野に撃沈2

多摩地区在住の中年日帰り放浪者。(k10D→k7→k30→)k‐5Ⅱsを忍ばせ、人気のない野山や公園、路地裏を彷徨い歩く

ウワミズザクラ緑色幻夢

2011-05-02 | 野の花

  

 ウワミズザクラ(上溝桜)は谷合や沢の近くに自生し、ソメイヨシノが散ってしまった後に咲き始める。樹高は10m~15mと結構高いので山歩きの時などは気づかず通り過ぎてしまうことが多い。私の場合は山道に散り落ちた花穂で、上を見上げて、初めてああ咲いていたのかと知ることが殆どだ。

 

 

 

 私はこの木の名を初めウワズミザクラと間違って覚えていた。がそういう間違いは私だけで無いようで、他でも見かけることがあった。別名にハハカ(波々迦)というのがあるが、その謂われはここに。他にはコンゴウザクラなど。尚、日光山輪王寺内にある金剛桜は別種でヤマザクラの系統。

 

 

 初めて存在を知ったのは八王子高尾にある森林科学園でだった。その時はこれが桜かと驚いたものだ。その後、どうしてそれまで見つけられなかったのか不思議な位、春先の山歩きのたびに何度も出会った。良くあることだが、出会って初めて人はその存在に気付き、そしてそれが案外至る所にあったことを知るようだ。

 

  背の高い木なのでいつもは花の撮影に苦労するのだが、この時は嬉しいことに3、4mぐらいの手ごろな高さの木に出会えた。花の時期も折よく、ちょうど最盛期を迎えていて見事だった。

 

 

 

 

 何時の日か、食用にされるという花穂や未熟果、そして熟した実のジャムを食べてみたいものだ。どんな味がするのだろう。

 

 岡本かの子の歌に、「桜ばな いのち一ぱい 咲くからに 命をかけて われ眺めたり」というのがあった。 花を眺めるということを、花と我との二つの命の対峙と捉えたのだろうか。

 

 この辺で。