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三木武夫に学ぶ政治の定石ⅩⅤ

2013年03月09日 | 歴史
実は弱かった田中角栄
当時佐藤栄作後継を巡る自民党の総裁候補を「三角大福中」とマスコミは呼びました。三木武夫、田中角栄、大平正芳、福田赳夫、中曽根康弘のことです。
政治の劣化が叫ばれ、「それでも官僚と財界が優秀だから経済大国でいられるのだ」とされていました。
今はそれよりもさらに劣化して、政治家自身が政治の定石や歴史を知りません。
自分のやっていることが何をもたらすのかが理解できず、2手3手先が読めず政治が停滞してしまっています。
さらにそれを批判しなければいけないマスコミはさらに劣化して、目の前で起きている現象の意味が分かりません。
学者、評論家は評価すらできません。「小説吉田学校」をなぞるのが精一杯のありさまです。
 昭和47年田中内閣が成立します。今でもすごい政治家だったらしいと言われます。演説の腕はすごいのは確かでした。
キャスターの古舘伊知郎は田中さんの話術手法から学んだと公言しています。エネルギッシュな政治家といえば田中角栄です。
強い政治家の代名詞とされていますが、田中内閣は大変な弱体内閣でした。総裁選1回目の投票で2位福田さんと6票差でした。
中曽根さんが付いていなければ2位だったのです。2回目の決戦投票でなんとか勝ちましたが三木さんが付かなかったらどうなったか分かりません。
総理大臣の権限は憲法上恐ろしく強いが総理大臣になるには首班指名に勝たなければなりません。そのためには与党第一党の選挙で勝たなければなりません。
自民党総裁選挙が事実上総理大臣を決める選挙で、自民党総裁になるためには田中さんは大平さん三木さん中曽根さん全ての協力がなければ勝てません。
昭和47年の時点では田中派は福田派に次ぐ第2派で、それほど大きなグループではありませんでした。2位3位4位連合で1位を引きずり下ろしました。
現代の小沢さんを蹴散らした時の民主党代表選挙のような様子でした。でもさすがに鳩山さんや菅さんよりは力があったでしょう。
結局田中さんは3人の派閥領袖の意思を尊重しなければならず、その結果四国に3本もの巨大な橋が架かることになります。
大平さん「瀬戸大橋作れ」、三木さん「我が徳島にも」、いつのまにか広島愛媛も結ばれます。大平さん三木さんの両方とも言うことを聞くことになります。
彼らの支持が無ければ政権を維持できません。それほどの弱体内閣でした。
田中さんには佐藤昭子さんという金庫番役の愛人がいました。
年齢を考えると田中さんは54才、福田さんを除くと中曽根さん同級生、三木さん大平さん年上、田中内閣は総理より年上が多いのです。
彼女は「これは短命内閣に終わる」と予感したそうです。
自民党は幹事長橋本登美三郎という長老、実質は竹下登です。選挙は田中さん自身という3人体制でした。
橋本登美三郎は先の佐藤内閣でも官房長官でふんぞり返っているだけの人です。
記者会見で「そんな細かいことは総理に聞いてくれ…」と発言し、当時乱暴長官と言われていました。
 福田さんは5大派閥の中の4つを敵に回しても大善戦しました。これぞ大蔵省の底力です。
この不利な状況を打破するためには解散総選挙で自分の手勢を増やすのが常道です。
田中さんは幹事長の時の前回選挙で自民党が大勝し、昭和44年組の人達、小沢一郎、渡部恒三、奥田敬和、羽田孜等々を育てています。
何とか乗り切れるだろうと思っていました。ところがこの時野党が強く、社会党共産党公明党も強かったのです。
小説家松本清張が池田大作と宮本顕治を握手させたという創共協定というのがありました。
国会で社会党内部でお互いケンカしながら社会党左派の成田知巳が一番元気なころです。
創共協定を敵に回して訳の分からないイデオロギー論争をしながら田中内閣を攻撃します。田中内閣はこれは溜まらんと総選挙に出ます。
その結果、安定過半数の271議席はなんとか超えますが大幅に議席を減らします。
社会党は前回昭和45年90まで減らしたのを120近くまで伸ばし、共産が数十年ぶりに41を占めます。田中内閣の内政はダメダメな状態から始まっています。
 総裁選挙の争点は中国問題です。この問題は4つの系統に分類されます。
第Ⅰグループは松村健三、古井喜実、日中記者協定を結んでくる媚中グループです。新自由クラブ作った田川誠一もこれに入ります。
第Ⅱは田中さん大平さんで、第Ⅰグループにくっついて中国と仲良くし、それを国内権力に転嫁しようと考えます。
第Ⅲは三木さん、池田三木内閣で外務相をやった小坂善太郎、米中が接近中なのでソ連と対峙するために中国と仲良くします。
第Ⅳは福田さん、岸さん、賀谷興宣のようなとにかく親台派。このグループは台湾をいきなり切り捨てろではありません。
中国問題はアメリカや台湾をどうするかと言う話です。
第Ⅱグループはいきなり外務大臣声明だけで日華基本条約破棄してしまいました。電撃的に3ヶ月で日中国交正常化を成し遂げます。
田中内閣の外交成果は強いて上げればこれだけです。

☆お知らせ
営業日の午後12時~午後4時は、手術、治療業務のため留守番電話にしている場合があります。
3月の予定
春の健康診断を再開します。対象は全ての健康と思われるワンちゃん猫ちゃんです。
春は血液検査を中心に徹底的に、検便と尿検査を組み合わせていきます(容器を差し上げます)。(秋は画像診断を中心に・・・)
費用1頭5000円です。ご予約ください。
期間:3月18日(月)~30日(土)





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