はいほー通信 短歌編

主に「題詠100首」参加を中心に、管理人中村が詠んだ短歌を掲載していきます。

一日一首

2012年08月17日 20時40分26秒 | 日詠短歌

2012/7/16(月)
   久しぶりに見た富士にはまだ雪があった。

 「戦ぐ」との文字のきつさに田はゆれて丹沢山塊くらぐらと風


7/17(火)
   強風、蒼天。太陽が痛い。

 遮ってしまえばそりゃあ刻まれる光は常に物体として


7/18(水)
   梅雨明けの爽快さは、むろん、無い。

 いずれは脛から腰へ満ちてくる廃油か、ならばここなのだろう


7/19(木)
   予想より涼しかった、のは体調のせいもあるか。

 夕立に朽ち木を抱いて沼の辺の浜昼顔はたわむことなく


7/20(金)
   鼻風邪程度にとどめたい。

 濡らされて夏は風邪のオトシブミ噛み千切られる葉脈ほそく
  (風邪=ふうじゃ)


7/21(土)
   白玉かなにぞと人の問ひし時露とこたへて消えなましものを
     (伊勢物語 第六段)

 肌寒の今日は文月ふみのつき波紋に消してミルクは鉢に


7/22(日)
   長袖が恋しいのも、今日までらしい。

 花の色はひかりの度に名を増やし〈自由〉なんだね〈選ぶ〉ってことは