静 夜 思

挙頭望西峰 傾杯忘憂酒

少年の野球選手減少が示す『スポ根精神論』の弊害  これは伝統墨守がもたらす弊害サンプルだ 

2024-04-22 07:56:00 | 時評
【毎日】🥎「大谷翔平人気、チャンスなのに…」 無くならない〝昭和野球〟【酒井志帆、塚本紘平】
*「まるで昭和の(時代の)ようだった」。母親がこう振り返るのは、名古屋市に拠点を置くチームの指導方針だ。母親によると、このチームでは監督に気に入られた子どもが試合に出場できた。
  どんなに野球がうまくても従順でない子どもは干されていった。保護者はお茶当番が回ってくると、監督やコーチの好みの飲み物を覚えて用意する。チームにとって監督は絶対的な存在。
  「あいつは、できない」といった監督の口癖を、気付けば息子もまねるようになっていた。息子は1年ほど所属したが、根性論が幅をきかすチームに嫌気がさし、半年前にやめさせた。

* 日本野球協議会によると、小学生野球から中学、高校、大学、社会人、還暦野球にいたるまでの各団体に登録している野球選手は2010年に約161万7400人だったのに対し、22年は約101万7500人
  と約60万人減少した。少子化に加え、サッカーやバスケットボールなど他のスポーツの選択肢が増えたことが影響する一方、スパルタ的な指導内容や保護者の負担も、その一因とされている。

* 日本野球連盟(JABA)は今春から、少年野球の指導者らを対象にしたコーチング研修会を始めた。東海地区連盟の北畑達也常務理事は「残念ながら野球界は、昔ながらのやり方をやっている団体が
  非常に多い。指導者の指導力を高め、子どもが笑顔でプレーできるよう変えていかないと、野球人口はますます減ってしまう」と懸念する。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 慶應義塾高校が昨2023年夏の甲子園大会で優勝を飾り、その時の監督・森林貴彦氏の指導ぶりが話題になった。それは<体罰・投球過多・丸刈り強制>等が象徴する『スポ根』指導とは対極にある。
だが、日本野球協議会或いは日本野球連盟が仮に指導者たちに森林氏の著書「Thinking Baseball」を読めと薦めても、慶應義塾全般への反発心・やっかみもあり、浸透していないのだろう。

 しかし、ケイオーへの反発がスポ根指導を続ける理由ではない。真の理由は、現在の指導者たちの多くが「自分が受けた指導を必ずしも悪い内容ではない、良いところもあった」と信じているからだ
それは「古い・新しいからではない」固い信念である。その傾向は何もスポーツ界に限らない。<宝塚歌劇団でのいじめ自殺><PTA>が代表する【合理性とは真逆な理屈抜きの精神論】だ。
これが日本社会全体にはびこっており、それを「伝統」の名で守ろうとするので悪循環は終わらない
。最も端的な「伝統論」は≪ 男系天皇の死守 ≫に現れている。

★ 統治制度の一機能として大事だから守るのが天皇制であり<男系だから守る価値あり>ではない。野球人口の減少が示す伝統固執のもたらす報い。これを他山の石とせねば天皇制は危ない。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

倫理観に乏しいトランプ元大統領を、キリスト教福音派系の人々が支持するのはなぜ?

2024-04-20 19:21:11 | 時評
【The Daily Digest】Zeleb.es
  タイトルに掲げた疑問は、私だけでなく多くの人が抱いていると想像する。特定の宗教を信じて生きていない人は、まず理解不能だろう。
 ジャーナリストのティム・アルバータの答えをみてみよう。ティムは著書『The Kingdom, the Power, and the Glory』でこの問題に取り組んでいる。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
【1】福音派のなかにはトランプ元大統領が「神に任命された」と信じている人も多いのだという。
【2】さらに、福音派の多くが「アメリカは神に祝福された唯一の国だ」と信じているとも指摘している。
   「キリスト教徒のトランプ元大統領支持者たちがこういったことを本当に信じているのだとすれば、トランプ氏がどんな『罪』を犯しても許してしまうのも当然と言えます」
【3】「聖書を読んだことはありますか? 聖書に出てくる人たちにも何度も結婚した人は多いし、常に完璧というわけでもありません。人間は完全ではないのです。完全なのは神です
【4】『Discourse』誌に寄稿した福音派のマーク・デヴィッド・ホール氏は、自分はかつてトランプ元大統領に投票したし、次の選挙でもそうする、その理由は彼が宗教の自由を支持しているからだ。
【5】ホール氏はさらに、トランプ元大統領は「ロー対ウェイド判決」を覆す*という多くの福音派にとっての悲願も達成したと記している。・・妊娠中絶を全国禁止から州ごとに選べるとする判決
【6】共和党ローレン・ボーベルト議員からコメント「「『国家と宗教との分裂』といった類の妄言*にはうんざりしています。教会は政府を導くよう期待されているのです」・・正教分離のこと
【7】福音派牧師でもあるブラッド・シャーマン下院議員は「たしかにトランプ氏は無作法です。彼は戦士なのです。いま現在の政治闘争の場においては、彼のような人物こそが求められています。
【8】アイオワ州のアル・ペレス牧師はNPRに対して、一部のキリスト教徒がトランプ元大統領をほとんど崇拝していることに関する懸念を表明している。
   「ラテン系の福音主義者として、私は強く懸念しています。これはほとんど……救世主に対する信仰も同然です。この言い方が一番よく伝わるでしょう。大変懸念しています」
   「どこからが異常な崇拝なのかわからなくなっているのでしょう。誰かひとりの候補者が、アメリカや世界の抱えるあらゆる病理や問題を鮮やかに解決してくれると信じた時、それはもう
   すでになんらかの一線を越えているのです」
【9】キリスト教のもっとも基本的な教えは、たとえ異なる土地に生まれ、地元のコミュニティから疎外された人であっても温かく受け入れ、お互いを愛し合うということのはずだ。
   トランプ元大統領は最近、移民は人間ですらなく「動物」同然だと語ったことがある。このような発言をする人がキリストの教えに従っていると言えるのだろうか。

【10】白人キリスト教徒たちの目下の関心事は、「自分たちのために闘ってくれる人物」を権力の座に押し上げることだけらしい。それこそが自らの信仰に合致した振る舞いだというのだろうか
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
18世紀までの王国のごとく「神・国家・リーダー」は一体だと信奉する人たちにとり、トランプ氏は其の信心に叶う人物なので、いち個人としての倫理欠如や過ちは大統領としての適性云々とは
別次元。だから不問に付す。・・これを一点の陰り無く善と信じている人には何を説いても始まるまい。なぜ福音派はトランプ氏を支持し続けるのか?と問う人の疑問に答えは出た。
  だが、答えが出たからおしまいじゃない。トランプ氏が返り咲くと日本も世界も再び振り回されるのだから、シュミレーションを繰り返し、政策を用意するだけだ。
 何度も繰り返すが『もし地上に宗教なかりせば・・』と思ってしまう。戦争を含め大半の愚かしい争いは発生しないだろう。超越者の存在を必要としない人まで迷惑するのだから困ったものだ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ブログを書く意義は?   旧友との会話

2024-04-20 08:42:30 | 書評
△ キミはこまめに書いてるな、よく続くな、と感心してるよ。いや、本当にそう思う。始めて何年だ?
◆ 来月、5月でまる10年だね。うん、自分でも何のため?と頻繁に自問自答する。・・・ボケ防止、語彙のやせ細りへの恐怖?ガス抜き?たぶん、みな当たってそうだ。
△ 読む方の俺は、半分、君の安否確認でもあるんだがね(笑)・・・固定的な読者もいるんだろうな。
◆ 書かない日が続いても一定数はレヴュー数が出るのを見ると、おそらく居そうだね。有難い事だよ。
△ ほう、アクセスのデータが君に毎朝フィードバックされるんだ。それをチェックすると、張り合いも出ようってことか。
◆ 張り合いというよりは、「俺は何をいいたいんだろう?」「こんなこと書いて何になる?」てな反省を繰り返す日が殆どだがね。
△ 反省ね、ふむ。然し、君が書く領域はカテゴリーをみりゃわかるが(人権・民主・自由を核にした政治論評)(音楽などの文芸批評)(書評)(旅行記)だ。
  間違っても、若者の流行や都市の世相にふれた内容は多くない。いや、殆どみあたらない。(ネットトーク)では砕けた話題も出るが、然し、まだ硬い。
  (ボブ・ロバーツとのお喋り)は面白いし、俺のように異文化体験の無い者には新鮮だ。アメリカ人の目線から、というのは中々聞けないからな、例えOne of Them の見方だとしても。
◆ そういえば、そうかな。気が向くままに書き飛ばしてるから、いい気なもんだ。ま、その気楽さが日々のたのしみでもある。
  レヴュー数の増減傾向をみると、当然だけどテーマ、ジャンル別に浮き沈みは出る。それを観察するのがまた刺激になる。
△ だろうな。お堅い政治批評も悪くないが、正直いって飽きる時がある。正論で道理は通ってるんだが重い。吠えても変わらぬ現実が続くから、君の読者も同じでは?なんて想像するよ。
  書評や旅モノは、いつも楽しませてもらってるよ。アクセスが大きく上がるんじゃ?
◆ うん、確かに書評や旅ルポへのアクセス数は膨らむ。でも、そうそう旅ばかりできるわけもなく、頻度は上がらない。それに批評を書き殴るのとは違って、作文は大変なんだ。
△ そりゃ、そうだろう。特に書評は頭と感性をフルに動員するだろうから、なかなか簡単には書けないだろなと想像するよ。
  旅ルポは書く方も面白いとして、書評を書こうと思わない本もあるんだろう?
◆ それは、あるよ。図書館で立ち読みし、手に取った書籍の中にはハズレもあるから、ま、読書も書評も疲れる、といえば疲れる。
  唯、書評のためのメモも取らず、読み飛ばしたままだと頭の中で整理がつかず、自分なりの考えはまとまらない。そりゃ間違いないから、自分の為にひたすら書く、それだけさ。
  旅ルポもまた、ボケ防止には違いない。自分のため、他人の為じゃない。そう思って、本当のボケが来る日まで続けるつもりだがね。
△ なるほどな。問題意識を保ち、言葉を紡ぎ出し、文字を選び、文章に組み上げる作業って、ボケ防止にゃ最大の効果があるかもな。俺もやってみよう。じゃ、また。       < 了 >
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

中国の「国家安全法」が外国人をも犯罪者扱いする非道  なぜ日本政府は黙っているのか???

2024-04-19 20:05:17 | 書評
♪【産経新聞】菅野志桜里氏を「共謀者」と名指しの香港裁判、日本政府は「関心表明」も抗議せず
 香港で国安法違反罪(外国勢力との結託)に問われているのは、中国政府に批判的なことで知られた香港紙、蘋果(ひんか)日報(アップルデイリー)の創業者、黎智英(ジミー・ライ)氏。
 検察の冒頭陳述などによると、菅野氏は国民民主党の衆院議員当時の2020年、黎氏側の指示を受けた香港民主活動家、李宇軒氏と接触し、深刻な人権侵害に関与した個人・団体に制裁を科す「マグニツキー法」の日本での制定を巡って
 英国の人権活動家らと謀議したとして、黎氏の共謀者とされている。
  菅野氏は黎氏と面識がなく、「SNSでコンタクトを取ったこともない」と共謀を否定している。ただ、国安法は外国人の香港域外での活動も処罰対象としており、菅野氏が中国や香港、中国と犯罪人引き渡し条約を結ぶ第三国に渡航した場合、
 同法違反容疑で拘束される可能性は否定できない。

  4月18日の衆院本会議では議連メンバーでもある国民民主の玉木雄一郎代表が、岸田文雄首相に「日本の国会議員の正当な政治活動が他国で犯罪化されることは、国家主権、国民の自由の侵害で絶対に看過できない」として抗議するよう求めた。
 首相は「香港当局に対して関心表明を行っている」と説明。「わが国の国会議員の言論の自由が保護されるよう、毅然と対応していく」と述べたが、主権侵害であるとの認識や抗議するとの考え示さなかった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 まず、元野党議員だった人に降りかかる言語道断な出来事を、以外にもと言っては失礼ながら、産経新聞が取り上げたことに敬意を表したい

そもそも論だが ≪「人権侵害」に関与した個人・団体に制裁を科す法律を求める活動が、香港=中国では国家の安全を損なう行為になる ≫こと自体を、日本も含む民主政治諸国は認めない。
それが菅野氏であろうとなかろうと同じであり、国家統治の基本大原則なのだ。ましてや、外国人にも自国の論理を押し付けて犯罪と見做すのは中国が口にする『国家主権の侵害』そのものではないか?

 それなのに日本政府は<関心表明を行っている><毅然と対応する>というだけで【言論の自由の根本精神に反する外国の干渉を日本は認めない】という明確なメッセージをだそうとしない。
  ・・・中国ビジネスを失いたくない、それだけか? 【国として守るべき価値よりもソロバンが大事】なのか? 政権与党の人物ではないからほおっておく計算か?

 私は岸田文雄氏と同じ日本人として生まれ育ち、ここまで日本で生きてきたが、この曖昧な態度の理由付けが理解できないし、許せない。 なぜハッキリ抗議せず黙るのか? 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

今日で【池袋暴走事故から5年】 高齢運転者は どうか被害者の声に耳を傾け 返納してほしい

2024-04-19 09:38:03 | 時評
<AERA dot.>【池袋暴走事故5年】刑務所は「苦しい」と回答した飯塚幸三受刑者に松永拓也さんが思うこと 「彼の言葉を未来の糧に」 抜粋
 今日は5回目の命日。松永さんは昨年12月から運用が始まった「被害者等心情聴取・伝達制度」を使い、車を暴走させた飯塚幸三受刑者(92)に、事故の再発防止に向けた協力を呼びかけた。
 この制度で松永さんは8つの質問を投げかけた。それが公開されたので、私はこのやり取りの中にある将来へのヒント&手ががかりを読者の皆さんと共有したい。

〈質問1:あなたはどうすればこの事故を起こさずに済みましたか。 回答:「運転しないことが大事です。」〉
〈質問2:高齢者として、どのような社会であれば事故を起こさずに済みましたか。 回答:「運転しないことです。」〉
〈質問3:病院までの無料又は500円程度の送迎サービスなどがあれば利用しましたか。 回答:「はい。」〉
* 質問1~3は、免許返納をしやすい社会を目指すための質問です。飯塚氏は裁判の中で、電車は使い勝手が悪いから車を運転していたと主張しました。あの時はムカッときましたけど、確かに地下鉄は
  階段やエスカレーターが多いし、高齢者が利用するには大変な面もあります。免許返納を進めるには、車がなくても安心して生活できる社会になる必要がある。
   高齢者自身の決断とご家族の説得に委ねきっている現状はおかしいと思います。

〈質問4:医師から、明確に運転を止められていたとしたら、あなたは運転をやめていましたか。 回答:「やめていました。」〉
〈質問5:事故当時、自分自身はパーキンソン病又はパーキンソン症候群の可能性があったと思っていますか。 回答:「はい。」〉
〈質問6:パーキンソン症候群が運転をしてはいけないという分類に属されているとしたら、運転をやめていましたか。 回答:「やめていました。」〉
* 担当医師は、体調が悪い時には運転を控えるよう伝えていたけれど、高齢者の方にも移動の自由がある以上、無理やり止めることはできません。
   でも、運転は人の命を奪いかねないものである以上、医学的な見地からある程度制限をかける権限や、人権侵害で訴えられないよう医師を守る制度は必要ではないかと思います。


〈質問7:家族からどんな声掛けがあれば、運転をやめようと思いましたか。 回答:「やめるように強く言われていたらやめていた。」〉
* 質問7は1~3とも関連するもので<高齢者自身の決断とご家族の説得に委ねきっている現状はおかしい>を裏付ける。だが、私も周囲で知る限り、家族(主には運転しない配偶者)が病院通いや
  買い物の便を手放せず、妻が強制的に辞めさせられる状況ではない事例が殆どだろう。となれば、やはり強制力を伴う制度設計に踏み切る必要がある
と私は考える。


〈質問8:高齢で刑務所に入る苦しみはどのようなものですか。 回答:「(いろいろな規則や指示に)従うことが苦しい。」〉
* 「回答を読んで、思いのほか真摯に答えてくれたという印象を受けました。もちろん文章は短いですが、92歳という彼の年齢を考えると、しょうがないかなと思います。
   報告書には、飯塚氏が、私の言葉について「妥当だと思う」、刑務所での面会や出所後の対談は「受け入れる」と言っていた旨が書いてありました。
   裁判での利害関係がなくなった今、初めて彼の本心が聞けて、同じ視点に立てたんじゃないかなと思います」。
  「再発防止に向けた僕の思いは分かってもらえたと思うので、今回の『はい』『やめていました』といった回答の先に、話を深めたいです。失敗した人の後悔にこそ、次の失敗の芽を摘むヒントが
  あるはず。社会制度、医療、交通環境、どんな視点でもいいので、『こうだったら事故を起こさなかった』という反省や悔しさを聞きたいです。
   世間の人は『言い訳するな』とたたくかもしれないけど、彼の言葉を封殺してしまうと未来の糧にできなくなるので、それはどうかやめてほしい。

 飯塚さんの年齢を考えると、一日一日を無駄にせずに、早く面会に行かなければと思います。ただ、真菜と莉子の命日の19日までは精神的にいっぱいいっぱいなので、今は考えるのをやめています。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 ――命日はどのように過ごすのでしょうか?
  事故が起きた4月19日12時23分に現場に行って、手を合わせます。そしてお墓に行って、沖縄から来てくれる真菜のお父さんとお茶をしながら話をして、という感じですね。でも僕は、命日を迎えるまでのほうがしんどいです。
  当日は「来ちゃったものはしょうがない」とある程度割り切れるんですけど、命日の半月前くらいから、「嫌だな」「二人に会いたいな」ってどんどん気持ちが落ち込んでいきます。
   桜が咲きはじめると、三人で花見をした時の思い出がよみがえってきます。真菜が焼いてくれたパンでサンドイッチを作って、それを持って公園に行って、食べ終わったら莉子は楽しそうに公園を走り回って。
  そして桜が散ると、そろそろ命日がやってくるなって考えます。だから桜を見ると切なくなりますね。毎年、これは逃げられない。

私は此の下りを読みながら涙を禁じえなかった。皆さんもおそらく同じだろう。松永さんがあの年齢で悲しみに流されず前を向いて生き続けようと踏ん張っている姿には尊敬の念しかない。

★ あなたが高齢で(頻度に拘わらず)運転を続けているなら、どうか松永さんの声に耳を傾けて欲しい。私の知り合いに83近くなりながら「来年の車検を機に免許返納する」という男性がいる。
  車検日までの間に、もし死傷事故を起こしたら、彼はどれほど後悔し、残りの人生を過ごすのだろうか? ・・・そう思うだけでも胸が痛くなる。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする