腕時計修理専門店・トゥールビヨン店主のブログです
腕時計の修理の詳細や腕時計のトリビア、店主の個人的な趣味の話などを気の向くままに書いております。
 



今日は大阪市内も雪がチラホラ降っております。寒いですね。

寒いので思考回路が温まってないのか、今日のブログの良いネタが浮かびません。
で、店主が台湾にいた頃の心に残るお話を一席。


当時学生だった私、住んでいたのが“国際青年活動中心”という留学生や短期・長期旅行者の多く住む寮(ユースホステル)のような所でした。立派な12階建ての建物で、世界各国の人が住んでいました。今はこの建物は取り壊されたらしいです。
もちろん日本からも大勢の留学生、旅行者も利用していました。必然的に交流を持つようになって、現在あれから20年ほど経ちますが、時々メールや電話等で連絡を取り合っています。
そんな友人の中に、京都出身の石黒さん(あえて実名で)という方がいました。仏教系の大学を出られて、台湾へは大学院に通っていらっしゃいました。私よりも4つか5つ年上だったと思います。
悩み多き青春時代を過ごす男女が多かった当時、石黒さんは人生相談から恋の悩みまで色々相談に乗ってくれました。
そんな石黒さんを我々日本人グループの中では、親しみと敬意を込めて“お坊さん”というあだ名で呼んでいました。

私が台湾に住み始めて数年後、台北市内の繁華街に日本の百貨店“そごう”が進出してきました。なにより嬉しかったのは紀伊国屋書店が入っていたことと、地下の食堂街に日本料理のファーストフード店(うどん、ラーメン屋等)が入ったことです。
グランドオープンの時などは、台湾中の人が集まったのではないかと思うほど凄い人で、店内はごったがえしました。
我々のグループも久々の日本の百貨店ということもあって、5~6人で出かけました。各階を見て回って、地下の食堂でなんとも微妙なうどんを食し、さて帰ろうということになったのですが、石黒さんが見当たりません。どうやらはぐれてしまったようです。一階の入り口付近で暫く待ちましたが、何しろ凄い人なので見つけるのは困難でした。
そこでインフィメーションで呼び出してもらおうと、受付へ行きました。受付カウンターには台湾の女性が数人立っていました。
「あの~、すみません、友人とはぐれたんですが、呼び出してもらえますか?」と、あえて日本語で尋ねると、やはり“そごう”の案内係に抜擢されるくらい優秀なのでしょう、シッカリした日本語で
「ご友人のお名前は?」と聞かれました。

待つこと数十秒、“そごう”百貨店全フロアーの館内放送で



ピンポンパンポン♪
「台北市からお越しの“お坊さま”、ご友人が一階入り口付近でお待ちです」
ピンポンパンポン♪


その数十秒後、恥ずかしそうに顔を真っ赤にして小走りに走ってくる石黒さんの顔を今でも時々思い出す腕時計修理専門店トゥールビヨン店主。
腕時計とは全く関係ない話で申し訳ございませんが、たまにはいいでしょう。


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