッド」。ギターを弾きながらリズムに乗ってひざと腰を曲げてアヒルのように歩くDuck Walkは有名だ。
・・・・・・
 15年前のその日のライブ。
 チャック・ベリーが出てくると同時に観客は全員スタンディングの大騒ぎ!この大騒ぎはこの後、終演まで約1時間ほどつづくことになる。
 ベリーの18番「ジョニー・B・グッド」の時には場内が異常な状態になっていたにもかかわらず、これに輪をかけるようにチャックが「みんなステージで踊らないかい?上がっておいで!」とマイクで誘ってしまったのでさあ大変!みんなステージに殺到する、この突然の事態に驚いた係員が観客たちを制止しようとするのだが時すでに遅し、ステージの上は超満員の観客たちで溢れ、大騒ぎとなって盛り上がってしまった!
 面白かったな〜!
(翌日の公演ではステージの周囲に柵が置かれたそうだ)
・・・・・・ 
 この後のジェームス・ブラウンがこれまたもの凄く良いのだが、長くなるので今回は省略。
・・・・・・ 
 チャック・ベリー 90歳。
 38年ぶりの新たなアルバムを出す計画だったらしい。
 ご冥福をお祈りします。
 
 ♫ GO! GO! Jhonny! GO! GO!


映画「ミス・ぺレグリンと奇妙なこどもたち」

2017-02-19 | 映画と美術と音楽と

自然と身体が浮遊してしまう少女エマにロープをかけ先導する主人公ジェイク。
この場面、ロープがピーンっと張っているところにご注目。浮遊感がよくでています。
映画「ミス・ぺレグリンと奇妙なこどもたち」より
©2016 Twentieth Century Fox Film Corporation.

・・・・・
 奇妙な映画「ミス・ぺレグリンと奇妙なこどもたち」を観に出かけた。
 大好きな監督ティム・バートンの久々の新作。とても面白い作品でした。日本公開からまだ2週間ほど、映画館の入りはまずまずのようです。私たちの観たのは2Dでしたが、3D上映もあるようです。
・・・・・
 一般社会からは敬遠されてしまう奇妙な能力を持つこどもたち、この善良なこどもたちを守り共に暮らしているミス・ぺレグリン、彼女にも奇妙な能力がある。
 そのこどもたちを襲う奇妙でとても凶暴な怪物たち。この怪物からこどもたちを守ろうと必死に戦う普通の少年、だと思っていると実は奇妙な能力を持っていた主人公ジェイク。とても奇妙な物語が展開します。
 何もかもが奇妙なので、観ているうちにだんだんと奇妙が普通になってくる奇妙な映画。
・・・・・
 今日の記事は「奇妙」が多い、でも奇妙なお話なんだから仕方がない。原作はランサム・リグズの児童向け冒険小説「ハヤブサが守る家」、本でも読んでみたいので今図書館に予約をしています。(ハヤブサ = peregrine falcon = ぺレグリン)
・・・・・


怪物たちと戦う決意をする「奇妙な能力を持つこどもたち」
・・・・・
この画面構成が素晴らしいですね。
薄暗い画面の中央に白い衣装の双子を置き明るく照らし出す、レンブラントの絵画のようです。
右端は「透明な男の子」、透明感を伝えるために照明スタンドの位置に工夫がみられる。
・・・・・
あとは観てのお楽しみ。

映画「この世界の片隅に」

2017-02-06 | 映画と美術と音楽と

絵が上手く、絵を描くことがとても好きな主人公の「すずさん」。
映画「この世界の片隅に」より

 立川のシネコンに「この世界の片隅に」を観に出かけた。
 休日だったこともあり220席ほどのホールは満席、次の回もたくさんの人が入り口で入れ替えを待っていた。私の印象ではシニアの人たちが多かったかな。
・・・・・
 とても素晴らしい映画です。戦時中の話なので辛く悲しいことがたくさん起こりますが、ただボロボロ泣くこととも違うその先の感動があります。生きていくことの素晴らしさ。
 この映画を観ると「人に薦めたくなる」のがよくわかる。皆さん是非映画館に足を運びましょう。現在とても好評で上映館数も時間枠もどんどん広がっているようです。
 この映画は映画館の繊細な音響で観ることをお勧めします。音と音楽とそして声、作品全体の「音」が素晴らしい。
・・・・・
 予告編では、主人公たちの庶民の暮らしや呉軍港に浮かぶ戦艦大和の映像と共に、とてもゆっくりと流れていた歌がサトウハチロウ+加藤和彦+北山修の名曲「悲しくてやりきれない」。それだけでもう悲しくてやりきれない気持ちが十分に伝わってくる。
 この選曲と「コトリンゴ」のカバーがとても良い。コトリンゴはこの映画全体の音楽も担当している。予告編はこちらから。
・・・・・
 すずさん役の「のん」の少しオドオドした感じの声が印象に残る。とても良かった。


映画「奇跡がくれた数式」

2016-12-28 | 映画と美術と音楽と

映画「奇跡がくれた数式」より
イギリスの数学者ハーディとインドの天才数学者ラマヌジャン(右)

 一月ほど前のこと。映画「奇跡がくれた数式」を観に有楽町に出かけた。
 ここは、昔のそごう有楽町店、今は家電量販店のビルの最上階にある映画館、いつも面白い企画があるのでここにはよく来る。
 この映画館は良いのだが、ここにたどり着くには、まず家電量販店の一階から店内に入り、スマフォ売り場の人混みと量販店特有の大音量「♪ビーク・ビック!ビック!」の喧騒の中を突っ切り、エレベーターまでたどり着かなくてはならない。これがつらい。帰りも同じことを繰り返す、映画の余韻を静かに楽しむこともできず、再び大音量の喧騒の中へ突入することになる。毎回とても疲れる。
・・・・・・・・
 それはさておき、映画はとてもおもしろかった。100年前の実話。
 インドで生まれ独学で数学を学んだラマヌジャンは、その才能を数学者ハーディに認められイギリスのケンブリッジに呼ばれる。当時のイギリスはまだまだインド人への偏見と差別の社会、そして異国での生活環境の違いから、ラマヌジャンは次第に病に侵されてしまう。
 彼の素晴らしい才能がケンブリッジでやっと認められた頃、ラマヌジャンは病気のため帰国を余儀なくされ、インドに帰国後32歳の若さで病没、再びイギリスに戻ることはなかった。
 そんな苦労と成功とそして悲しいお話。でも、観終わると悲劇ではないとても爽やかな充実した感じを受けました。良い映画です。
・・・・・・・・
 物語の中で、ラマヌジャンのヒラメキ(発想)の凄さに敬意をはらう無神論者のイギリス人の数学者ハーディは尋ねる、「何故、君はそんなに素晴らしいヒラメキができるのか?」。
 インド人のラマヌジャンは、「夜があける頃、寝ている私にヒンドゥーの女神が降りてきて、私の舌の上に ”数式” を書いていくのです」と答える。感動します。
 「神を表現しない数式は無意味だ」とラマヌジャンの言葉。数式とは宇宙の真理のようなことなのでしょうか?彼の数式は宇宙を考える上で現在でもとても重要なのだそうです。
・・・・・・・・
 最近私は食べる夢を見ながら目覚めことがたびたびある。目覚めるとちゃんとお腹が空いているのだが、女神様は数式を残してはくれない。
 「健康な証でよかったわね。」と妻は笑う。


ラマヌジャン1887 - 1920
(写真 ja.wikipedia.org)

ユーリー・ノルシュテイン

2016-12-22 | 映画と美術と音楽と

映画「霧の中のハリネズミ」より  ユーリー・ノルシュテイン監督
ノルシュテインは旧ソ連出身のアニメーション作家、75歳。

 ユーリー・ノルシュテイン監督の特集上映「アニメーションの神様、その美しき世界」を、渋谷イメージフォーラムに観に出かけた。冬至の昨日はとても暖かく穏やかな天気だった。
・・・・・・・
 その日の上演は、10分の短編が5本、30分の短編1本と、合計6本、どれもとても面白かった。アッという間の一時間半。アニメーションは製作過程の時間的密度が自然と観客の伝わるので、一時間半でも観ていてとても充実した濃い時間でした。
 この企画、これから全国順次開催のようです。お楽しみに。
・・・・・・・
 この人の作品に共通する空気感は、全体に漂う「哀しさ」かな?作品全体の空気がどこか哀しい。私は勝手にそう思った。日本での子供向けのアニメーションは必ず「楽しい!」のですが、ノルシュテインの作品はどれも何故か「哀しい」。それが印象的でした。
・・・・・・・
 短編のひとつ「霧の中のハリネズミ」。
 この濃い霧の中に次々と現れる様々なものが幼いハリネズミにははじめての体験ばかり!この体験からハリネズミはいろいろなことを感じ取っていく。


「霧の中のハリネズミ」
霧の中に現れる白馬が幻想的。


こんな怖いやつも現れる。
よく見ると可愛いけど。


ワンチャンはいつもいいやつです。ワン!

興味のある方はこちらから

円山応挙展

2016-12-15 | 映画と美術と音楽と

 根津美術館・円山応挙展に出かけました。
 青山通り表参道交差点から根津美術館に至るゆるい下り坂を久しぶりに歩く。この通り、おしゃれなお店と、おしゃれな人たちでいっぱいでした。
 「昔はヨックモックとフロム・ファーストぐらいしかなかった静かな裏通りだったね、当時は通る人もほとんどいなかったけど、今はまるで外国みたい、外人さんもいっぱいいるし」「ほんとに外国のお店だらけだね、すごいね、このお店で日本語が通じるのかな?円使えますか?なんてね。こんなおしゃれなお店にさすがに全身ユニクロでは入れないな〜、ハハ」と、今はすっかり武蔵野の田舎者夫婦は、若い頃によく歩いた懐かしい坂道を、キョロキョロと落ち着きなく歩くのでした。おしまい。
・・・・・・・・・
 それはさておき、円山応挙展、とても素晴らしかったです。とにかくすごく絵の上手い人ですね、膨大な数の写生、観察メモ、分類整理、びっしり描き込まれた写生帖が面白かった。輪郭線だけで楽に描かれた小さなスケッチでも、やっぱり応挙の線なんのですね、生き生きと素晴らしい。
 私と妻は美大だったので友人に画家もいます、その人たちの「さりげなく描く線」に感心することが良くあります、絵の上手い人は自然に線が美しい。
・・・・・・・・・
 いろいろな展覧会に出かけると「やはり実物は素晴らしい!いくら良くできた図録でも実物の繊細さや迫力は伝えられない」と思います、日本画の展覧会では特にそう思う。
 日本画では「白」は紙そのものの微妙な白色。その紙の白を最大に生かすように周囲に微妙な濃淡の墨と色がおかれていきます、失敗は許されない。
 「雪景色」の絵を眺めていると、残された紙の白はまるでそこに雪があるかのようにしか見えない、でも「これはただの紙の白」と気付くと、その技の巧みさに頭がグラグラとしてしまいます。
・・・・・・・・・
 応挙展、この日はゆっくり楽しめましたがそろそろ混み始めますね、お早めに。


写真:インターネットミュージアム hp より


映画「シークレット・オブ・モンスター」音楽スコット・ウォーカー

2016-12-14 | 映画と美術と音楽と

・・・まるで少女のように美しい息子だった・・・
映画「シークレット・オブ・モンスター」ブラディ・コーベット監督。
サルトルの短編小説「一指導者の幼年時代」から着想を得た心理ミステリー。

有楽町に映画「シークレット・オブ・モンスター」を観に出かけた。
その日はまるでお正月のような快晴の空だったがとても寒かった。
・・・・・
 この映画で描かれている幼年時代の「一指導者=独裁者」が誰か?は物語からは特定できない。丁寧な時代背景の描写から推測すると、ムッソリーニにもヒトラーにも時間軸は当てはまらない、どうやら実際の独裁者の幼年時代の伝記ではない架空の物語のようだ、そう思わないと映画のラスト・シーンがわからなくなってしまう。独裁者を生み出してしまった当時のヨーロッパ、背景としての社会不安や民衆の不満が絶えず漂っている暗い時代。
 といったところで、後は映画館でお楽しみください。面白いミステリーです。
・・・・・
 ところで、私たち(妻と私)の関心はこの映画の「音楽」にありました。「音楽」がなんと!あの「スコット・ウォーカー」なのです!・・と、ここでほとんどの皆さんが「???」だと思いますが、かまわず続けます。
 あのウォーカー・ブラザースのスコット・ウォーカーです。60年代の「ダンス天国」「太陽はもう輝かない」「孤独の太陽」を歌った我らがアイドルのスコットです。「♪インマイル〜ム」なのです。
 もっとわからなくなりましたね、やめます。
・・・・・
 とにかく、そのスコットさん(72歳)の音楽が、ものすごく不気味で迫力があって良いのです!電気的な音は使わないアコースティック音源へこだわる姿勢もすばらしい、まるで我々一座のワヤンのようです。
 とにかく映画の出だしの序曲から「ドコスカ・ジョンジョラ」と不安感に満ちた重厚なサウンドで暗く落ち込んでいる画面全体をいきなり盛り上げ映画の中に引きずり込みます、途中のシリアスな場面では「キーキキーー・ビロン!」とか何かを引っ掻くような音で不気味に語りかけ、ラストシーンでは「ギッタンバッタン・ドカドカドカン!」とあれよあれよといきなり映画を締めくくってしまいました。すばらしい音楽でした!
 私のこの音の表現では分からない皆さん。是非映画館の大音響でご覧ください。
・・・・・
 「まるでスコットの音楽のための映画のようだったね。」とスコット大好きの私たちの感想でした。監督スミマセンね、もちろん映画も面白かったです。不安感に満ちたストイックな映像がとても美しかった。


60年代アイドルのスコット、この人は本当に歌がうまかった。
大好きだったので今でも当時のレコードをたくさん持ってます。
でも、スコットはこんなアイドル時代がとても辛かったようです、
本当はアイドルにはなりたくなかった元祖アイドル。
現在70歳を過ぎ、今ますます良い仕事をしているスコット、
人生いろいろ。
ガンバレ!

映画「EIGHT DAYS A WEEK おまけ」

2016-10-12 | 映画と美術と音楽と
 ©Subafilms Ltd

 映画「ザ・ビートルズ〜EIGHT DAYS A WEEK〜」にまた行った。私は2回目、妻は3回目。近くのシネコンでは来週までの上映が決まったようなので、来週また行こうと二人で決めている。ファンとはそういうものなのです。
 この映画の「おまけ」で、1965年のニューヨーク“シェイ・スタジアム”の30分ほどのライブ映像が同時上映されている。56,000人の観衆を前に野球場で行われたコンサートの記録。これがもう抜群に良い!
 映像はステージ直近からのナメ上げるような、まるで汗が飛んできそうなアングルで四人に迫っている、そしてワーワーキャーキャーの号泣・絶叫・失神続出の大観衆の姿も、そんな臨場感がとても良い!
 そして「音」が抜群によい。原音を相当に加工して音質やバランスを良くしている、素晴らしい臨場感だ。当時はライブの音響設備もまだまだ発展途上期だったので、多分この時この会場に居た誰よりも良い音でこのライブを聴くことができる映画だと思う。「音がよく聞こえなかったからジョンのお尻の動きを見ながら叩いていた」とのリンゴの有名な後日談のあるライブ。
 それにしてもこんな大騒音のライブ状況の中で四人の演奏とハーモニーが抜群に安定しているのには本当に関心した。ビートルズはレコード売上だけではなく「ライブにも強いバンド」と呼ばれているのがかっこいい。 
 我々一座も「ライブにも強い一座」と呼ばれたいのだが、よくよく考えるとライブしか経験がないし、レコーディングもTV出演の予定もない。でも一座のリーダーはなんと!ラジオ番組を持っているし、世界的に活躍しているデザイナーのメンバーもいるし、毎日犬と散歩をしているメンバーもいる。我々一座の今後が期待されるのである。
セカオン radio ~ミュージックトラベラー/音楽旅人

〜〜〜
ビートルズといえばAPPLE。
ビートルズとは全く関係ありませんが、「ピコ太郎 PPAP」をご存知ですか?
視聴回数 38,605,608 (10.11)
この人はライブに強いのか? 


映画「EIGHT DAYS A WEEK 」

2016-09-29 | 映画と美術と音楽と

Photo: GETTY

 映画「ザ・ビートルズ〜EIGHT DAYS A WEEK」を観た。
〜〜〜
 すごく良かったナ!ザ・ビートルズ好きにはたまらな映画でした。「も〜、一緒に暮らしたくなるような素敵な作品!」。1962〜66の彼らの5年間のライブ映像を中心に構成されている。
〜〜〜
 だいたいこの手の映画は、ファンのみなさんからは「凄い!」と絶大な支持を受けながらも、そうではないみなさんからは「別に〜」と冷ややかに扱われがちなのだが・・・この作品もそうです。この手の映画はそういうものなのです。
 この映画で、知らなかった真実が初めて明されるわけでもなく、びっくりするようことも起こらない、それでもファンには楽しい映画、だからこれで良い。
 アメリカの巨大なスタジアムのライブではファンの女の子たちがキャーキャーと絶叫し失神する、そんな中でビートルズの4人は汗をかきながら懸命に歌う。マスコミからのインタビューでも本当は不安なのにわざとおどけて見せたり、レコーディングの完成に喜んだり、自分たちの今の人気の将来を悩んだりする若者たちがそこにいる。どれも今までどこかで見たような映像だが、映画としての構成や演出は面白かった。 
 改めてビートルズはライブに強いバンドだったと感心した。リンゴのドラムが頼もしかった。
 そんなライブに明け暮れる日々と、現在のポールとリンゴのインタビュー、そして有名人たちの思い出話を交え、映画は淡々とつづられている。
 そして何より「音」が良かった。たぶん原音を相当に加工して音質やバランスを良くしている、映画館の大音響で観るとスタジアムの観客たちのワーワーキャーキャーを含めコンサート会場にいるような素晴らしい臨場感だ。この作品は映画館で観るのがオススメです。
〜〜〜
 私が出かけたのは立川のシネコン、380席ほどのホール、日曜の午後なのに4割ぐらいの入りだった、興行的には苦戦なのかな〜?。もっと応援しなければ、「だからまた見に来よう!」と妻と決めている。客席を見渡すとまるで「シニア・デイ」のような感じだった、もちろん若い人もいたけどね。皆さん楽しそうでした。
 私の息子たちもビートルズは大好き。小さい頃からビートルズを聞きながら育っているから。でも同じ頃ガムランも聞きながら育っているはずなのに、残念ながらガムランはあまり好きにはならなかった、家での私の練習があまりにも下手すぎて嫌になったのだろう、かわいそうなことをしたと反省している。

映画「ビッグ・アイズ」

2016-09-22 | 映画と美術と音楽と

(写真:映画批評より)
この絵の好き嫌い?はさておき。
60年代にアメリカで一大ブームを巻き起こしたシリーズの絵。

ウォルター・キーンの「ビッグ・アイズ」シリーズ。
文字どおり、どの絵にも「大きな目の子供」が繰り返し描かれている。
現在はとても高く評価されている作品、ウォーホルも賞賛を送ったそうだ。
〜〜〜
60年代にこんな絵をどこかで見かけた記憶はありませんか?
当時日本でも繁華街の路上でバイトの外人の若者がこの絵のコピーを売っていた。
渋谷や新宿で飲んだ帰りに駅前の路上でよく見かけた光景です。

---------------------------
映画「ビッグ・アイズ」(2014)を観た。 
大好きなティム・バートン監督作品。
個人的にはこの「ビッグ・アイズ」の絵は好きではないのだが、
映画にはどんどんと引き込まれてしまった。
---
当初「ビッグ・アイズ」の作者として脚光を浴びていたウォルター・キーンは、
社会的な名声も巨額の富も得て時の人となるのだが、実はウォルターは絵が描けない。
その作品のすべては、ウォルターにことば巧みに騙され搾取され続けた
妻マーガレットが描いたものだったという、悲しい実話がモデル。
夫婦とは?・・と考えさせられる話です。
---
映画の最後には、妻マーガレットは夫ウォルターに対して訴訟を起こし、
「実はこの絵は全てマーガレットの作品である」ことを認めさせる。
全てが明らかになり、マーガレットは「ビッグ・アイズ」の作者として認められる。
---
メデタシメデタシの、まるでおとぎ話のような楽しい映画。
ティム・バートンはおとぎ話のような作品を作る名人だ。
彼の映画は音楽と美術がいつも素晴らしい。
とても面白い映画です。 

------------------
そして実在のマーガレットは、現在88歳を迎えて今もなお、
絵を描き続け活躍しているそうです。
すてきな人ですね(目は小さいけど)。