任期満了に伴う滋賀県知事選挙が昨日行われ、現嘉田由紀子知事の後継で無所属新人の前民主党衆院議員三日月大造氏(43)が、自民、公明推薦の元経済産業省官僚の小鑓隆史氏(47)、共産推薦の共産党県常任委員の坪田五久男氏(55)の無所属新人2人を破り、初当選した。
安倍晋三内閣が、集団的自衛権行使容認を閣議決定した後、間もない、初の大型選挙で注目され、自民、公明、民主各党の大物議員も応援に駆け付け、投票日まで激戦となった。そんな中で、与党推薦候補が敗北したことは、今後の政権運営に少なからず影響をもたらすことは間違いない。
集団的自衛権もそうだが、特に、原子力発電について、三日月氏は最終的には稼働停止を唱えている。隣県福井には、敦賀、大飯原発など4原発があるだけに、原発に否定的な知事誕生は、原発温存と海外輸出を狙う安倍政権にとっても、ゆるがせにできない事態だ。
また、今後、原発が最大論点になる福島県、基地問題が最大の争点になる沖縄県知事選挙を今年中に控え、安倍政権にとっては、今回の敗北は痛いことは間違いない。
その上、今回の敗因には、石原伸晃環境相の金目発言や、国会、東京都議会における自民党議員の女性に対するセクハラヤジ問題など、石破茂幹事長も言っているように、政府自民党のおごりが、選挙結果に影響したことは否めず、今まで順調満帆だった安倍・自公政権のほころびが切れてきた証かもしれない。
今日は衆議院、明日は参議院で、集団的自衛権行使容認の閣議決定に対する集中審議が行われているが、議論を聞いていても、政府の答弁に相当無理がある。しかし、安倍内閣の支持率はやや減少したが、それでも自民党支持率と併せ、まだまだ高水準に高止まりしている。
ただ、今度の滋賀県知事の敗北が、政府・自民党の後退の前ぶれになる可能性も否定できない。