◎首の激痛が治る、びっくり脳トレ
首の痛みの解消法について紹介する。
「私のクリニックには、病院に行って薬を飲んでも首の痛みが治らない。ストレッチやマッサージをしても痛みがぶり返すと訴える患者さんがいらっしゃいます。そうした方々には、脳トレを試してみるように勧めています」
こう語るのは、整形外科医でフェリシティークリニック名古屋院長の河合隆志氏だ。
首の激痛が脳トレで治る――。
意外に思う読者が多いかもしれないが、これにはちゃんと医学的な理由がある。河合氏は、椎間板や骨などに損傷がないか調べることは必要と前置きした上で、次のように解説する。
「痛みはすべて脳で認識しています。肉体的に損傷がないのに痛みを感じるのは、脳に不具合が起きている証拠。より正確に言えば、痛みをやわらげる働きがある側坐核という部位が機能しなくなっているのです。」
脳科学者の塩田久嗣氏が具体的な例を挙げる。
「見かけた車のナンバーを四則計算で10にするんです。頭の中で足したり引いたり掛けたり割ったりして10になるように計算してください。『1421』だったら1+ (4×2)+1=10になります。数字によっては10にならないこともあるので、1分ほど考えて難しければ別の車を探しましょう。
人名も脳トレに使えます。山中→中山→山田→田村……という塩梅で行う漢字名前しりとりや、江藤、佐藤、加藤、工藤など下の漢字が共通する苗字を可能な限り連想する苗字連想脳トレも簡単にできます」
人名だけではない。イヌ、ネコ、ウマ、クマなどと2文字の動物名を連想し続ける動物の名前脳トレも有効だ。慣れてきたら3文字、4文字と増やしていけばいい。
脳内だけで延々とできるという意味では、自分だけの回文を作るのも立派な脳トレと言える。 「個人的に好きなのはカレー散歩です。街を歩きながら、カレーの匂いがする家を探すんです。嗅覚が過去の家族団欒などを思い出させてくれると、リラックスしてドーパミンが放出、側坐核が活性化されます」(塩田氏)
実は、街中は脳トレがやりやすい。予算を決めて暗算で買い物をする。自分で制限時間を作って、時間内に買い物を終わらせる。早く会計を済ませることを目標にして、並ぶレジの列を決める。
スーパーに行くだけでも、膨大な情報量を取捨選択したり暗算したりできるので、すべて終えたときには達成感を覚えてドーパミンが大量に放出されるはずだ。
声を出して脳を刺激するのも一つの手だ。好きな曲の歌詞を暗記して歌い切るのも良いし、五十音ひとつ飛ばしも有効な手段だ。
「あ・さ・な・ま・ら」と、「あ段」のひらがなをひとつ飛ばしで声にするのだ。慣れてきたら「い段」「う段」と順番に進んでみよう。