やまぼうしー自然の記録帳ー

富山県内の自然を中心に、自然や自然現象を記録にとどめておきたいと思っています。

アオムシサムライコマユバチ(繭)(富山市)

2022-02-25 04:15:20 | 昆虫類

2021年10月上旬の観察記録です。

家庭菜園に植えたブロッコリーの葉に、アオムシサムライコマユバチの白い小さな繭がたくさんついていました。そばには、寄生されていたモンシロチョウの幼虫もいます。

アオムシサムライコマユバチは、モンシロチョウなどに寄生するコマユバチ科の内部寄生性の寄生蜂で、幼虫の体内に約80個の卵を産卵、産卵後約14日で寄主の体を食い破り、繭を作って蛹化、蛹化後約7日で羽化するそうです。(ウェブサイト『ウィキペディア(Wikipedia)/アオムシサムライコマユバチ』参照)

この、アオムシサムライコマユバチのたくさんの蛹、よく見ると糸で覆われています。繭になってからその繭をまた糸で覆うことはできません。この現象を説明しているウエブサイトがありました。長くなりますが、引用します。
「寄生蜂が出てきたオオモンシロチョウ幼虫はややしぼんだ格好になるが、当面死ぬことはない。それどころか、次々と繭をつくってゆくアオムシコマユバチにみずから糸を吐いて強固な繭に仕上げてゆく。こうして黄色い強固な繭群を作り上げると、衰弱しきったオオモンシロチョウ幼虫は、しばらくは繭群に張り付いて守っているが、やがてしぼんだようになって死んでゆく。このとき、こよりなどで繭塊に触れようとするとやせさらばえた幼虫は激しく頭を振って繭を守ろうとする。…アオムシコマユバチに寄生されたチョウの幼虫たちは明らかに脳まで支配されていると言える。」(ウェブサイト『北海道昆虫同好会ブログ/脳を支配された幼虫はアオムシコマユバチの繭に糸かけを行いそれを守る』参照)

世の中知らないことばかり、一つ勉強になったと思っていたら、もう一つ知らなかったことに気づきました。

下の写真(の上の方)をよく見ると、アオムシサムライコマユバチの繭に黒い小さなものが写っています。鮮明ではありませんが寄生蜂のようです。てっきり、アオムシサムライコマユバチが羽化したものと思いました。ところが、アオムシサムライコマユバチに関するいろいろなウエブサイトを見ていると、写真のハチはアオムシサムライコマユバチと比べると触角が短く別のハチのようです。

ここで、また別のウェブサイトに教えてもらいました。ウェブサイト『岡山理科大学昆虫生理学生態学研究室(学外連携)昆虫寄生蜂生態学・動物行動学/寄生蜂/アオムシコマユバチ/アオムシコマユバチ(青虫小繭蜂)』です。
「寄生蜂であるアオムシコマユバチも、寄生蜂に攻撃される。本種に寄生する二次寄生蜂は、ヒメバチ科、ヒメコバチ科、コガネコバチ科、カタビロコバチ科など多くの種類にわたる。下の写真は二次寄生蜂であるカタビロコバチ科の一種 Eurytoma goidanichi がアオムシコマユバチの繭に産卵しているところである。このハチは単寄生性の外部寄生蜂で、繭内にいる寄主アオムシコマユバチの体表に卵を一つだけ産みつける。」

写真に写っていたハチは、アオムシサムライコマユバチに寄生する二次寄生蜂の一種ではないかと思います。二次寄生蜂が多くの種類いるとは…。まさに「入れ子」現象。この二次寄生蜂にも三次寄生蜂が、ときりがないのでしょうか⁇昆虫の世界は奥が深すぎます。

なにはともあれ、アオムシサムライコマユバチの繭は我が家の庭でもよく見かけるので、今度はゆっくり観察してみます。


《アオムシサムライコマユバチの白い小さな繭(赤矢印はその二次寄生蜂)2021/10/05》


《アオムシサムライコマユバチの繭と寄生されていたモンシロチョウの幼虫 2021/10/05》


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