小仏峠へと至る裏高尾の道を途中日影沢分岐を過ぎたあたりで右に折れる。その先は小下沢(こげさわ)へと続く道になる。小仏や日影沢の林道と違ってハイカーの数が少ないのが良い。花や鳥の声を聴きながら静かな林道歩きを楽しむことができる。早春のアズマイチゲやハナネコノメに会いたくてここ数年何度も通い続けている場所だが、秋にはまだ一度も来たことがない。今日はいったいどんな花に会えるのだろうか楽しみだ。
車も通れる林道なのだが、すぐ先は行き止まりなので車を見かけることはほとんどない。
ハグロソウがまだたくさん咲いていた。
何とかミズヒキの花の紅白を撮れた。思ったより蕊が長いのだ。
ノブキも多く咲いていた。ノブキの名は葉が蕗の葉に似ていることから。
ミズヒキとノブキのコラボレーション。ちょっと戯れにダンスをしているようだ。
他にはレモンエゴマやフジカンゾウが目につく。
大きな草に絡まっているのはヤブマメ
ツユクサも随分と花期が長い花だ。
これもゲンノショウコのツーショット。
日当たりのよい林道ではないのでツルボはこの株だけ。
沢沿いに目立つのはミゾソバとツリフネソウ
カラスノゴマは珍しいシナノキ科の花。同じ科にはボダイジュやモロヘイヤなどがある。
道端に何気なく咲いているのだが、下向きに咲く姿が何とも愛らしい。
奥の方まで歩いてきたら、だんだんとキバナアキギリが目立ってきた。
左はキンミズヒキとわかるのだが、右の花はさて何の花だろう。アキノタムラソウに似ているが……。
トウダイグサの仲間
30分ほどで景信山の登山口となっている野営場に着いた。
この右手を登っていく。少し登っただけで山の植物へと植相が変わっていく。
ヤマホトトギスそれともヤマジノホトトギス。ネットで探していたら、こんなサイトがありました。
それにしても花の同定は奥が深い。
ジャコウソウはしそ科の仲間、これにもよく似たタニジャコウソウという花がある。
大きく巻いて小沢に別れを告げる。のぼりが急になってきた。オオバショウマはキンポウゲ科の花で蕗のような大きな葉が特徴の花。
ツルリンドウはリンドウ科の中では地味な方で、花よりも真っ赤な実の方がよく目立つ。
登りの途中でよく目立ったのはシモバシラの花。こんなにたくさん群生しているなんて、今度は厳冬期に冬のシモバシラを見に来ることにしよう。
こちらの方の花はアキノタムラソウで良いだろう
この花の同定も私にはちょっと荷が重そうだ。ヒメジソそれともイヌコウジュそれともヤマジソ。うーんわからない。
花の同定に頭を悩ませながら登ってきたら、視界が急に開けた。もう頂上についてしまったようだ。
ヤマハギが風に揺れている。
今日は休日ではないので頂上の売店は休業。
シラヤマギクやノダケが秋日を浴びて心地良さ気に咲いている。
遥か遠方に都心が望める。よく見るとひときわ細長く高いスカイツリーも見えた。
ちょうどお昼時、ここの隅っこでお昼を頂くことにしよう。目の前にはススキと秋の草花の控えめなお花畑。残り少ない今年の花蜜を争って蝶たちが忙しげだ。
セセリチョウとキアゲハ
アカトンボもいる。いずれもこの秋で命を終える者たちが今このひと時を精一杯生きている。
この後は白沢峠、堂所山と巡って、開場峠へと下り小下沢まで戻った。いい低山歩きだった。
この辺で。