今日は朝のテニスに起きられなくて、そのまま事務所に向かいました。
休みの日には自転車を調布駅の近くに置きます。今日は調布銀座を通りました。
調布銀座は、D/H(ディーバイエイチ:沿道の道路幅員を建物高さで割ったもの)が1.0以下の路地的様相を持っています。D/Hが1をきると一般に「囲まれた」という印象が強くなりますが、銀座の場合道がクランクしていることで正面にも建物が見えます。そこことがさらに囲まれたという印象を強めています。
こういう路地的な道は日本だけでなく世界中にあると思います。
例えばイタリアシエナ。D/Hは0.5をきっているでしょう。しかも正面に建物が見えます。
南欧だけでなくストックホルムのような北の町にもあります。
しかし、印象がまるで違うのは、銀座で見える要素の数の多さでしょう。建物の輪郭線や建物の立面はほとんど見えていません。立面を構成するのは、商品と看板と電柱などといっても良いでしょう。
アジア都市に共通する特徴かもしれません。私たちが、まちなみ景観を論じる場合、ついついこの現実(商品や非建築の付属的要素が景観の主要構成物であること)を忘れてしまいがちです。ヨーロッパ的な壁ではなく日本の都市のとらえどころのない複雑な表層を考えていく必要があるのでしょう。私たちが歴史的につくってきた現実を是とするところから景観の議論を始めないといけない、遅ればせながらそんなことを思っています。