はいほー通信 短歌編

主に「題詠100首」参加を中心に、管理人中村が詠んだ短歌を掲載していきます。

鑑賞サイト2008(017:頭)

2008年08月27日 19時01分55秒 | 題詠100首 鑑賞サイト
ほらここが頭蓋骨よ、となぞらせる 教わるために指先はある
                末松さくや(旅人の空(待ち人の雪別館)

官能的な歌です。
頭蓋骨に触られるのではなく、(おそらく)相手の手を掴んで自分の頭まで持って行き「なぞらせる」。
そして、「ここが」と断っているところから、なぞらせるのは「頭蓋骨」だけではないかもしれません。
下句は、なぞらされた相手が言ったのではなく、主体自身の台詞でしょう。
「指先って、なんのためにあると思う?」と。
読点と一字空けに、意味深な艶めかしさがあります。

鑑賞サイト2008(016:%)

2008年08月27日 18時56分24秒 | 題詠100首 鑑賞サイト
「%」並べて天気予報図がウルトラの星めく日曜日
             ひぐらしひなつ(エデンの廃園)

「%」がウルトラマンの顔に似ている、という意味の歌は、投稿歌にもいくつかありました。
このお歌はそれと同時に、日本地図を囲むように浮かんだ「%」のマークが光のキラキラに見え、そこから「ウルトラの星」(=光の国)を連想したのでしょう。
毎日の天気予報も、こんな風に想像を働かすだけで楽しく見られる。
クスリと笑う主体の笑みが見えるようです。
結句の「日曜日」は、もう少し動かすことができるかな、と個人的には思いました。