まち・ひと・くらし-けんちくの風景-

建築設計を通してまち・ひと・くらしを考えます。また目に映るまち・人・くらしの風景から建築のあるべき姿を考えています。

日韓都市デザイン専門家交流会議2023 その2

2023-06-09 16:17:55 | 海外巡礼 Asia America

設計計画高谷時彦事務所 Profile  記事一覧へ 

日韓都市デザイン専門家交流会議2023 その2

<6月2日 議政府市>

2日目は、議政府市Uijeongbu市です。今日も会議に先立ち、市内を案内してもらいました。まず訪れたの

は Red Cloud Camp. 38度線に近いこの地域にたくさんある米軍基地の一つです。返還が決まって、今国が所有していますが、それを市が買い取って既存の建物を生かし、歴史を継承しながら開発していくとのお話でした。事情により写真はありませんが今日の会議の第一のテーマです。これからの基地跡地利用ということです。

次に訪れたのが議政府駅。これは東口。南北方向のグランドレベルに電車が通っています。

写真右手前にあるのがその線路をアンダーパスしている東西道路。

東口の公園には今いろんなものが置かれています。下の写真はベルリンの壁。

これは慰安婦像。うまく解決していきたいものです。補償に関する政治的な取り決めの問題とは別に、日本の侵略行為の結果なのですから、日本からお詫びの心を表明することが、でいないものでしょうか。

下の像は、安重根。1909年、ハルビン駅で伊藤博文を暗殺したことで処刑となっています。韓国の英雄です。

この像は中国から贈呈されたものです。

広い公園ですが、ちょっといろんなものがありすぎて、人の居場所がまとまっていないことが課題です。

下の写真は線路の反対側、西側の広場です。東西方向のアンダーパスの出口が見えます。こちら側には公園などまとまったオープンスペースがありません。

東西方向を横切るには、このガラスシェルターのある通路で、2階にまで上がる必要があります。市の方によると、東西方向を円滑につなぐための駅前デザインコンペを準備中とのことです。日本語で応募できるのであれば、いいのですが・・・。

駅の東側を歩きました。駅の東西どちらにもショッピング街があり、とても40万都市とは思えません。日本でいうと仙台のような100万都市を思い浮かべてしまいます。

 

車を排してショッピングモールも整備されています。(ここに限らず)街路樹に松が多いのが印象に残ります。

この迫力には、脱帽です。

会場は、大学の講堂です。立派な円形劇場です。

昨日と同じく、韓国側PUDA李教授と、日本側TDA国吉理事長が議論をスタートさせます。この日はキムドングン市長も「歩きたい都市」づくりを通して国際競争力のある都市をつくるという講演を行いました。素晴らしい内容です。

私も少しだけ議論のお手伝いをしました(TDAメンバーにいただいた写真です。写真の質がいいです)。

懇親会・・の写真はありません。市長も参加されました。連日ですが、皆さんタフです。

 

お疲れ様です。

高谷時彦

建築・都市計画

Tokihiko TAKATANI

architecture/urban design

 


日韓都市デザイン専門家交流フォーラム2023その1

2023-06-09 13:58:29 | 海外巡礼 Asia America

設計計画高谷時彦事務所 Profile  記事一覧へ 

日韓都市デザイン専門交流フォーラムに参加しました。日本と韓国の文化の違い、また共通性を感じながらの3日間は、大変充実したものでした。お声がけいただいた、国吉直行TDA理事長をはじめ、日韓専門家の方々には大変お世話になりました。

I took part in the 10th Japan/ korea Urban Design Expert exchange meetings in Korea from June 1st to 3rd.

A lot of thanks to members of PUDC Korea and  TDA Japan for your kindness!  


<6月1日:インチョン 開港場周辺>

初日の交流会議はインチョンです。インチョンは人口が300万ほど。ソウルの西に在り、国際空港、国際港、重工産業、グローバル企業など様々な要素の集積する活力ある都市です。会議に先立ち、インチョンの市内を案内してもらいました。

私のインチョンの印象は下の合成写真のようになります。

一方では、古い街並みを大事にリノベーションしつつ、一方ではタワーインザパーク型の巨大開発を進める都市、どちらも大事にしているパワーあふれる都市というイメージです。

まず訪れたのは、古い港に近い市街地、日本や中国の租界地です。まず日本の租界地。

上のような(もともとは)木造の店舗もありますが、一方では、石造の旧銀行もあります。

上の建物は日本郵船が1888年にたてたものです。スクラッチタイルや、表現主義的な装飾は、日本では数十年後に流行ったものですが、この地ではずっと早く取り入れられていたのでしょうか。

下写真のように、中国の租界地も今は観光施設になっており楽しそうです。

また、日本租界から少し港方向に歩いたところには、仁川アートプラットフォームがあります。古い工場や倉庫を使ったものだと思いますが、創作スタジオや、展示場があるとのことですが、残念ながら時間の関係で早足で通り過ぎることになりました。

見るべきものが多すぎて、少々時間不足でした。またゆっくり訪れたいと思いました。


<6月1日 仁川松島地区>

開港場とはガラっと雰囲気が変わります。新都市、松島を目指し移動。

一昔前なら「近未来都市」という表現でしょうが、ここ仁川では当たり前の風景です。

上の写真のように、伝統的な建て方のものも一部ありますが、ほとんどは、CIAM型の高層ビルです。

会場の下の階を覗くと、都市模型が置いてありました。激しいですね・・・パワフル!

下写真はミーティングの様子。韓国側のPUDCイ中央大学教授と、日本側TDK理事長国吉さんが議論の口火を切るところです。

 

 

会議のあと、懇親会までの道すがら、まちを見学しました。

韓国の場合、日本のようなバルコニーがなく、室内化されている(容積対象床面積からは除外されている?)ので、

マンションもオフィスビルのような外観でつくることができます。公園もたっぷりとられています。

懇親会会場。

お疲れ様でした。

高谷時彦

建築・都市デザイン

Tokihiko  TAKATANI

architecture/urban design