練習オタクの日々

3日ぼうずにはしたくありません!この日記とピアノのお稽古。練習記録とその他読書などの記録をつけておきます。

『女子大生がヤバイ!』 小沢章友

2009-09-26 | 読書
著者は都内の女子大でフィクション・ライティングの講義を持っている。
講義でいまどきの女子大生が書いた短編小説を基に彼女たちの頭の中、心の中を考察しているのが本書である。

ウチにも娘がいて、まだ女子大生ではないが、もうまもなく何年かすれば本書内の文章を書いている女の子たちと同年代となる、ということもあり、読んでいてとても興味深い本だった。

概して、昔に比べて、女子大生の書くものは「たががはずれた」ようなものが多いとのこと。
それは、出版されている小説などからも伺える事実だろう。
負け犬的なもの、自虐的ネタの小説などが共感を得ていることからも分かる。
小説の中だけでも「きれいごと」を書いていた時代から、それでは現実とあまりにもかけはなれすぎている、ということに気づいて、「だめな私」「サイテーな男、女」などをクールに書いている女子大生は、かなり冷静だし、頭もいいのだろう。

短時間でひとつの作品を書き上げる講義形態のためでもあるだろうが、私小説風、告白小説風のものが多いとのことだが、そうすると、こんな過激なことを考えているのか・・・!と、ややびっくりするような作品も結構多い。
それも驚きだが、作品と普段の学生の様子があまりにもかけ離れていて違和感を感じる、との筆者の言葉も聞き捨てならないなぁと思ってしまった。
また、非常に上手な文章を書く学生に、どんな本を読んでいるのか、とたずねたところ、ほとんど本は読まない、という答えが返ってくることもあるとか。

女子大生の頭の中、分析しようにもなかなか手ごわいものがあるかも・・・。