正さん日記

世の中思いにつれて

フィリピン、アメリカと決別し、中国から多額の経済支援

2016-10-21 09:52:06 | 世界

 破天荒な言動と、覚せい剤取り締まりで容疑者を、裁判を通さず殺害を厭わないフィリッピンのロドリゴ・ドゥテルテ大統領が同盟関係にあるアメリカと決別、中国との関係改善に向け大きく舵を切った。

 ドゥテルテ大統領は現在4日間の日程で中国を訪問しており、北京在住のフィリピン人らを前にスピーチを行い、「アメリカとは長い間同盟を組んできたが得るものはほとんどなかった」と主張。「お前らは自分の利益のためにフィリピンにいる。友人よ、さよならを言う時が来た」とまるでアメリカに向けて演説するように語ったという。

 20日には、ドゥテルテ大統領と中国の習近平国家主席が会談、中国はフィリピンに対し1兆円を超す経済支援を約束、ドゥテルテ大統領は中国と係争状態になっている南シナ海領有権問題については、まったく触れなかったようだ。

 これまで、アメリカと同盟関係にある国が、離反を露わにしたことはほとんどなく、また、フィリピンの告訴により国際裁判で南シナ海上の岩礁を埋め立てた中国の行為は違法と判断されたことに対し、当事者のフィリピンが目をつぶった形になったことは極めて異例な事態と言える。

 今回のドゥテルテ大統領の行動は、当然、アメリカのアジア戦略に大きな影響をもたらし、南シナ海問題について国際的批判を免れたい中国に対しては大きな支援となる。

 フィリピンの変節はドゥテルテ大統領の特有のものなのか、今後、大統領が代わっても続くものなのかは分からないが、今まで、フィリピン同様アメリカとの同盟関係に最大限の重点を置いている日本にとっては、今後なにがしかの影響が出てくる可能性がある。

 来週、ドゥテルテ大統領は来日し、安倍晋三首相と首脳会談を行うことになっているが、アメリカ以上に南シナ海問題で国際的に発言している安倍首相が、オバマ大統領を「売春婦の息子」呼ばわりしている破天荒なドゥテルテ大統領とどのような形で向き合うのか大いに注目される。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする