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≪ ”土人”+”シナ人” 大阪府警機動隊員の妄言 ≫ 琉球/蝦夷への植民地意識 150年経っても抜けず

2016-10-21 08:56:11 | トーク・ネットTalk Net
 ★ (社説)「土人」発言 差別構造が生んだ暴言 http://digital.asahi.com/articles/DA3S12617948.html?rm=149
・ インターネットの動画サイトに2人の隊員が「どこつかんどるんじゃ、ぼけ、土人が」「黙れ、こら、シナ人」とののしる様子が投稿され、発覚した。
  ヘイトスピーチを想起させる発言を、公務中の警察官がすることが不適切なのは言うまでもない。菅官房長官は「発言は許すまじきこと」と述べ、警察庁が対応すると説明した。
・ 驚いたのは、大阪府の松井一郎知事が自身のツイッターに、「表現が不適切だとしても、大阪府警の警官が一生懸命命令に従い職務を遂行していたのがわかりました。
  出張ご苦労様」と書き込んだことだ。 沖縄の人々の気持ちや苦難を思い、寄り添う姿勢がみじんも感じられない。加えて記者団には、工事への抗議活動に疑問を呈する
  発言までしている。
⇒ 暫く多忙で本コラムに向かえなかったが、TVニュースで此の暴言を吐く若い機動隊員の顔を捉えた動画を視たので、必ずコメントせねばと思っていた。
  更に驚いたのが大阪府知事の発言だ。これでは幾ら官房長官がお決まりの殊勝で当り障りの無いセリフを吐こうが、府知事が政権党と寄り添う<日本維新の会>の体質を
  見せつけたわけで、ああ、やっぱりな、と今の政治状況に私は深い絶望感を覚える。

 だが絶望感で終わってはならず、此の差別語は<日本社会の差別構造>という抽象的且つ聞きなれたメディア用語で読者の耳を通り過ぎさせてはいけない重さを持っていることに気づかねばならない。何故なら「土人」は<未開で遅れた者ども>という見下しであり「シナ人」は徳川末期までは独立した国であった琉球王朝と清朝が近かった事実を踏まえた<敵対意識>と<中国人蔑視>を顕わしているからだ。

 これらの差別語は、日本本土に住む国民一般の心の奥底に潜む歴史認識を鮮やかに炙り出した。幕末近く、江戸幕府は薩摩藩に命じて琉球へ侵攻させ、琉球藩と名づけたうえ、チカラづくで編入した。明治4年の廃藩置県後に「沖縄県」としたことは歴史の授業で習ったことである。これは文字通り武力による併合で、日本の領土拡大の一環である。
 また北に眼を向けると、北海道は明治以前まで「蝦夷」と呼ばれていた。北海道の歴史は平安期から連綿と続く北への領土拡張の最終章にある。アイヌ人を武力で制圧した和人(=今の我々)が、江戸期には函館近辺を支配し、明治維新後は千島列島迄を含む大日本帝国領土に編入した。これまた日本史の教科書に書かれている。 
<日本は単一言語の単一民族国家だ>という刷り込みが嘘八百であることは、此の琉球と蝦夷への侵略/編入を考えると直ぐにわかることだが、明治政府このかた現在も此の神話は正当化されている。 
 大阪府警機動隊員の暴言にはこの様な歴史認識=<日本は単一言語の単一民族国家だ>という刷り込みが横たわっている。これを無理やり言い込める限り、今後も絶対に同様の差別意識は我々から抜けないし、暴言は繰り返され、侵された側の人々を傷つけ続ける。 そう私は断言する。 
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