はいほー通信 短歌編

主に「題詠100首」参加を中心に、管理人中村が詠んだ短歌を掲載していきます。

心に残った言葉

2010年01月10日 20時52分46秒 | インターミッション(論文等)

『短詩型文学論』岡井隆 昭和38年紀伊国屋書店刊(金子兜太と共著)

 散文体にあっては、叙述の目的が韻律美の創造ではないために、不規則な母音順列にしかすぎないものを、短歌において、あきらかに美感を伴う母音律にまでたかめるもの、それが短歌定型の組織力である。
 たんに論理的であるにすぎぬ意味展開を「意味のリズム」にまで、たんに同音量の五回反復にすぎぬものを「句わけのリズム」にまで、たんに視覚上の変転推移にすぎぬものを「視覚のリズム」にまで、たかめ、鍛え、まとめあげるはたらき、それが短歌における定型の機能である。

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 『現代短歌史Ⅲ 六〇年代の選択』(篠 弘著 短歌研究社刊)から孫引き。
 最近、「調べ」「韻律」「リズム」について興味がある。
 そんな時に出会った言葉。
 今さら過ぎるが、岡井隆はすごい。