2/9(金) 14:34配信
ジャンプ一発、駆け引き白熱…平昌五輪、新種目ゾクゾク
ジャンプ一発で勝負が決まる「ビッグエア」、駆け引きが命の「マススタート」……。平昌五輪では、8日に競技が始まったカーリングの混合ダブルスを含む4競技で六つの種目が採用された。日本勢のメダルが期待できる種目がある一方で、海外の有力選手から「興味がない」といわれる種目も。若い世代へのファン層拡大を掲げる国際オリンピック委員会(IOC)の狙いは浸透するか。
■マススタート、日本はメダル有力視
日本のメダル獲得が有力視されるのが、スピードスケートの女子マススタートだ。
2人1組で滑る通常の種目と違い、大勢の選手が一斉にスタートし、リンクを16周滑る。4周ごとの通過順位と、ゴール時の順位に応じて与えられる得点の合計で順位が決まる。接触や転倒もあるため、「何があるかわからないというドキドキ感があり、駆け引きがすごく大事になる」と日本スケート連盟の担当者は話す。
昨年11月のワールドカップ(W杯)で佐藤綾乃(高崎健康福祉大)が優勝。12月のW杯は高木菜那(日本電産サンキョー)が3位に入った。各国・地域から2人が出場できるため、1人が風よけになったり、おとりになったりして、もう1人を勝たせるなど作戦が重要だ。メダルは個人に与えられるが、高木菜は「これはチーム種目。1人では勝てない」という。
■ビッグエア、ショー的要素
ドキドキ感でいえば、スノーボードの新種目「ビッグエア」も負けていない。
若者の五輪離れを懸念するIOCが近年採用を増やしている賞金大会「Xゲームズ」の種目の一つ。ノルディックスキーのジャンプ台を一回り小さくしたような高さ30~40メートルの台から飛び、空中で見せる回転技の難易度や完成度で争う。金メダル候補の鬼塚雅(星野リゾート)は「ハーフパイプと違ってジャンプを一つ見せるだけ。その技がすごいかどうか。スノーボードを知らない人でも楽しめる」。ショーとしての要素も強い。一発勝負だけに、技の出来次第で大きく順位も変わる。
■アルペン混合団体、一部に冷ややかな目
一方で、男女4人で争うアルペンスキーの混合団体には、海外の選手から否定的な声も出ている。
AFP通信によると、2014年ソチ五輪のアルペン男子大回転金メダリストのテッド・リゲティ(米)は「優先するのはやはり個人種目だ」とコメント。団体戦については「五輪のメダルは五輪のメダルだが、団体種目は個人種目の(価値の)8分の1にもなるとは思えない」。他の有力選手も「テレビや観客にとってはいいかもしれないが、個人種目のほうが好きだ」と冷ややかだという。
■今回除外された種目も
逆にソチ五輪で導入されたスノーボードのパラレル回転は、ビッグエアの選手数を確保するため今大会は除外。マトリョーシカの障害物を飛び越えて話題になったソチの新種目・スノーボードのスロープスタイルでは、ジャンプ台の飛び出し角度がきつすぎて危険だという指摘もあった。新たな6種目は、どこまで受け入れられるのか。(照屋健)
■平昌五輪で採用された4競技6種目
・スノーボード男女ビッグエア 男子21、24日、女子19、23日
→スキーのジャンプ台を一回り小さくしたような台から飛び、空中で見せる回転技の完成度などを競う
・アルペンスキー混合団体 24日
→大回転コースを使用。男女2人ずつ計4人でチームを作って1対1で滑り、合計得点を競う
・スピードスケート男女マススタート 24日
→全員一斉にスタートし、リンクを16周。4周ごとの通過順位と、ゴール時の順位に応じた得点の合計で争う
・カーリング混合ダブルス 8~13日
→男女2人1組のチーム戦。定位置に二つの石を置いた状態で試合開始。石を投げた人も氷を掃く
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