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 玉川上水の木漏れ日の下

 ワヤン・トゥンジュク梅田一座のメンバー katakura のブログ  since 2013

「ポールがじゃま」マッカートニー公演

2018-11-02 | 映画と美術と音楽と

ドーム球場常設の「ファウル・ポール」がとてもじゃまでした。

昨夜(11.1)、ポールの東京ドーム公演に行きました。
昨年同様に40曲を150分、休憩なし、水も飲まないで歌い続けたポールは凄い!
前回の公演は確か去年の5月、その時より今回の方がさらに元気だったような気がしました。
体も締まってるし動きもいいしカッコよかったナ!やはりスーパースターですね。
76才、来年は「喜寿」、ワールドおたっしゃツアー。
ーーーーーーー
 私たちがポールの東京ドーム公演に行くのは今回で4回目ですが今回の席は今までで最悪の位置、ステージの真横です。ポールはなんとか見ることはできましたが、そのほかのステージの様子は直接見ることができません、超斜めからの歪んだスクリーンの映像で想像するしかありませんでした。
 さらにドーム球場常設の「ファウル・ポール」がじゃまでじゃまで気になって仕方がありませんでした。「ポールがじゃま」。
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 今回は先行予約抽選の1回目に外れ、2回目はうっかり出し忘れ、3回目であわてて出してやっと当った結果がこれです。こんな恐ろしいことになってしまうのです。あら恐ろしや恐ろしや。
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 「なんなんだよここは?こんな席売るなよな」「これでS席はないんじゃないの?」と愚痴ばかり出ますが、周りを見るとみなさん楽しそうに盛り上がっているので、「仕方がない、文句ばかり言ってないで楽しもう!」と思い直すと不思議と楽しくなるものです。
 ポジティブなんです。
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 この日ポールは、「エリナー・リグビー」の歌い出しをトチり、やり直しながら「今ちょっと間違ったのね、みんな楽しいでしょ?これがライブなんだよ!」と ニコニコしていました。
 ポジティブなんです。


(写真:フロントロウ)
正面から見るとこう見えるはず。
こんな角度からステージを見たかったナ。
次回の抽選に期待します。お祈りします、拝みます。
ポジティブなんです。


鏑木清方「桜もみじ」

2018-09-14 | 映画と美術と音楽と

鏑木清方「桜もみじ」(部分)昭和7年 鏑木清方記念美術館蔵
この長羽織の「青色」が素晴らしかった。しばらく見とれてしまいました。

この「明るい緑がかった鮮やかな青色」は?
「金春色(こんぱるいろ)」「新橋色(しんばしいろ)」と呼ぶらしい。
明治に入ってきた新しい色、鏑木清方をはじめ大正のころの美人画に多く用いられた色だそうです。
「金春」も「新橋」も花柳界を連想させる小粋な言葉、美人画にぴったりですね。
洋名はターコイズ・ブルー(トルコ石の青)。

・・・・・
鎌倉の鏑木清方(かぶらき きよかた)記念美術館を訪ねました。
企画展「色づく秋、色めく秋-清方の美」が開催されていました。
平日の夕刻に訪れたので、館内は私たち夫婦だけ。
とても静かな空間で、鏑木の作品をゆっくりと鑑賞する事ができました。とても良かった。

・・・・・
この記念美術館は、鏑木の終焉の地、鎌倉雪ノ下の旧居跡に建てられています。
Youたちであふれる賑やかな観光通りから路地を100mほど入った、閑静な住宅街にあります。
「美術館」の表示がなければわからない、和風住宅建築の端正なたたずまい。
手入れのゆき届いた素敵なアプローチでした。



・・・・・
(記念美術館HPより)
 鏑木清方は、明治11年、東京神田に生まれました。幼い頃から文芸に親しんで育ち、その画業のはじまりは挿絵画家からでした。のちに肉筆画に向い、清らかで優美な女性の姿や、いきいきとした庶民生活、肖像、愛読した樋口一葉や泉鏡花などの文学を主な題材として描かれた作品は、市井の人々への共感や慈愛のまなざしが感じられます。



「踊る秋山祐徳太子」池田20世紀美術館3

2018-08-16 | 映画と美術と音楽と

「踊る秋山祐徳太子」(部分)久里洋二 1994 162 x 130
大きめの油彩の上に、現物のグリコのキャラメル箱、胸にはアンパンマンたち、そして勲章?
手にはドクロのようなアンパンマンの宿敵ホラーマン、
面白い作品です。

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伊豆の池田20世紀美術館。
ルノワール、ピカソ、シャガールなどの巨匠たちの作品を見て回り、
最後の展示室でこの作品に出会った。
久里 洋二 作「踊る秋山祐徳太子」。
・・・
ここで初めてこの作品を知りました。
斬新な構成に感動しました。
そして題材が「秋山祐徳太子」
とても懐かしい人でした。

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秋山祐徳太子は 武蔵野美術学校(現ムサ美大)卒の芸術家。
1970年代の東京都知事選挙への出馬もした体制批判系の前衛芸術家。

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70年代当時、テレビに出た祐徳太子は、
チャチなヘルメットをかぶった自分の頭を、
安物のおもちゃのプラハンマーで軽快に叩きながら、
「・ハイ!ピキピキ!・ハイ!ピキピキ!」と
リズミカルな節に合わせて体制批判のフレーズを歌っていた。
(マッタク内容は覚えていません、スミマセン)
でも、当時はかなりぶっ飛んだおかしな人だと思ったし、感心もしました!
今思い起こしてみると、
明治・大正時代に流行った自由民権運動の「オッペケペ〜節」のようにも思えました。
「オッペケペ〜ポ〜ペ〜ポポ」
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私がまだムサ美の学生だった頃(45年前?)。
都庁の役人だった父が、都知事選の候補者演説会に出かけていった。
元軍人の「保守ど真ん中!!!」の父だったのですが、
「お前の先輩の『ナントカカントカ太子』の演説を聞いてきたが、
なかなか良い話をしていたぞ!お前もちゃんと彼の話を聞いてみろ!」と、
祐徳太子を評価していた。
私が褒められたような変な気持ちがしました。

・・・
その都知事選、もちろん祐徳太子は都知事にはなりませんでした。
父も祐徳太子に投票はしなかったと思います(わからないけど・・)


軽快なポーズの秋山祐徳太子。
この絵ですが、すでにヒゲは白いので歳はとっていますね。

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久里 洋二は、アニメーション作家、イラストレーター、絵本作家。
勲章もたくさんいただいている凄い人です!
楽しいい絵をたくさん描いています。


NHKの「みんなの歌」のアニメーションと言えばこの人です。
「ひょっこりひょうたん島」のタイトルバックもこの人です。
あの「な〜みをチャプチャプチャプチャプかき分けて〜スイ〜スイ〜スイ〜」
の凄い人なのです!
スイ〜スイ〜スイ〜!




「バイオリン弾き」池田20世紀美術館2

2018-07-29 | 映画と美術と音楽と

「バイオリン弾き」(部分) マルク・シャガール 1970
花束の前で少し微笑んだバイオリン弾きの上にはニワトリが、月も出ています。
なんだか楽しそうな感じですね、シャガール83才の作品。
この「バイオリン弾き」はシャガールの中でも幸せそうな作品です。

池田20世紀美術館 - その2
シャガールの「バイオリン弾き」がありました。
・・・
ユダヤ人のシャガールは「バイオリン弾き」の絵をたくさん描いています。
特別な思いがあったのですね。
・・・
バイオリンはユダヤ人にとってとても大切な楽器、
様々な儀式や日常生活にバイオリンは欠かせない存在だったようです。
・・・
ナチスの迫害を避け故郷(現ベラルーシ)を去りフランス国籍を得たシャガール、
しかし望郷への想いを込め「バイオリン弾き」を数多く描いています。
・・・
「バイオリン弾き」と言えば、
日本では森繁久弥の「屋根の上のバイオリン弾き」が有名です、
名曲「サンライズ・サンセット」のあのミュージカルです、
シャガールをじっと見つめていた結果、森繁が浮かび、
つぎに「森繁の社長シリーズ」まで思い出し、
三木のり平やフランキー堺の顔まで出てきてしまい、
シャガールの名画と重なってしまう自分が・・悲しい。
(「森繁の社長シリーズ」は面白いですよ、レンタルしましょうね)
・・・
シャガールに戻ります。
シャガールの絵の特徴の「深い青」がとても素敵です。
深〜い青、そこから少し明るい緑に転じる感じが素晴らしい。
シャガールの青は深刻な暗い青にならないところが好きです。
この幻想的な深い青は「シャガールブルー」と呼ばれているそうです。
(呼ばれたから・・だからなんだかは知りません)


全形 54センチX46センチ いい大きさです。
このサイズなら我が家の玄関にも一枚欲しいナと思いました。
いくらかな?・・ハハ
・・・
全体を見ると、上部の青系と下部の赤系のコントラストが素晴らしい。
よく見ると、画面全体に配置された「白」の効果が絶妙です。
白は光、光源は画面中央の花瓶の左横の謎の白(だと思う)。
この「白」に画面全体が照らし出されているようです。
・・・
シャガールは好きだな。一枚欲しいナ

「涅槃」池田20世紀美術館1

2018-07-27 | 映画と美術と音楽と

「涅槃」(部分) 木下 晋 1996

伊豆の池田20世紀美術館に行った。
ルノワール、ピカソ、ミロ、ダリ、シャガールなどの作品がある美術館。
とても有名な作家たちの作品を見て回り、退室ルートの階段の手前でこの作品に出会った。
〜〜〜
帰りの階段の手前で振り返るとその老人は静かに寝ていた。
その存在感に圧倒された。
素晴らしい鉛筆画。
〜〜〜
「涅槃」のタイトルにも納得。
「そうだよね〜〜気持ちいいよね〜ここのところ暑いから眠いよね〜」と寝顔に共感した。
〜〜〜
・・おやすみなさい。


全体を見るとこんな感じです。
畳一枚強の迫力の作品。この画面を鉛筆で埋めるだけでも大変。
迫力と静けさのある素晴らしい作品でした。

映画「犬ケ島」

2018-06-30 | 映画と美術と音楽と

映画「犬ケ島」 監督:ウェス・アンダーソン  2018年アメリカ映画 
近未来の日本のメガ崎市が舞台。
日本が舞台でたくさんの犬たちが出演しているのに和犬がいない?目立たない?のが残念。
柴犬とか秋田犬とかもっと出てくればいいのにな。惜しいな〜ワン!

映画「犬ケ島」を観に中央線に乗って立川に出かけた。
封切りからもうひと月ぐらい経つのかな?
金曜日の夜なのにパラパラの入り、かなり苦戦の様子。
面白い映画なのに惜しいな〜。
やっぱり和犬がいないからかな〜?
〜〜〜
ギクシャク動くストップモーション・アニメ。
人形を少しずつ動かしてコマ撮りする古風な手法。
なんだか懐かしい空気感、それがなかなか良いのですね。楽しい。
ティムバートンも大好きな手法です。
〜〜〜
お話は、近未来の日本のメガ崎市が舞台。
犬嫌いの市長が行政的なキタナイ手段を使い、市全域の犬たちをゴミ処理の島に隔離して根絶を企てるのだが、犬好きの子供達が立ち上がりこの企みを阻止する。そんなお話。もちろん犬たちも戦う。でも猫は出てこない、猫はそんなことには興味はない、だから猫なのだ。
〜〜〜
このアニメに描かれている近未来の暗く冷たく荒涼とした感覚、でもどこかにかすかに明るい救いがあるような、そんな世界観がとても良いのです。「時計じかけのオレンジ」「未来世紀ブラジル」「ブレードランナー」のような世界かな。
〜〜〜
アンダーソン監督の「僕は黒澤明が大好きやねん!」がストレートに伝わってきて面白かった。
「黒澤の長回し」風演出。広角で構えたまま動かないカメラアングルの中で出演者たちが演技をする。ちょうど広い舞台の演劇をみているような感覚、みている側が首を左右に振って出演者たちの演技を追う。そんな黒澤風の演出が面白い。
極め付けは「音楽」。「七人の侍」「酔いどれ天使」などの黒澤音楽がマジで流れる。いいのかい?
和太鼓を使ったシンプルな音の演出も黒澤風で面白かった。音楽担当はフランス人らしい。
〜〜〜
アニメなので声優が勝負なのだが、これが凄い配役。でもアメリカ映画なので外人俳優ばかりでどうせ名前覚えられないから詳細は省略。日本からは渡辺謙、夏木マリなどが出演。凄いのはオノ・ヨーコが本人役で出ていたこと、場末のバー・カウンターの片隅で「オノ・ヨーコ」が呑んだくれて自暴自棄になっている姿が面白かった。
〜〜〜
とても楽しくて面白い映画、みなさんぜひみてください。
「犬は人間の大切なお友達」だと改めて思います。
そして犬と仲良くしましょう。
ワン!







ワン!                          

「犬ケ島」に僕も出たかったな〜


映画「スリー・ビルボード」

2018-02-24 | 映画と美術と音楽と

「スリー・ビルボード」 (C)2017 Twentieth Century Fox

町外れの「三枚の広告ボード」
娘を殺された怒れる母親が告知を出した。
>画面の左奥から「どうして、ウィロビー署長?」
>手前に「未だに犯人が捕まっていない?」
>そしてさらに手前右(画面では切れているボード)に「娘はレイプされて焼き殺された!」

映画:スリー・ビルボード
原題:Three Billboards Outside Ebbing, Missouri
〜〜〜
 ミズーリ州の田舎町エビングの町外れ、ボロボロの三枚の広告ボード、突然張り出されたショッキングなメッセージ。ここから物語がはじまる。
 ・・のですがこの先は秘密です。あとは映画館でご覧ください。すッごく面白い作品です。
〜〜〜
 画面のこの女性、レイプされ焼き殺された娘の真犯人を捕らえるために孤軍奮闘する「ものすッごく強い!怒れる母親!マジギレの母親!」。この母親がとにかく凄くかっこいい!
〜〜〜
 主演女優はフランシス・マクドーマンド。彼女はコーエン兄弟制作の「ファーゴ」でアカデミー主演女優賞を受賞。名作「ファーゴ(1996)」から21年、この映画で彼女の素晴らしい存在感に改めて感動しました。素敵な女優です。
〜〜〜
 この作品、他にも素晴らしい出演者たちが沢山いるのですが。詳しく説明をしているうちにだんだんと全体のストーリーが見えてきそうなのでやめます・・あとは映画館でご覧ください。
〜〜〜
 そだね〜

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(3月8日追記)
この投稿の4日後、フランシス・マクドーマンド(60)が「スリー・ビルボード」でアカデミー賞主演女優賞 を受賞しました。主演女優賞は「ファーゴ」から21年ぶり2度目の受賞。おめでとう。凄いぞ!!



ジブリ美術館4「MAMMA AIUTO!」

2018-02-22 | 映画と美術と音楽と

三鷹の森ジブリ美術館にミュージアムショップ MAMMA AIUTO!(マンマ ユート)がある。
この日は、「傘トトロ」のピンバッチ540円。「黒オバケ」のぬいぐるみ756円を買った。
楽しかったなジブリ!

 マンマ ユートの店内は、私たちと同じ顔をした言葉の違うお客さんで賑やかだった。みなさん、どんどんと買い物かごにお土産をたくさん入れてレジへと運んぶ、トトロを十数個(匹?頭?)もかごに入れて嬉しそうにしていた。良かったですねトトロなら喜ばれますよ。ネコバスもいかがですか?
 マンマ ユートはとても順調な売上のように見受けられたが、• • • どうなんでしょうか?
〜〜〜
 マンマ ユートの紙袋のこの顔は「紅の豚」に出てくる「空中海賊マンマユート団のボス」。ゴーグル、蝶ネクタイ、歯をむき出した髭面が特徴だ。名前はないらしい。空中海賊だけど情に厚く実はいい奴。
〜〜〜
 MAMMA AIUTO!(マンマ ユート)は、「ママ助けて!」「ママ怖いよ!」でも良いし、「ママ助けてあげる!」の意味にもなるそうだ、イタリア語を勉強している人に教えてもらった。
 私は「ママ助けてあげる!」が、ママ思いのこのキャラには似合っていると勝手に思っている。
〜〜〜
 Oh! MAMMA AIUTO!



金銀メダルと落語の会

2018-02-18 | 映画と美術と音楽と

「八代目春風亭柳橋(りゅうきょう)独演会」が東京経済大学国分寺キャンパスであった。
すっごく面白かったナ。大学側の主催なので1,000円だったのがありがたい。

〜〜〜
柳橋師匠は東京経済大学のOB。(元東京経済大学コミュニケーション学部客員教授)
同じく大学OBの若手「春風亭かん橋」「桂 竹わ」も出演した。
この二人は今春から二つ目に昇進するそうだ。オメデトウ!
東京経済大学は落語が盛んなんですね。ハハ
〜〜〜
この日(2月17日)開演の40分前、平昌五輪フィギュアの金と銀のメダルが決まった。オメデトウ!
私と妻はテレビ中継でメダルを確認してから15分後に自転車に乗って東京経済大学国分寺キャンパスに向かった、自転車でゆっくり走って15分、会場に10分前に着いた、予選通過タイムであった。
(オリンピックを見ているとなんだか時間の表現が細かくなってきます)
〜〜〜
柳橋師匠のマクラで、「ね〜みなさん、テレビでメダルを確認してからこの会場に向かって、ちょうど良い時間に到着したでしょう?こっちもちゃんとそのこと考えてこうしてるんだから〜」と言って受けていた。この日のお客さんは多分地元の人が多かったのでしょうね。ハハ


会場風景。講義を受けるようでなかなか楽しい雰囲気です。
そうそう、挨拶で出てきた学長がつまらなC級小話をして受けていた。ハハ


ジブリ美術館3「ロボット兵」

2018-02-12 | 映画と美術と音楽と

ジブリ美術館の屋上に「天空の城ラピュタ」のロボット兵のオブジェがあった。
高さは5mほど、大きくてとても迫力がある。

このオブジェ。
ジブリ美術館の「守り神」らしい。
〜〜〜〜
全体は「銅」で仕上げられている。
表面の微妙なテクスチャーの表現など、渋い金属の質感がとてもいい。
叩くとコンコンと鈍い金属音がする。(叩く前にちゃんとスタッフに許可をもらってます)
直近で見れば見るほど、細かなディテールまでとてもよくできていて感心した。
すッごくマニアックな、いい仕事です。凄いゾ!
〜〜〜〜
このマニアックな仕事ぶりは「並の人ではないな〜」と思ったので、
ロボット兵の側にいたジブリ美術館のスタッフさんに質問をした。
「このロボットのオブジェは誰が作ったんですか?」
すると、
「このオブジェの制作者は鯱丸(しゃちまる)邦生さんという造形家」
「鯱丸さんの美術大学の卒業制作を気に入った宮崎監督がこのオブジェの制作を依頼した」
「まる2年をかけて友人と二人だけで制作したそうです」
「鯱丸さんは現在は美術大学の先生もしています」
「鯱丸さんの作品は、この美術館に他にもあるので見てください」
と、詳しい情報をいただきました。ありがとう。
〜〜〜〜
「へ〜〜、なるほどね〜よくできてるね〜すごいね〜」と、
青空の下、私と妻はこのロボット兵を見上げ、ただただ感心するのでした。
「鯱丸さん!凄いぞ!頑張れ!」


このロボット兵はとても良い奴です。
誰とでも気さくに記念写真に収まってくれます。

ジブリ美術館2「 木漏れ日の下のスマホ」

2018-02-08 | 映画と美術と音楽と

この画面に切り取って見てみるとまるでアニメのようです。

前回投稿した記事の写真を改めて眺めていて気がついたことがあった。
写真中央下、木漏れ日の下でベンチに座ってスマホをいじっている詰襟男子が居る。
〜〜〜
この少年はスマホできっと太宰を読んでいるのだろう。
ゲームや彼女とのチャットではないな。(と勝手に決めている)
ここの周辺、玉川上水が流れる三鷹の森は太宰治ゆかりの土地である。
〜〜〜
彼の背景には三鷹の森の木のシルエットがピッタリと写り込んでいた。
この時の太陽光の角度から推察して相当に大きな木の先端のようだ。
爽やかな木漏れ日の下でのスマホで読書、良いですね。(と勝手に決めている)
〜〜〜
これから成長していくこの少年のことを思い、「頑張れ〜」「 まっすぐ育てよ〜」と、すでに子育て終了の寂しいお父さんは、詰襟男子にエールを送るのであった。
〜〜〜
しかしこの男子、平日の昼間にジブリのベンチでスマホをいじっていて良いのだろうか?・・と、少し心配にもなる。

ジブリ美術館「楽しい建物」

2018-02-07 | 映画と美術と音楽と

ジブリ美術館外観。(内部は撮影禁止なので外観写真しかありません)
窓の意匠が「顔」に見えてくるような・・「楽しい建物」です。
「つる植物」が良い感じで建物を覆っています。
開館して17年ほどたつそうです。

〜〜〜
 「三鷹の森ジブリ美術館」に行った。
 中央線三鷹駅の南口から、玉川上水の木漏れ日の下を15分ほど歩くと美術館に着く、とても気持ちの良い散歩道だった。「♪ あるこ〜あるこ〜わたしは〜げんき〜」
 ジブリ美術館には初めて行った。美術館横の道路は車で時々通る、その度にこの建物を横目で眺めながら、「今度行きたいな〜ジブリ、中に入ってみたいな〜ジブリ」と思いつつ、入館が完全予約制なのが面倒で、なかなか行く機会がなかった。
〜〜〜
 妻が予約をしてくれた。
 日にちと入館時間を事前に決めてネットで予約、入場券をコンビニで買っておくシステム。一人1000円。
 2時間ごとの入館時間と定員は決められているのだが、入館後はいつまでいても構わないのが嬉しい。入館直後の大勢の人の流れと少し遅らせながら館内を散策すると、展示をゆっくりと見て回ることができた。なかなか良いシステムだ。
〜〜〜 
 そして、館内の展示は、もちろん「ジブリがいっぱい!」なのです。面白くないはずがない!
 今回は結局3時間ほどいましたが、近いうちにまた来たいと思ってます。ハハ

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ジブリ美術館を倍楽しむ方法
 展示室には制服姿のスタッフさんが居ます、手持ち無沙汰にしているスタッフさんに何でもいいから気軽に質問をしてみましょう!するとみなさんとても丁寧に答えてくれます、すごい知識量で驚きます。いろいろなお話を聞くことができてとても面白かったナ・・おすすめです。

彫刻の森美術館5 「クライン・ブルー」

2018-01-16 | 映画と美術と音楽と

イヴ・クライン 作品「人体レリーフ_PR3」 1962
178×94×33 顔料「クライン・ブルー」・合成樹脂、金で彩色された板

 彫刻の森美術館には屋外展示だけではなく、屋内展示の名作もあって面白かった。
〜〜〜
 屋内展示室の一番奥に真っ青に塗られた作品があった。なんだかとても懐かしい気がした。この「青」はIKBと呼ばれ、近代美術史上とても有名な特別な「青」なのです。意外にも箱根で本物のIKBに出会うことができて嬉しかった。
〜〜〜
 IKB(AKBではない)は「インターナショナル・クライン・ブルー」の略、フランスの画家イヴ・クライン(1928 - 1962)が考案した「理想的な染料」としての「青」なのだそうです。
 イヴ・クラインはこの「クライン・ブルー」を使ってなんでも作品にしてしまった凄い人だ。当時、とても飛んでいたアーティスト、パフォーマンスアートの草分け的存在だったが、34歳の若さで心臓発作のためになくなった。
〜〜〜
 全裸の女性達の全身に「クライン・ブルー」の染料を塗り、白いキャンバスに塗り付けた魚拓(女拓?)のようなパフォーマンス「人体測定」シリーズは有名だ。ドキュメンタリー映画「世界残酷物語」でも紹介されている。
〜〜〜
 「世界残酷物語」(1962年)はヤコペッティ監督のイタリア映画。当時の世界の野蛮で残酷な奇習・風俗を描いたドキュメンタリー(映像的にはやらせだったらしい)映画、当時とても話題になった。
 この映画の主題曲があの名曲「モア」。凄惨な映像とは対照的な爽やかなメロディーのコントラストが素敵な効果を出していた。
 当時小学生だったわたしは、母親に連れられるままに、半ズボンにジャケットの「よそ行き」の正装で銀座までこの映画を見に行った。小学生には衝撃的なシーンの連続、特に青く染まった全裸の女性達がうごめくシーンに、私の目は点となり体が硬直して動けなかった。その後、わたしのこの状況を母が友人たちに楽しそうに話していたのを子供心に覚えている、凄い母親だと感心する。
〜〜〜
 このブログの記事を書きながらイヴ・クラインを改めて調べていて驚いたのですが、
「(映画:世界残酷物語)劇中で紹介される芸術家イヴ・クラインは、試写会で本作を見て激怒し、心臓発作を起こして数日後に死亡した。激怒した理由は、彼が映画のために作曲した音楽が使われていなかったためだとも、悪意ある編集のせいだとも言われている。」(出典:世界残酷物語 - Wikipedia)
 なのだそうです・・凄い話です。イヴ・クラインの死の真相を初めて知りました。


イヴ・クライン「人体測定」1958〜


イヴ・クライン「空虚への飛翔」1960
このまさに「飛んだ」パフォーマンスは有名です。
「芸術のためならこのぐらいのことをしなくちゃダメなんだよな〜」と
まだ若かった美大生の私たちはこの写真に憧れました。
でも皆恐ろしくて真似をしなかったので誰も死にませんでした。
この写真が「実は合成」だと知ったのは随分時間が経ってからです。
真似をしなくて本当に良かったデス。


彫刻の森美術館4「あ〜〜〜」

2018-01-09 | 映画と美術と音楽と

土田隆生「眩驚-V」(1990年)
「眩驚(げんぎょう)」はシリーズの作品、日本各地の美術館や街中に多く展示してある(らしい)。

〜〜〜
 超リアルな顔の表現と、まるでターミネーターに出てきそうな未来感覚のヌッペリとした金属的なボディとの見事なコントラストが面白い作品です。
 見ていると「あ〜〜〜」と、ゆっくりと続く声が聞こえてくるような気がした。
〜〜〜
 この彫刻もピッカピカに磨きこまれていたので、太陽光に照らし出されて美しく輝いていた。素晴らしい!
 屋外にあるからかな?・・前方からの強い「風」を感じました。
 青空の下、屋外展示がよく似合う作品です。

〜〜〜
しばらく見ていると、こんな写真を思い出した。

全く関係はありませんね、構図が似てるだけでした。
スミマセン。


彫刻の森美術館3「ミス・ブラック・パワー」

2018-01-05 | 映画と美術と音楽と

ニキ・ド・サンファル「ミス・ブラック・パワー」1968年
ポリエステル樹脂 ポリウレタン塗料 500×230×75cm

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 〈ナナ〉はハリボテで作られた巨大な女性像のシリーズで、この作品もそのひとつ。カラフルな模様のドレスを着て陽気さを振りまきながら堂々と立つ〈ナナ〉。(美術館解説より)
〜〜〜
 箱根の山の中にドカンと立っている女性がいた、〈ナナ〉と言う名前らしい。たくましく自信に満ちた立ち姿の素敵な女性だ。自慢げにブルーの可愛いバッグを持っている、なかなかオシャレだね〈ナナ〉。脚は黒く力強く太い。大迫力の作品だ。
 自然の中のこのロケーションも良いのだが、この作品は都会の雑踏の中に立っているともっと素敵だ、足元にゴチャゴチャと慌ただしく人達がいた方が面白い。
〜〜〜
 50年前、1968年のメキシコシティオリンピック。
 男子200メートルで表彰台に上がったアフリカ系アメリカ人選手2人が星条旗掲揚の際、黒いスカーフを首にまとい、目線を外し頭を垂れ、黒い手袋の握り拳を突き上げ、黒人への差別と貧困を世界中に訴えた事件があった。「ブラック・パワー」だ。
 「ミス・ブラック・パワー」はこの事件と同じ1968年の作品。作者ニキ(1930〜 2002)はフランス国籍の華奢な感じの白人女性、この時代をたくましく生きた人だ。


拳を掲げる金メダリストのスミスと銅メダリストのカーロス。
銀メダリストのノーマンも2人の行為に賛同した。
スゴイ事件ですね!
当時高校生の私もテレビを見て感動した。
このあと、この3人は様々な形で迫害を受けることになる。
ちょうど50年前の出来事です。