練習オタクの日々

3日ぼうずにはしたくありません!この日記とピアノのお稽古。練習記録とその他読書などの記録をつけておきます。

「和菓子 味わいの芸術」

2007-09-08 | アート
ほぼ毎週吉祥寺に行っていて、その存在も知っていたのに、
入ったことがなかった「武蔵野市立吉祥寺美術館」に始めて行ってきました。

「和菓子 味わいの芸術」
2007年8月5日(日)~9月9日(日)
武蔵野市立吉祥寺美術館

実際に干菓子、工芸菓子など、ホンモノの和菓子も展示されています。
そのほかに、菓子型、掛け紙、上生菓子の写真、御菓子箱、菓子を描いた浮世絵などなど・・・。
さまざまな展示があって、コンパクトな会場ながら充実していました。

和菓子というと、なんとなく特別な「人」との記憶を思い起こさせてくれます。

吹き寄せ、という松葉とか銀杏の葉とかの形のお菓子の詰め合わせがあり、
その展示もあったのですが、
それを見て、子どものころ同居していた祖母のことを思い出しました。
祖母のいる母屋に行くと、この吹き寄せを出してくれたこと・・・。

それから、お菓子屋さんで箱を包むときに包装してくれる掛け紙。
私のお花の親先生にお菓子を持って行くと、綺麗な掛け紙がかかっていると、
かならず「綺麗ね」と言ってくださる、そんなこと・・・。

もちろん今現在でも和菓子を口にする機会は頻繁にあるのですが、
この展示はなんとなく、懐かしい気持ちになるような展覧会でした。

ところで、ここ、武蔵野市立吉祥寺美術館、常設展示にあたる記念室があり、
そこが思いの他よかったです。
明日以降、そちらの記事もアップいたします!

『悪人』 吉田修一

2007-09-05 | 読書
この物語は誰もが北九州の方言でしゃべっているからこそ、独特の雰囲気、というか人間臭さ、のようなものが出ていて、だからこそなんだかものすごい生々しい話になっているのだと思う。

一人の若い女が殺され、誰が殺したのかも読者は始めから分かっている。だから、犯人探しの謎解きの推理小説ではない。でも、この事件を軸にして、関わりのあるさまざまな人間の思っていること、考えていること、育ってきた生い立ち、隠してきた過去、いろんなものが明らかになってきてしまう。知らなくてよいことまでも白日の下に曝されてしまう。
信じられない、信じたくない、そんな現実が加害者、被害者、その家族、いろいろな人の上にのしかかってきて、昨日とは全く違う日々になってしまう。ほんのちょっとしたことで人の生活、人生なんて一転してしまうんだ、という残酷さを突きつけられるような小説だ。

人殺しであるはずの男と、男が人を殺めたと知っていても一緒に逃亡する女、その数日間の光景は壮絶だ。逃げおおせることが出来るわけはないのに、どうか二人が捕まらないでいられますように、と祈りながら読んでしまうほどだ。
女のために(と、信じたい)自分を悪人に仕立て上げる男、本当に相手のことを思っているのなら一緒に逃げてはいけないと妹に正論を吐かれてたじろぐ女。どちらも自分のことしか考えていなかったのか、それとも相手を強く思う気持ちが強かったのか・・・。
最後の二人の告白を読めば読むほど悲しい気持ちになってきてしまう。

かなりボリュームのある1冊だったが、一気に読み終えてしまった。読後感は決してよいとは言えないけれど、かなり衝撃が残る一冊であることは確か。


「BIOMBO/屏風 日本の美」

2007-09-04 | アート
「BIOMBO/屏風 日本の美」
サントリー美術館
2007年9月1日(土)~10月21日(日)

BIOMBOとはポルトガル語やスペイン語で屏風を意味する言葉だそうです。
サントリー美術館で開催されている展覧会に行ってきました。

屏風、と聞いて、小原流を習っている私はつい、琳派絵画の屏風絵を真っ先に思い浮かべてしまいます。でも、屏風絵の歴史はもっと古くに遡るし、表現も多岐にわたるんですよね。
今回、琳派絵画の展示はほとんどありませんでしたが、解説を読みながら見学し、とても興味深い、「お勉強になる」展覧会だった、という感想です。

お勉強になった点
1.「屏風に関係する絵」が展示してあるコーナーがあり、その解釈を読んでなるほど~と思いました。
人の一生と屏風の関わり、のようなものが描かれている絵だったのですが、
「出産」というイベントのときには白絵(白い絵具で描かれている)の屏風を使い、「臨終」という人生ラストのイベントの時にはなんと、漢詩の屏風を天地逆さまにしつらえる、という歴史があったそうです!

2.屏風は歴史上のある一時期、大切な貿易商品でもありました。欧州に輸出された屏風は元は襖だったものも多く、それが加工されて屏風として私用されていたようです。今回の展示のために日本に帰ってきたそんな屏風たちには、襖だったときの名残があります(開くときに手をそえるあの部分・・・何と言うのでしょうか・・・その後が残っていたりする)。

3.輸出された屏風は、大作の一部分だったことも多く、一部は海外、残りは日本、という状態で何世紀も時を経たものもたくさんあります。今回、2.と同じく展示のために海外から戻ってきたものと日本に保存されてきたものが何百年もの時間を経て、合体!元の大作に戻って展示されています。これって、まさに目で見て感じる歴史、と思って感動!

その他、少し前に読み終わった『信長の棺』という本に描かれていたシーンを思い出させるような屏風もあり、個人的にしみじみながめてしまいました。
それは、秀吉の桜見学の様子を描いた屏風だったのですが、小説内で、もう死期の近い秀吉がそんな病状を気取られないように豪勢な桜の花見ツアーを企画させ、その様子を記録させるというシーンがあり、まさにそれを描いたかのような屏風絵だったのです。こんなところにも秀吉の権力誇示の姿勢が現れているのかもしれない・・・と思った次第です。

会期はまだ始まったばかり。講演会など、さまざまなイベントもあるようなので、ミッドタウン見学がてら、見に行かれるとよいと思います。


日展100年 一目で分かる!日本の美術この100年

2007-09-03 | アート
いろんなところで「いいよ、いいよ。」と評判で、とどめは、行ってきた、という母が「いいわよ~」と言うので、行ってまいりました。(どなたかの指南がないと、アート関係は不案内なもので・・・)

日展100年
 一目でわかる!日本の美術この100年
国立新美術館
2007年7月25日(水)~9月3日(月)会期本日まで

お恥ずかしながら日展自体は行ったことのない、私です・・・。
工藤静香が入選??とかいうのは聞いたことがあるのですけど、その正体はよく分からずにいました。
なので、展示品は絵画だけでなく、工芸関係もある、と知り、なるほど~と思ったほど、日展素人です。
しかし、十分堪能いたしました。十分も十分すぎて、おなかいっぱいです。
なにしろ、名だたる作家さんたちの登竜門というか、ブレイク当時の作品が一挙に見られるというわけですから。

時代ごとにコーナー分けがなされていたので、その区画ごとに簡単に感想を記しておきます。
「第一章 文展」(明治~大正初期)
上村松園の「花がたみ」はとにかく綺麗なので、これを見て、テンションを上げてから会場に入ります。
絵画もよいのですが、ブロンズ像が印象に残りました。朝倉文夫「墓守」洋装の墓守老人の姿、みすぼらしい身なりではあるのですが、なんだか妙な迫力を感じます。

「第二章 帝展」(大正初期~昭和初期)
私的にはこのコーナーが一番面白かったかもしれません。
堂本印象「訶梨帝母」三枚セットなのですが、仏教画とキリスト教画のどっちともとれるような不思議な作品。
荒木十畝「窈冥」水墨画なのですが、雲と山のバランスが絶妙!夏に箱根の山に登ったとき、霧で下界が全く見えなかったことを思い出しました。
吉田博「瀬戸内海集より」版画なのですが、同じ版で色を変えて刷り、朝・午前・霧・夜と、4種類の場面を表現し分けています。とっても綺麗な色。感動しました。
この辺りの版画作品はどれもよかったです。

「第三章 新文展」(昭和初期)
工芸品の展示で、超大作の織物が素晴らしかったです。山鹿清華「熱河」壁掛
色使いも綺麗!糸の染色から全て作家が行っているんでしょうね・・・。

「第四章 日展」(戦後)
迫力の大作がいっぱい!東山魁夷「秋翳」(どれもタイトルが難しくて、読めないんですけど・・・恥)青!という印象の東山魁夷ですが、これは珍しく朱!
福田平八郎「雨」瓦屋根がキャンバス前面に!そしてそこにポツポツ落ちる雨粒が描かれているだけ。なのにものすごい迫力。構図の面白さを感じました。
山崎覚太郎「漆器 空 小屏風」屏風なのに、描かれているのは青空と雲、そして電信柱に電線、鳥一羽!楽しい~!

この第四章の3作の絵葉書を買って帰ったのですが(選んでいたらたまたま全部第四章時代の作品でした)、家に帰ってきて、展覧会のHPを見たら、この3作がならんで載っていました・・・?!と、いうことは一般的に見てもこの三つが万人受けする、ということでしょうか?
自分のセンスの平凡さに安心したり、ちょっとガックリきたり・・・。

行ってない方、是非どうぞ・・・と言いたいところなのですが、会期は今日まで・・・。
以降、他都市にも巡回するそうです(宮城・広島・富山)。そちらのお近くにお住まいの方は是非どうぞ・・・。



『信長の棺』 加藤廣

2007-09-02 | 読書
本当は去年、大河ドラマを観ているときに参考書的に読もうと思って図書館で予約していたのだが、やってきたのがつい2週間前・・・。

でも、忘れかけていた安土桃山の復習にもなったから、まぁ、よしとしようかな。

太田牛一という、信長、その後秀吉に仕えた男が「信長記」を記すにあたり、本能寺の変後、忽然と消えてしまったと言われている織田信長の遺体の行方をさがす旅に出る、というロードムービー的な設定だ。

最後、大切な例の物を埋蔵してある場所の目印に、個人にゆかりのある花の苗を植えておいた、と言うところが、お花好きな私としては嬉しいエンディングだった。

(本当はこの倍くらい記事を書いていたのに、ちょっとわき見しているうちに全部消えてしまったいて、とても同じものを二度書く気力がなく、ナニゲにやる気のない記事になってしまっていること、お詫び申し上げます・・・涙)

滞り気味・・・

2007-09-01 | Weblog

ちょっとブログアップが滞ってしまっています。
↓こっちのアップに忙しいので、お暇な方はご覧下さい。
http://blogs.yahoo.co.jp/yumihana5dc1

今、読みかけの本は
『信長の棺』『アルケミスト』『マイ・ベスト・ミステリーⅠ』
なんだか読み進まない・・・。

でも、今日、母に会って美術館のチケットをもらう予定なので、
久々にいろいろ回ってこようと画策中!!