(太陽をしっかりと直接観測)

☀ Space Scoopから…
ユニバース・アウェアネスは、世界のこどもたちに宇宙の広さや天体の美しさを感じてもらうために、教材やニュースの配信を行っているサイトです。ユニバース・アウェアネスのコンテンツ「スペーススクープ」の記事は、本記事をキッズ向けに再構成して公開しています。
① ""小さなばく発の強力パンチ、ナノフレア""
18 January 2019
地球には、太陽のいくつかの深さから光が届いています。それぞれの深さでちがうことが起こっていて、温度もちがいます。例えば、私たちに見える光の大部分は、温度が約6000度の太陽の表面から届いています。
しかし、その外側の見えないところで、もっといろんなことが起こっています。X線(エックスせん)で太陽を観測すると、一番高温でわくわくするできごとが見えます。太陽フレアについて聞いたことがあるかもしれませんが、ナノフレアということばを知っていますか?
ナノフレアは小さいけれど強力なばく発で、常に太陽を取り囲む「ガスの毛布(大気のこと)」で起こっています。
ばく発により、小さな「つぶ」が太陽の表面からものすごい速さで宇宙空間へ飛び出します。ある科学者の話では、この「つぶ」が、太陽の大気を100万度まで熱っしている犯人なんだそうです!
このナノフレアを調べるためには、X線写真をとる必要があります。そのため世界中の科学者は、最高のX線カメラを作ろうとがんばってきました。その結果できたのが、フォクシー(FOXSI)という観測ロケットです。小さいけどこれがすごいんです。
フォクシーは地球の大気の外に打ち上げられ、地上に落ちてくる前に宇宙をちょこっと観測するように作られています。
昨年、この小さなロケットは地上300キロメートルまで打ち上がり、6分間、太陽をしっかりと直接観測しました。そしてフォクシーは、今までで一番せん明な、太陽の熱い熱いコロナの写真をとりました。この写真もそのひとつです!
科学者は今、とったばかりのそんなX線写真が、ナノフレア探しにどのように役立つか、確認しているところです。
☀ 知っ得ダネ
「ナノ」は「とても小さい」という意味です。ナノフレアはふつうの太陽フレアより小さくても、TNT火薬の2億4000万トン分のエネルギーを発生します。これは1万個の原子ばくだんが、一度にばく発するようなものです!
※ 太陽フレアは巨大なので、ナノと言ってもかなり大きいと思います。是非とも実際の
大きさを知りたいです。ざっとサーチしましたが、太陽フレアの項目はあったのですが
ナノフレアは探し出せませんでした。

(太陽フレア。見やすくするために、太陽の球状の箇所は黒く加工し、周縁部分だけが写されている。)

★ 太陽フレア(たいようフレア、Solar flare)とは太陽における爆発現象。別名・太陽面爆発[1]。
太陽系で最大の爆発現象で、小規模なものは1日3回ほど起きている[2]。多数の波長域の電磁波の増加によって観測される。特に大きな太陽フレアは白色光でも観測されることがあり、白色光フレアと呼ぶ。太陽の活動が活発なときに太陽黒点の付近で発生する事が多く、こうした領域を太陽活動領域と呼ぶ。太陽フレアの初めての観測は、1859年にイギリスの天文学者、リチャード・キャリントンによって行われた(1859年の太陽嵐)。
「フレア」とは火炎(燃え上がり)のことであるが、天文学領域では恒星に発生する巨大な爆発現象を指している。現在では太陽以外の様々な天体でも観測されている[3]。
アメリカ航空宇宙局(NASA)によると、2012年7月には巨大な太陽フレアが地球をかすめた[4][5] 。次の10年間に同程度のフレアが実際に地球を襲う確率は12%であると推定される[4]。
★ 概要[編集]
フレアの大きさは通常1~10万km程度であり、威力は水素爆弾10万~1億個と同等である[6]。100万度のコロナプラズマは数千万度にまで加熱され、多量の非熱的粒子(10keV-1MeVの電子や10MeV-1GeVの陽子)が加速される。同時に衝撃波やプラズマ噴出が発生し、時おりそれらは地球に接近して、突然の磁気嵐を起こす[7]。
フレアの発生機構については、太陽活動領域中に蓄えられた磁気エネルギーが、磁気再結合によって熱エネルギーや運動エネルギーに変換されるという説が有力である。このフレア発生の際には太陽表面に2種類の特殊な磁場構造が生じていることが地球シミュレータによる詳細な計シミュレーションと太陽観測衛星ひので (人工衛星)による観測データの精密解析で明らかとなった[8]。また、全てのフレアを説明するモデルとして、京都大学教授柴田一成の「フレアの統一モデル」[9][10]がある。
フレアが発生すると、多くのX線、ガンマ線、高エネルギー荷電粒子が発生し、太陽表面では速度1000km/s程度で伝播距離50万kmにも及ぶ衝撃波が生じる事もある[11]。 またフレアに伴い、太陽コロナ中の物質が惑星間空間に放出される(コロナル・マス・エジェクション (CME))ことが多い。高エネルギー荷電粒子が地球に到達すると、デリンジャー現象、磁気嵐、オーロラ発生の要因となる。2003年は、大規模なフレアが頻発し、デリンジャー現象により、地球上の衛星、無線通信に多くの悪影響を与えた。また地球磁気圏外では、フレア時のX線、ガンマ線による被曝により、人の致死量を超えることもある。
フレアの活動は、太陽活動周期や黒点の蝶形図(コロナの蝶形図)によって、関係付けを説明されることもしばしばある。
フレア時の高エネルギー荷電粒子の地球への到達、あるいは、フレアの発生そのものを観測・予報することは 🌀 宇宙天気予報と呼ばれ、太陽研究者にとって重要課題となっている。
🌀 また、新しい分野が誕生しています。