はいほー通信 短歌編

主に「題詠100首」参加を中心に、管理人中村が詠んだ短歌を掲載していきます。

「五首選会参加(見本を兼ねて)」

2011年12月02日 20時01分25秒 | イベント

自選
震災詠五首


026:震
 亡霊のごとくおぼろに富士は浮き気怠く震う市役所の旗

044:護
 原子力発電護歌の渦巻ける近き未来を夢想したりき

060:直
 がんばれって言ってたじゃない 
 五か月も直されといて 
 いまさらこんな

062:墓
 生まれないごきぶりたちと 
 墓の無い肉牛達が 
 背を預け合う

091:債
 まだ色の見えない骨へ 
 債を積むように置かれる 
 白菊の茎



震災の歌は歌うまいと決めていました。いや、俺には歌えないだろうと諦めていました。
でも、100首を改めて読み返すとちょうど五首、あの一連の出来事を題材に詠んだ歌がありました。
無意識に触れた歌を挙げると、もっと多いのかもしれない。

これのどこが、と思われるかもしれません。
ふざけてる、と思われるかもしれません。
しかし間違いなくこの五首は、中村成志が意識的に歌っていた東日本大震災詠です。好むと好まざるとにかかわらず。