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三木武夫に学ぶ政治の定石ⅩⅧ

2013年03月15日 | 歴史
 佐藤明子女史、愛人関係は別にしても田中さんの大変信頼の厚い秘書でした。
田中さんには麓邦明という政策秘書がいて、早坂茂三は表の秘書、本当に信頼できるのは麓さんと言われていました。
田中さんのすごいのは秘書に優れた人材がたくさんいることです。
麓さんは内閣ができた時、佐藤明子と唯一の資金源だった国際興業社長小佐野賢治、この二人に対して「切らないと内閣持ちませんよ」と進言しました。
田中さん「それは…できない…」。麓さんは辞職します。その後、麓さんが病気になったとき真っ先に田中さんは駆けつけ面倒を見たということです。
田中さんは2人が危険なことは分かっていても切れませんでした。組閣当初からアキレス腱を抱えていました。実際にこの二人との関係が命取りになりました。
鳩山由紀夫が「雨天の友こそ真の友」と言って辞めました、これは三木武夫の言葉です。
田中さんの雨天の友であるはずの大平さんは次の政権を見据えてやりたい放題で、福田さんはそもそも友達じゃありません。
文藝春秋のスキャンダルを見れば誰でも行く末は分かります。大事なのは三木さんがその4ヶ月前に辞表を叩きつけた瞬間にそれを読んでいることです。
感と読み。どうするのか次の局面から読んで遙か前に動くことです。これができるのが政治屋の真骨頂です。三角大福の時代はこれができて当たり前でした。
田中さんとしてはこれに対抗するすべが無く、どう収拾するのか、三木さん達の読みを外す戦術を考え始めます。
フォード大統領が来日します。田中さんはここで奇策に出て内閣改造を打ち出します。辞める辞めるという情報を流しながら内閣改造です。
史上初のアメリカ大統領訪日を花道に辞めるのかと周りが思う中、あえて内閣改造をするのです。しかし結局29日の短命内閣で終わります。
取り仕切ったのは竹下登官房長官でした。退陣を誤魔化すための秘策、内閣改造でした。
さすがの三木さんも「まさか、辞めるための改造があるとは思わなかった」と述懐しています。
この時大平さんはいっそ田中派ごと大平派に吸収してしまおうかというやりたい放題です。
三木さんは何していたでしょう。本当は昭和35年アイゼンハワー来日だったのが安保騒動で消し飛んで、14年ぶりの悲願達成です。
この14年前、日米安保条約に三木さんは欠席しています。「三木はアメリカを敵視している人間だ」とアメリカは思っていました。
三木さんはフォード側近のキッシンジャー大統領特別補佐官に

「自分は日米安保が大事だと思っている。その証拠に自分は戦時中戦争反対で殺されかけたのだ。
 対米同盟は半永久的な友情だ。岸に反対したのは、それを議会主義の原則では無く、時の与党単独で強行するのが納得いかなかったのだ」。

土壇場の要所要所で自分の都合の良いメッセージを相手に伝えて押しつけていきます。これが正に「外交」です。これができるのが三木さんです。
相手の出方を見てこっちも考えるような素人縁台将棋とは分けが違います。例え相手がアメリカでも自分の都合の良いように振り回します。
自分が弱く小さな立場でも相手に言うことを聞かせるのが外交です。当時はこれができたのですがマスコミはこの状況を「政治の劣化」と批判していました。
福田大平の元大蔵官僚二人がポスト田中を巡って激しく対立し出します。田中さんが退陣表明、福田大平三木が名乗りを上げます。
中曽根さんもとりあえず手を上げます。普通に見れば大平さんが田中さんの支援で勝つ流れでしょう。
田中さんが天敵福田さんを押すわけがないので、大平さんは余裕です。「金脈問題も田中さんが個人的に処理するだろう」と発言し、田中派の反感を買います。
大平さんは自民党総裁選をルールに則ってやれば勝てるはずです。
 現在、谷垣降ろしをやりたい人達が「9月総裁選だ、準備だ、さっさと増税案上げろ」。自民党の歴史で現職総裁が負けたのは1回しか無いのです。
総裁選は1度として同じルールでやったことがありません。つまり主流派にいる連中が好きなようにルールを作れるのが総裁選です。
9月に総裁選をやるというのは相手に有利なゲームに飛び込むと言うことです。谷垣さんに圧倒的有利なのです。
 もどってこの時三木さんは、このまま行ったら大平総裁の状態で、「選挙をやるな、話し合いでやれ」と勝手なルールを言い出します。福田さんはこれに乗ります。
大平さんは「普通通り選挙やろう」。気がついたら中曽根さんまで「選挙やだね…」。三福連合対大平派。
一番若い中曽根さんは「仕切ります」と行司役を買って出ます。
大平さんが選挙だ選挙だと言っているうちに周りから「選挙やりたいのはお前だけだ」と言われる始末です。
ルールを絶対的に信じてこれで勝てば良いというのは将棋や囲碁の世界です。現実の政治はそんなに甘くはありません。
完成された美しいルールでできあがっているわけではないのです。「ルールそのものを決めるのは何か」から戦いは始まるのです。
現実の政治は将棋の対極にある最も汚い現実であります。「総裁選だ!」と叫ぶことしか無い大平さんは孤立します。
「話し合いでは福田さんだろう」という読みの中で三木さんはとんでもない手段に出ます。ルールの枠組みである自民党そのものを「ぶっ壊すぞ!」。
これは小泉さんの言葉のようですが元祖は三木さんです。鈴木宗男が恫喝政治家と言われますが三木さんの比ではありません。
三木さんはこう言って福田さんを恫喝したのです。
民社党の春日一幸、佐々木良作の2大幹部に会って「いざとなったら自民党を割って連立政権組もう」と言う一方で、人に指摘されたら「聞いたことも無い…」。
福田さんには「もしこのまま大平君なら自分は党を割る。三木派40人中15~20は絶対付ついてくる。自民党は終わりだ。君はどうする?」。
これは福田さんと大平さんを置き換えても同じ意味です。つまり、「自分を総裁にしなかったら自民党をぶっ壊すぞ」。
副総裁の椎名悦三郎「まず話し合いを…」。「選挙をやるのか話し合いで決めるのか」を話し合おうというルールができあがります。椎名さんにそれを一任します。
いつの間にか椎名さんが指名するという空気になっていきます。これが椎名裁定です。
椎名さんは実は自分が総理になりたかったのです。田中さんは椎名暫定総理だといっていました。
しかし最後の内閣改造で三角大福の注文を差配するのに苦労して自分で大臣一人決められず立ち往生してしまいました。そうするうちに行司役が回ってきました。
大平さん「どうやら行事がまわしを締め出したぞ」と批判し、椎名総理の芽を潰します。椎名さんは大平さんに大きな不信感を抱きます。
大平さんは「いざとなったら総裁選で勝ちだ」。三木さんはその裏で自民を壊す陰謀を進めます。
 現在でも野田さん谷垣さんは「9月8日国会閉会までもてば勝ちだ」と思っているのに、喧嘩相手は「そこから勝負しよう」という人達なのです。

☆お知らせ
営業日の午後12時~午後4時は、手術、治療業務のため留守番電話にしている場合があります。
3月の予定
春の健康診断を再開します。対象は全ての健康と思われるワンちゃん猫ちゃんです。
春は血液検査を中心に徹底的に、検便と尿検査を組み合わせていきます(容器を差し上げます)。(秋は画像診断を中心に・・・)
費用1頭5000円です。ご予約ください。
期間:3月18日(月)~30日(土)





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