
グスターボ・ドゥダメル (C) Mark Hanauer
時代がまだ「平成」だったころ、
NHK音楽祭特別公演を聴きにNHKホールに出かけた。
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出演は、
指揮:グスターボ・ドゥダメル。
演奏:ロサンゼルス・フィルハーモニック。
演目:ジョン・ウィリアムズ の映画音楽。
ドゥダメルとロス・フィルの息は、もうぴったり、
重厚な音、迫力のある素晴らしい演奏でした。
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ドゥダメルは今や世界的に大人気の指揮者。
私は半年前にバルセロナのカタルーニャ音楽堂で彼のマーラーを聴いたばかりです。
・・なんてね、この自慢話をしたいから、今この記事を書いている。
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ジョン・ウィリアムズは世界的に大ヒットの映画音楽の作曲家。
「ジョーズ」「スター・ウォーズ」「未知との遭遇」「スーパーマン」「インディ・ジョーンズ」「シンドラーのリスト」など数々手がけている凄い作曲家。
もしジョン・ウィリアムズの「曲名当て早押しクイズ」があっても、私は「スター・ウォーズ」と「スーパーマン」の違いが最後までわからないでしょう。・・そのぐらい凄い!・・あれ?
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それはさておき、この日のコンサートはとても辛かった。
私の隣の席の年配の女性(オバサン)が「曲に合わせて頭を頷くように振る」のである。
ロックコンサートでよく見かける例の光景である。
でもこの日は一応クラシックのコンサート、みなさん整然としているのです、
・・いくら「スーパーマン」や「スター・ウォーズ」が好だとしても、
・・いくら頭が振りやすい曲だとしても、
「曲に合わせて頭を振る」のはやめていただきたい。
・・周囲の皆さんに迷惑です!
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この人には本当にまいりました。
私は仕方がないので自衛策として片手で自分の視線を遮りこの人を見ないようにして、
「何も問題はない!頭を振る人なんか私の隣にいない!」とひたすら念じて過ごしました。
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そして休憩時間。
会場係りの人が「頭振りオバサン」のすぐ横の通路まで来て、毅然と立ち、オバサンを見つめないように気を使いながら、
「公演中に音楽に合わせて身体を動かしますと周囲のお客様の大変なご迷惑となります、お控えください」とアナウンスをした。
きっと私以外にも「頭振りオバサン」を迷惑に感じていた人たちが苦情を言ったのでしょう。
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すると周囲からは「音楽に合わせて身体を動かすなんてね、ハハ」「そんな人がいるんだ、変なの、ハハ」と小さな笑いが起こりましたが、
なんと!「頭振りオバサン」を見ると楽しそうに一緒になって笑っているではありませんか?
残念ながら彼女の自覚はゼロなのです!!
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「お前なんだよ!バーロー!」と言いたかったのですが、
NHK音楽祭特別公演です、そんな言葉は口にできません。「NHKなんですから!」
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そして後半が始まり「頭振りオバサン」は頭を振り続けるのでした。
「隣人は選べない!」この言葉が身にしみました。
オシマイ。
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◉ このコンサートはテレビで放映の予定です。
[放送日時]2019年5月5日(日)午後9:00~11:00
[番組名]NHKクラシック音楽館
(サブタイトル「頭振りオバサンを探せ!」)