アメリカ大統領選挙の候補者、ヒラリー・クリントン氏とドナルド・トランプ氏の3回にわたるテレビ討論が終わり、11月8日の投票に向けて最終段階に入ってきた。
3回の討論では、互いに青少年には教育上芳しくない程度の低い内容に終始したが、それでもどちらが勝ったか判定するとクリントン氏が3回すべてを制したようだ。
ただ、政策論議にはほど遠く、両大統領候補が大統領になったら何をやるのかは、最後まで国民には届かなかったようだ。
両候補に対する国民の印象は、依然として悪いイメージの方が強く、史上まれにみる嫌われ者同士の選挙戦になるようで、有権者もさぞかし張り合いがないのではなかろうか。
そんな中でも、現段階ではクリントン候補が6ポイントほどリードしているとのことだ。従ってこのままいけばアメリカに初の女性大統領が誕生しそうだ。
言うまでもなく、アメリカの大統領は世界をリードする立場にならざるを得ず、クリントン氏の場合はオバマ政権の国務長官を務めているので、無難と言えば無難だが、大統領と国務長官では責任の度合いがまったく違い、選挙戦ではTPPに反対するなど、内向きな姿勢を見せているクリントン氏がどのような力をみせるか。
可能性は低いが、若しトランプ氏が大統領になった場合は、国際政治までも混乱することは想像に難くない。
ただ、優勢が伝えられるクリントン氏の懸念材料は、有権者が同氏の優勢の予想に安心して棄権すること、トランプ氏を正面的には支持する姿勢を見せないが、選挙になって投票に回るかくれトランプ支持の人が多く出ることだという。「関連:10月3日」