野に撃沈2

多摩地区在住の中年日帰り放浪者。(k10D→k7→k30→)k‐5Ⅱsを忍ばせ、人気のない野山や公園、路地裏を彷徨い歩く

多摩森林科学園を歩く

2011-04-27 | 植物園

 気持ちが良く晴れ渡った春の日、高尾の多摩森林科学園を訪ねた。風もなく、九時を回ったばかりだというのに日差しが暑く感じるほどだ。高尾駅の反対側の駐車場に車を止め(30分100円、最大800円と付近では一番安い)、園までは徒歩で20分ほど。開園まだ間もないため、人出はまだそれほど多くはない。

 

桜保存園までの通路、幾種類かの野草を見ることができた。左上からヤマルリソウ、ケキツネノボタン、クサイチゴ、ルイヨウボタン。ニリンソウやカタクリはもう終わりかけだった。

 

 ジロボウエンゴサクとキランソウ

 

 

 ここでは殆どの桜に品種名が付されているのが嬉しい。

 楊貴妃。サトザクラの仲間で、花は淡紅色の八重咲きで品種名のように透き通るピンクが美しい。

 

 緑色の桜で有名な御衣黄(ぎょいこう)。まだ咲き始めたばかりでま緑色を濃く残しているのが良い。

 

 真っ白な花弁が花吹雪をみせていた有明

 

 重たげな花弁を枝先にぶら下げている関山は八重桜の代表格

 

 気多の白菊桜。白咲きの菊桜は珍しいそうだ。背の高い桜で花の様子が分からない。

 

糸括。花が束状に下向くに咲くことから名付けられた、可憐な桜。

 

  

 新緑も美しかった。

 

 松月。大輪ピンク咲きの里桜の仲間。

 

 普賢象は里桜の代表品種。

 

 

 透き通るような花びらを持つ福禄寿

 

 赤い葉で八重咲きの湯村は臈たけた貴婦人を思わせる

 

 

 千里香、鼻孔を近づけて思いっきり匂ったのだが、思ったより香りは強くない様だ。

 

 高台寺。京都東山にある秀吉とねねの寺として名高い寺が由来。

 

 御車返し。この写真では分からないが一枝の中に八重と一重の花が混じって咲くのだという。謂われは、昔車上の人が一重か八重か言い争って車を引き返したことがあった事による。

 

 太い枝が特徴の市原虎の尾

 

 衣笠。京都平野神社衣笠山近くで栽培された品種

 

 

 

 緑桜、蕊を覗くと緑色の額が星形に見える。

 

 

一番の高台まで登ってきた。手前の高いビルの左手にぼんやりとスカイツリーが写っているが見えるだろうか。

 

 衣通姫と書いてそとおりひめと読む。記紀に絶世の美女と伝承される人物で、絶世の美女だったため、その美しさが衣を通してなお輝いたことから。

 

 琴平

 

 白山大手毬

 

 万里香。こちらは千里香と違って、非常にかぐわしい匂いを放っていた。

 

 渦桜、花びらに皺が寄っていて、渦のように見えることから

 

 三ケ日桜。白色の八重桜で中央がピンクに染まる。静岡の奥浜名湖の三ケ日町が起源。散り際を愛でる桜だという。

 

 天の川。枝がホウキモモのように天に向かって突き刺すように伸びる。

 

片岡桜。長野県塩尻市片岡の山地に自生していた。

 

手弱女は花の色形が見るからにそう思わせる、秀逸なネーミングだ。

 

 帆立、蕊のひとつが花びらに変化して、恰も帆をたてているかのようにみえるところからつけられた、仄かに香る。

 

 

 

 

 晩春の心地よい風に吹かれて、花吹雪の中を歩くことができた。今日も良い一日だった。

尚、桜に関する記述はこのはなさくや図鑑~美しい日本の桜を参考にした。