自選
「食べもの歌」五首
011:除
外灯はようやくともりシチューから除かれるべき月桂樹の葉
015:アジア
グルタミンソーダ無辺の風に乗り産着に積もる われはアジアン
(産着=うぶぎ)
079:児
嬰児よ 母の臼歯はいま鯵の眼球部分をすりつぶしている
081:嵐
キッチンは嵐の中で暮れなずみ青いボウルにたゆたうトマト
087:天使
今ここに天使が座っていたよってまるまるふとる畑のキャベツ
【五首についての感想】
別コーナーで「斎藤茂吉料理歌集」なるものを(のんびりと)更新している最中なので、自分の五首選も、料理に関するものを拾ってみました。
わあ、おいしそう!…っていう歌は、あんまりないですね。
食べるとは他を殺すことであり、他を殺すことによってのみ人は生きられる。これを「業」(ごう)と言う。短歌とはすなわちその業を歌うものゆえ、味覚などという下劣な感覚は入る余地がないのだ。
というのはすべて真っ赤な嘘で、おいしそうに歌いたかったのに、なぜかこんな歌になっちゃったんですう。
こんなに食べることが好きなのに。謎だ。
【全体についての感想】
今年は、途中で「ぬけた」気分を味わいました。
「飛び抜けた」とか「いーちぬーけた!」
の「ぬけた」ではなく、ずぶずぶにはまっていた泥から足が不意にすっぽ抜けたような、そんな気分です。
そうなったからといって、歌を作るときの苦労や、歌の出来が変わった訳じゃないんですが、なんかひとつ楽になったと言うか。
開き直った、でもいいんですが、気分としては「ぬけた」がふさわしいようです。
すごく抽象的で、申し訳ありませんが。
どこで「ぬけた」のか、具体的な箇所も指定できますが、恥ずかしいから言いません。
「食べもの歌」五首
011:除
外灯はようやくともりシチューから除かれるべき月桂樹の葉
015:アジア
グルタミンソーダ無辺の風に乗り産着に積もる われはアジアン
(産着=うぶぎ)
079:児
嬰児よ 母の臼歯はいま鯵の眼球部分をすりつぶしている
081:嵐
キッチンは嵐の中で暮れなずみ青いボウルにたゆたうトマト
087:天使
今ここに天使が座っていたよってまるまるふとる畑のキャベツ
【五首についての感想】
別コーナーで「斎藤茂吉料理歌集」なるものを(のんびりと)更新している最中なので、自分の五首選も、料理に関するものを拾ってみました。
わあ、おいしそう!…っていう歌は、あんまりないですね。
食べるとは他を殺すことであり、他を殺すことによってのみ人は生きられる。これを「業」(ごう)と言う。短歌とはすなわちその業を歌うものゆえ、味覚などという下劣な感覚は入る余地がないのだ。
というのはすべて真っ赤な嘘で、おいしそうに歌いたかったのに、なぜかこんな歌になっちゃったんですう。
こんなに食べることが好きなのに。謎だ。
【全体についての感想】
今年は、途中で「ぬけた」気分を味わいました。
「飛び抜けた」とか「いーちぬーけた!」
の「ぬけた」ではなく、ずぶずぶにはまっていた泥から足が不意にすっぽ抜けたような、そんな気分です。
そうなったからといって、歌を作るときの苦労や、歌の出来が変わった訳じゃないんですが、なんかひとつ楽になったと言うか。
開き直った、でもいいんですが、気分としては「ぬけた」がふさわしいようです。
すごく抽象的で、申し訳ありませんが。
どこで「ぬけた」のか、具体的な箇所も指定できますが、恥ずかしいから言いません。