福田恆存と國語問題ⅡⅩⅡ

　この時第６期國語審議会の候補の面々に注目します。その中の宇野精一先生が愛想を尽かして辞退されたという事件がありました。
あの第６期国語審議会はこの事件で世間でも記憶に残っていることかも知れません。
その中で改革派あるいは戦後の文部省の国語政策を支持する人々の顔ぶれを見渡しますと、
そんなに知的水準の低い人々とは、世間的には見られていなかったはずなのです。
福田さんはむしろ好意的に買いかぶって考えていたことには、彼らは自分たちの主張の裏付けとしての学問的経験等は無かったんじゃないかと思われるのです。
だから福田さんに完璧に論破されてもそれが自分たちの恥ずべき学問的敗北だという認識が無かったんじゃないでしょうか。
私自身、最近これと似たような事例に遭遇しました。それの類推から、実はそんなことだったのではないかと気がついたのです。

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