龍の声

龍の声は、天の声

「司法取引制度とは?⑭ 」

2014-10-31 09:28:07 | 日本

法制審議会(法務大臣の諮問=相談機関)の「新時代の刑事司法制度特別部会」に法務省が最終案を示した。まだ部会の結論は出ておらず、その後の法改正が国会で認められない限り「案」の段階だが、注目すべきは日本で認められていない司法取引の部分的な導入が明記された点である。

この特別部会は大阪地検特捜部が証拠をでっち上げて起訴された村木厚子さん(無罪)の事件をきっかけに作られた。二度と冤罪(ぬれぎぬ)が起きないようにと取り調べの全面録画・録音(可視化)を取り入れるかどうかが最大の焦点であった。

可視化に否定的な声の代表が「容疑者と取調官の信頼関係が崩れて自白しなくなる」「共犯者について話さなくなる」など。司法取引はこうしたデメリットをカバーするアイデアとして主に捜査機関側が求めてきた。

最終案によると司法取引ができるケースは次の2点である。

1)協議・合意制度
容疑者(起訴=裁判にかける前)や被告(起訴後)が他人の事件で捜査に協力した場合、起訴するかどうかの権限をほぼ独占する検察が見送ったり、求める刑を軽くするなどの計らいをする。被害者感情を考慮して殺人事件は除き、贈収賄(汚職)や談合および薬物や銃器に関わる犯罪に限った。

贈収賄(わいろ罪)や公共事業を高値で落札するため業者同士が調整する談合は、互いに利益があり、かつ密室行われるため口を割りにくい傾向がある。例えば、わいろは贈る側も収める側も犯罪である。より悪質なのは収める側であり、仮に多方面から巨額の金銭を受け取っていたとしたら、司法取引制度があれば贈った側で比較的犯罪色が薄い者が「実は……」と名乗り出てくるかもしれない。薬物や銃器は、背景にあるより悪質な組織犯罪集団ではなく末端の売人などが摘発される場合も多く「巨悪」あぶり出しのためならば大目に見るという意図があるようでである

2)刑事免責制度
自分も関わった他人の犯罪で「他人」の方が圧倒的に悪質だと捜査機関が考えていた場合、検察官が刑事責任を追及しないと約束し、代わりに「他人」が裁かれている裁判で犯罪を証言してもらう制度である

なお自分の犯罪を証明する際に、自ら進んで重要な事実を明かしたら起訴後の求刑で刑を軽くする「刑の減軽制度」は見送られる方向である。

司法取引は罪を認めるかどうかで扱いが異なる制度を持つ、アメリカやイギリスで主に行われており、特にアメリカは大半が司法取引で処理されている。否認して陪審または裁判官による裁判を選ぶ人はごくわずか。陪審は市民から選ばれた12人の全員一致で有罪・無罪を評決し、有罪となると裁判官が罪の重さを決める。司法取引ならばだいたいこれぐらいかと罪(問われない場合も含む)がおおむね早期に事実上決まるのに対し、陪審はどう転ぶかわからない。容疑者はさっさと決着がつき、検察官は検挙率が上がり、裁判所も物凄い数の審理を抱え込まずに済むという、この国ならではの合理性が浸透しているからだろう。自分が疑われている殺人事件でさえ司法取引は当たり前に行われている。日本と同じように組織犯罪摘発に有効というメリットも強調されている。

しかしアメリカを初め、司法取引が抱える問題も多々指摘されているのも事実。最大のポイントは冤罪(ぬれぎぬ)の温床になりかねないという主張である。

法務省案は、アメリカのように対象を広げないで限定的に行うし、協議・合意制度も弁護人(たいてい弁護士が務める)の同意が必要と歯止めはある。しかし認めようとしている2つの司法取引は、ありていにいえば「仲間をチクれ」というもの。捜査機関が狙っている「他人」を有罪に持ち込むため取引を認めれば、起訴を免れたり刑が軽くなるならばありもしない「協力」「証言」をしかねない。弁護人も担当する容疑者や被告の利益になるならば容認する可能性もある。「他人」そのものが実は冤罪であれば、新たなでっち上げ証拠を増やす恐れもある。「協力」「証言」が本当であってもチクッたわけだから報復などの恐れもある。

またどちらの司法取引も自分の罪を認めるのが前提である。起訴を見送られるならば認めてしまえという動機付けになるとすれば「罪に問われない冤罪」というべき事態も予測できる。

そもそも特別部会は冤罪を防ぐための可視化の是非から始まったという経緯を重視すれば、捜査機関に司法取引を認めるのは本末転倒という批判もある。最終案は可視化を裁判員裁判の対象になる重大事件と特捜部など検察の独自捜査に限定していて、全犯罪の2%程度に過ぎない。村木さんが問われた虚偽公文書作成・同行使罪は対象ではなく「協議・合意制度」で認められた贈収賄や談合も同じ。つまり「二度と村木さんのような冤罪を生まないように」の結果とはほど遠い決着のさなか、弾劾されるべき検察に「武器」を与えるのはどう考えてもおかしいと。ちなみに司法取引のあるイギリスは可視化を法制化し、アメリカも今世紀に入って州単位で急速に普及している。

司法取引の有効さを認める人にも部分的な可視化と部分的な司法取引の導入は中途半端とする意見がある。

検察は今でも司法取引そっくりの取り調べをしているではないかとの指摘もある。何しろ起訴するしないの権限の大半を握っていて取り調べの際に「一般論として」罪を認めるか認めないかの違いを話してもう。容疑が明らかでも起訴を見送る起訴猶予処分の権限も検察にある。

そもそも日本で司法取引がなじむかという根本的な問題も。たとえ微罪でも日本人の多くは捜査機関や裁判所に真実の究明を求めている。ヤクを売った売人のせいで身内がボロボロになった被害者家族は、その売人が司法取引に応じて起訴を免れたとしたら「巨悪をあぶり出すためには仕方ない」と納得するか甚だ疑問である。




<了>


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「内閣人事局ってなにか?⑬」

2014-10-31 09:27:15 | 日本

政治家主導で官僚の人事を動かす「内閣人事局」ってなにか?

安倍首相のおひざ元である内閣官房に5月末、「内閣人事局」という新しい組織が誕生する。これは、国の省庁の幹部の人事をまとめて管理する役割を担う。どうして今、このような組織が発足した?

国には、財務省や経済産業省など1府12省ある。内閣人事局では、それぞれの省庁ごとの事務次官や、その下の局長、審議官などの人事を行う。民間企業でいえば、大臣を社長とすると、事務次官は取締役クラス。その下の局長、審議官は役員クラスに該当すると例える人もいる。対象人数は全体で約600人。約56万人の国家公務員を引っ張るリーダーたちである。

この組織の狙いは、官僚の人事を決めるに当たり、首相をはじめとする政治家の関与を今までより強めることである。官僚は、採用の段階から省庁別々に行われているため、どうしても縄張り意識が生まれやすく、「国益よりも省益を優先しているのでは?」という指摘が以前からあった。内閣人事局によって「目指すべきは、ゼッケンを外して国益のために働く官僚」(稲田朋美・公務員制度改革担当大臣)というわけである。

日本では、国のかじ取りは官僚が担い過ぎていて、「政治家がもっと官僚を主導するべきだ」という声も根強くある。組織を操るのは「人事」である。表向きは、今も昔も大臣に人事権はあるが、実は省庁の人事は、官僚たちが決め、それを大臣が追認するのが慣例となっていた。

2001年~2006年で5年半続いた小泉内閣は、長期政権となったため、大臣の在任期間も当然長くなり、政治家の官僚に対する指導力も自然と上がった。だが、その後は首相が毎年のように交代。大臣もころころかわっては力が振るえない。2009年に誕生した民主党政権も「政治主導」をアピールしたが、うまく行かなかった。安倍政権では、厚生労働省の村木厚子事務次官など、これまでの慣例を打ち破る人事を実行したが、例はそう多くはない。

今回、政治家が人事への関与を深められる「しくみ」ができたことは意義がある。内閣人事局は、幹部クラスになれそうな人の情報を各省庁や大臣らから受けたのち、それぞれの人事評価などを勘案しながら、候補者のリストを作成。これを元に、首相や官房長官、大臣らが話し合い、各省庁の人事を決めていくのである。

省庁の内向きな人事を断ち切り、大局的な視点で行動できる省庁幹部を政治家が選ぶしくみをこれから根付かせられるか?政治家を選ぶ国民も、意識を新たにする必要がある。







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「内閣法制局とは?⑫」

2014-10-31 09:26:25 | 日本

内閣法制局とはあまり聞き慣れない名称だが、ここはどのような役割を持った役所なのか?これは一言で言えば、政府見解が憲法に抵触しないようチェックする役所である。

内閣法制局は、政府が国会に法案を提出するにあたり憲法をはじめとする既存の法体系と矛盾がないかを審査するための役所である。また政府の公式見解などが憲法に抵触しないようにチェックするのも重要な仕事になる。内閣法制局のチェックは非常に厳しいことで有名で、ちょっとした矛盾やミスも許されない。このため法案作成を担当する霞ヶ関のキャリア官僚は、法制局のチェックを受ける際には夜も眠れないといわれている。

例えば、集団的自衛権の行使。これを理論武装するために、内閣法制局は様々な法律の知識や過去の政府答弁などを緻密に組み合わせ、現在の政府見解を作り上げた。これに矛盾することなく見直しを実施するためには内閣法制局の役割が重要になってくるというわけである。

内閣法制局がこれほどの力を持っているのは、国会で成立する法案のほとんどが政府提出であり、本来の姿である議員立法がほとんど行われていないという日本独特の事情がある。三権分立を原則とする民主国家においては、本来、法案の作成は国会議員の仕事であり、法律が憲法違反かどうかを判断するのは裁判所の役割である。

内閣法制局という行政府の一組織が、実質的に日本の憲法解釈や法案の審査機能を担っているという状況は、三権分立が軽視され、官僚主導政治となっている日本の未熟さの象徴であると指摘する声もある。







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「政党交付金とは?⑪」

2014-10-31 09:25:30 | 日本

政党助成制度のあらましや交付金の使途を学ぶ。


◎政党交付金とは、
政党助成制度に基づいて国から政党に配られる交付金で、年4回に分けて支給される。各党への配分額は毎年1月1日時点での議員数や得票数によって算出。ただ年の途中で選挙が行われた場合には再算定され、先日の参院選の結果は10月、12月支給分に反映されることになる。

「国会議員が5人以上所属している」「国会議員が1人以上所属し、直近の衆院選もしくは前2回の参院選で得票率が2%以上」といった要件を満たした政党が助成の対象になるが、共産党は「国民に献金を強制的にさせている」という主張のもと、政党交付金を受け取っていない。


◎選挙の結果で交付額が増減
政党交付金が導入されたのは1995年。リクルート事件やゼネコン汚職事件などを背景に、特定の企業や団体からの献金によって政治家が不正をおこなうことを防ぐ目的で導入された。

政党交付金の総額は、直近の人口に250円を乗じた金額を基準に決められ、今年は年間総額で約320億円が各党に配分される。新聞各紙の試算によると、自民党は参院選の圧勝によって、2013年当初に配分される見込みだった額より5億1100万円も交付額が増加。いっぽうで民主党は、当初の見込みよりも7億6000万円も交付額を減らした。

各党への交付額は年初の議員数や得票数に応じて算出される。


◎自民・民主とも収入の大部分は交付金
政党交付金は、「政治活動の自由」を尊重するという観点に基づき使い道を制限されないが、使途について報告書を提出する必要がある。総務省のホームページに掲載されている「政党交付金使途等報告書」をざっくり見てみると、経常経費として人件費や事務所費、光熱水費といった項目が計上され、政治活動費として選挙関係費や機関紙誌の発行事業費、宣伝事業費といった項目が挙げられている。交付額を使い切れなかった場合は、残高を繰り越すことも可能。繰り越した基金は、国政選挙が実施される年、つまり多額の選挙費用が必要となる年の備えとなる傾向がある。

政治献金の低迷によって近年、政党本部の収入における政党交付金の割合が高くなっている。昨秋公開された「政治資金収支報告書」によると、2011年分の交付額がもっとも多かった民主党は、収入の83.2%が交付金だった。2位の自民党も72.5%が交付金と大きな収入源になっている。こういった交付金依存の高まりや国の財政難などを受け、削減・返上を求める声が年々大きくなっている。また、自分が支持していない政党にも税金が使われることに対する異論もあり、制度のあり方が問われている。







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「国会がねじれているとどうなるのか?⑩」

2014-10-31 09:24:37 | 日本

今回の参議院選の焦点の一つに国会の「ねじれ」が解消されるのか?という点がある。「ねじれ国会」とはどういう状態のことを言うのか。衆議院でいま最も議員の多い政党は自民党。一方、参議院は民主党であるとした場合。このように衆議院と参議院で多数派が異なる状態を「ねじれ」と呼んでいる。この「ねじれ国会」は具体的にどんな影響があるのか?

ねじれ国会で一番影響を受けるのは法案審議である。法律は原則として衆議院と参議院の両院で可決されて初めて成立する。しかし、ねじれ国会では両院で与党と野党の勢力が異なるため、法律が成立しにくくなるといわれている。そのほか、日銀の総裁人事など国会の同意が必要なものにも影響が出でくる。

ただ、(1)首相の指名(2)予算の議決(3)条約の承認については、憲法で衆議院の議決が優先されることになっている。これを「衆議院の優越」と呼ぶ。また法案の場合は、参議院で否決されても衆議院において出席議員の3分の2以上で再可決すれば成立する。

それでも参議院は強すぎるとの指摘もある。例えば国の予算だが、関連する法律も成立していなければ予算を執行できない。衆議院の優越が認められているのは、「予算の議決」だけで一般の法案は含まれていないので、予算関連法案の成立が困難になる。法案一つ一つに対し、再可決を乱発することは、政治的には難しいとされている。

ねじれていない国会が必ずしもいいとも限らない。衆議院で可決した法案が、参議院でも「カーボンコピー」のように可決されては二院制の意味がない。参議院は「良識の府」と呼ばれるように、衆議院で可決された法案を「大所高所から審議する」という精神も期待されている。

戦後からこれまで、ねじれ国会は、現在も含めて5回あった。現在のねじれ国会は、政権交代後の2010年参院選で民主が大敗して復活。2012年12月の総選挙で自民が政権を奪還したが、ねじれ状態は続いている。






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「公安調査庁ってどんな組織か?⑨」

2014-10-31 09:23:42 | 日本

「公安」=秘密裏な組織を思い浮かべるが、日本の公安調査庁とはそもそもどのような組織なのか? 


◎テロ活動などの危険がある団体を調査

公安調査庁は、1952年の破壊活動防止法に施行にともなって設置された。公共の安全の確保を図ることを任務とした組織である。同法に基づき、テロなど、暴力で政治的な目的を達成しようとする団体の調査を行い、その活動を制限したり、解散させたりする処分を公安審査委員会(法務省の外局として設置された行政機関)に請求できる。

これまでは主に、オウム真理教や左翼、右翼団体、朝鮮総聯などの調査活動を実施してきた。しかし、同法がこれらの団体に適用された例はない。背景には、同法の内容が戦前の反政府運動を弾圧の根拠として機能した「治安維持法」の内容を彷彿とさせ、「治安維持法の戦後版」として批判された経緯があるといわれている。


◎国内外で目を光らせる公安調査庁

同庁の活動を耳にする機会が増えたのは、一連のオウム真理教事件以後である。1999年には、無差別大量殺人行為を行った団体の規制に関する法律が施行された。過去に無差別大量殺人を行い、現在も危険な要素を持つ団体に対し、観察処分や再発処分を求める事務を付加。2000年以降は教団を同庁の監視下に置く観察処分が認められ、3年ごとに更新されている。

一方、公安調査庁には、海外情報を扱う情報機関としての役割もある。北朝鮮によるミサイル発射実験や核開発、日本人拉致問題などの動向、国際テロ組織の情報など、あらゆる情報を収集している。とはいえ、全世界に公安調査官が派遣されるのではなく、外務省職員として在外公館に勤務。いわゆる「スパイ活動」を展開しているわけではない


◎「公安警察」との違いは?

公安調査官は公安事件の情報収集にあたるが、その活動には司法警察権が与えられていない。つまり、公安調査官はテロリストの情報を掴んだとき、逮捕の権限がなく、警察の公安捜査とは大きく異なる。

なお、公安調査庁も警察庁も、内閣に置かれた「内閣情報会議」とその下部に位置する「合同情報会議」に参加し、日本の情報機関によって構成される情報コミュニティのコアメンバーである。調査を通じて得た国内外の情報や資料を、必要に応じて政府のさまざまな機関に提供している。


◎監視によるプライバシー侵害の懸念も

公安調査庁が「調査」で得る情報については、国民の人権やプライバシーと衝突するのではないかと懸念する声が長年にわたってあった。しかし昨年、機密漏えいに厳罰を科す特定秘密保護法が成立。その柱の一つに「適正評価」がある。

これは、特定機密を扱う国家公務員や民間人を対象にした身辺調査である。「スパイやテロとの関係」や「犯罪、懲戒歴」、「借金などの経済状況」などを幅広く調査し、さらには特定秘密を扱う人の家族の氏名や住所なども対象になる。評価のための情報収集の主体は、公安調査庁や警察庁である。この「適正評価」の名のもと、プライバシー侵害を招くのではという指摘も少なくない。

安全のための調査活動は、国と国民の安全を脅かす活動の抑止力ともなる。しかし、一歩間違えると、私たちのプライバシーを脅かす可能性が含まれている。







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「国会用語の法案の廃案と継続審議とはどういうことか?⑧」

2014-10-31 09:22:49 | 日本

国会が閉幕、だがまだ審議の途中だったり、採決にまで至らなかった法案はどうなるのか?

その場合、法案は2つの道をたどることになる。1つ目の道は「廃案」、2つ目の道は「継続審議」である。

(1)審議未了で「廃案」
国会には「会期不継続の原則」があり、国会の意思(例えば法案の議決など)は、会期ごとに独立したものとされている。つまり、その国会で議決されなかった法案が、次の国会に引き継がれることはない。そのため、会期中に議決されなかった法案は、基本的には審議未了で「廃案」になる。衆参どちらか片方の議院で採決が済んでいた場合でも同様。

与野党が法案をめぐって対立している場合、野党側が「時間切れの廃案」に持ち込もうと審議入りを遅らせたり、審議に時間をかけようとしたりすることがあるのは、こういう背景があるからである。

(2)継続審議(閉会中審査)へ
ただ国会法では「会期不継続の原則」の例外も認めている。各議院が、法案について「閉会中審査」の議決をすれば、国会閉会中も法案審査ができ、次の国会に引き継ぐことができるというものである。これを「継続審議(閉会中審査)」という。ただそのためには、通常の採決と同じく本会議で過半数の合意が必要なので、どんな法案でも継続審議にできるわけではない。

また、継続審議になった法案が、次の国会で成立するためには、その会期中に改めて衆参両方の議院の議決が必要である。前の国会でどちらかの議院で可決されていたとしても、その議決は引き継がれないからである。







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「外国や海の上、南極にいても投票できるのか?⑦」

2014-10-31 09:21:56 | 日本

仕事や留学などで海外に住んでいても、現地で衆議院・参議院選に参加できる制度がある。これを在外選挙制度という。

この制度で投票できるのは、満20歳以上の日本国民で、在外選挙人名簿に登録があり、在外選挙人証を持っている人。名簿登録には現地に3カ月以上、継続して住んでいることが必要で、大使館や領事館で申請できる。長期の海外旅行で3カ月以上の滞在があるような場合でも、海外への転出届をせず、国内の選挙人名簿に登録されたままだと、在外選挙人名簿への登録はできない。また、申請から登録まには2カ月ほどの期間がかかるので、早めの申請が大切である。

ちなみに在外選挙人名簿の登録市区町村は原則、最後に日本で住んでいた場所の選挙管理委員会になる。ただし、海外生まれで日本に住んだことがない人などの場合は、本籍地の選挙管理委員会の名簿に登録される。

在外投票の方法は3つある。海外で投票する場合は、大使館や領事館に出向いて行う「在外公館投票」と、郵便などを使って登録先の選挙管理員会に投票用紙を送付する「郵便等投票」がある。一時帰国など、日本で投票する場合は、在外選挙人証を提示して投票する。

また海の上にいても、乗っている船が指定船舶なら、FAXで「洋上投票」と呼ばれる不在者投票ができる。対象となる選挙は、衆議院・参議院選で、投票できるのは、投票当日に日本国外を航海する指定船舶の船員である。事前に選挙人名簿のある市区町村の選挙管理委員会から、名簿登録証明書を交付されていなければならない。

さらに、南極にいても投票することができる。南極観測隊の隊員らを対象としたもので、南極基地や船舶の中からFAXで行う。








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「期日前投票と不在者投票って何が違うのか?⑥」

2014-10-31 09:21:02 | 日本

よく似ているように見える「期日前投票」と「不在者投票」制度。この2つは、いったい何が違うのか?

期日前投票とは、選挙人名簿に登録された住所地で直接投票箱に投票する方法。
不在者投票とは、仕事や旅行の滞在先などの選挙管理委員会で投票用紙を提出する方法。以下、期日前投票と不在者投票の違いを見る。


◎期日前投票

期日前投票が行えるのは、仕事や旅行、入院、出産、冠婚葬祭、地域行事の役員などのために投票日当日に投票できず、市区町村の選挙人名簿に登録されている人である。

投票期間は、選挙公示日の翌日から投票日の前日で、時間は原則、午前8時半から午後8時まで。投票場所は、役所や公共施設などに各市区町村が設ける期日前投票所。投票は、入場券が届いていればそれを持参し、実際に投票箱に投票する。

ちなみに期日前投票を行った後に亡くなったり、転居したりした場合でも、投票は有効な票として取り扱われる。


◎不在者投票

不在者投票が行えるのは、選挙期間中に仕事や旅行などによって選挙人名簿に登録されていない市区町村に滞在している人である。投票期間は、期日前投票と同じ。

投票手順は次のようになる。

1)選挙人名簿に登録されている市区町村の選挙管理委員会に対し、直接か郵便で投票用紙などの必要書類を請求する。その際、滞在先の選挙管理委員会で投票をする旨を伝える。

2)投票用紙と投票用封筒、不在者投票証明書が交付される。これらは絶対に開封せず、不在者投票をする日に持参する。自宅などで投票用紙に記入して郵送された場合は無効になる。

3)滞在地の選挙管理委員会に出向き、その場で投票用紙に記入する。それを内封筒に入れ、その内封筒を外封筒に入れて外封筒に署名し、選挙管理委員長に提出する。

ここでの注意点。不在者投票は、名簿登録されている選挙管理委員会に投票用紙を送付する必要があるので、日数には余裕を持って投票すること。

不在者投票は、そのほか、選挙管理委員会が指定した病院・老人ホームなどに入院・入所中の人、さらに投票日当日に20歳になるが、投票日前には投票権利がない人も行うことができる。







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「期日前投票って、どこでどうやればいいの?⑤」

2014-10-31 09:20:13 | 日本

投票日に仕事や旅行などの予定があって投票に行けない。そんな場合でも「期日前投票」制度を使えば、選挙日の前に投票することができる。期日前投票は、いつ、どこですることができるのか?

◎どんな理由でもOKなのか?
・投票当日に、仕事や旅行などのレジャー、冠婚葬祭、地域行事の役員などの用事がある人は、期日前投票をすることができる。ただし、市区町村の選挙人名簿に登録されていることが必要である。

◎いつ、どこで投票できるのか?
・投票期間は、公示日の翌日から投票日の前日まで。今回の参議院選の場合だと、7月5日から20日までの間になる。時間は原則、午前8時半から午後8時まで。各市区町村が役所や公共施設などに設ける期日前投票所で投票する。

◎投票所ではどうすればいいのか?
・持ち物は「入場券」である。ただし、なくても投票することは可能。宣誓書に投票日に投票できない理由を書いて提出し、選挙人名簿の確認を受けた後、「選挙区」用と「比例代表」用の投票用紙を渡されるので、選挙区には候補者名を、比例代表には候補者名か政党名を書いて、投票箱に投票する。

◎投票に行った方がいいのか?
・参議院選の公示にあたり、各選挙管理委員会から談話が出されている。「国内外で課題が山積する中、今後の政治のあり方を方向づける上で極めて重要な選挙」なので、ぜひ日本を託すにふさわしい議員を選んでほしいという内容である。選挙は、政治に対して意思表示ができる大切な機会。アベノミクスやTPP、原発政策や憲法改正など、さまざまな争点がある中で、自分が一番良いと思った候補者や政党を選び、自分が望む国をつくるための一票を投じよう。

◎投じた一票は?
ちなみに参議院の比例代表は「非拘束名簿式」といって、同じ党の中では個人名の得票が多い順に当選者が決まる。当選してほしい候補者がいる場合は、候補者名で投票するとよい。また、期日前投票を行った後に亡くなったり、転居したりした場合でも、投票は有効な票として取り扱われる。

◎なぜこの制度ができたのか?
・期日前投票は2003年にできた制度である。投票は本来、投票日に投票所で行うことが原則だが、それまでの不在者投票の手続きを簡素化し、国民がより投票しやすくすることを目的に導入された。前回2010年の参議院選では、すべての投票者の2割にあたる約1208万人が利用した。








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「立候補後にも出馬辞退って出来るのか?④」

2014-10-31 09:19:18 | 日本

選挙に立候補した後に、出馬を辞退することはできるのか? 答えは、選挙管理委員会が選挙を「告示する前」ならばできる(衆議院総選挙と参議院通常選挙は「公示」)。「告示」とは公職選挙法が定めた正規の選挙活動が始まったという号砲である。その日のうちに立候補の届出をしないと、過去に何十年も「出馬」表明して「選挙」活動をしていた者でも参加すらできない。いわば告示日から投開票日前日まで(当日は選挙運動禁止)が「正規のレース」となる。だから、いったん立候補を届け出てレースを始めたら、つまり「告示日の立候補受け付け時間終了後」は辞退できない。


◎「告示前」の辞退例
「告示前」の辞退として記憶に新しいのは2014年1月に投開票された沖縄県名護市長選です。名護市辺野古に米軍基地を移設することに反対の現職に対し、「容認」の新人と「推進」の元職が出馬の意思を明らかにした。「基地を移そう」と考える側にとって「容認」と「推進」は似たりよったりで、支持層が説得した結果、「容認」の新人が「推進」を掲げることで元職の辞退を得、一本化に成功した。


◎「告示後」に辞退したくなったら?
では「告示後」にやる気を失ったり、名護市長選のように主張がかぶる有力候補がいて、一本化しないと反対の主張を唱えるライバル候補にかなわず共倒れするとわかった場合などはどうか。先に述べたように投票所での名前を消し去るといった完璧な辞退はできません。ただ「やる気がなくなった」「もう降りた」と主張するのは構わない。

告示後の辞退を、主に一本化をめざして事実上行うのであれば、まず片方が「降りる」と宣言しないと始らない。その事実を報道するのも合法である。ただし残った候補が「私が当選したらそれなりに遇する」といった約束をしたり、お金のやりとりがあったら違法。あくまでも本人の意思だけで「やめた」といわなければならない。その過程で降りる候補と残る候補が話し合うのは構わない。といって降りた候補が残った候補を「応援する」といってはいけない。


◎突然の選挙の場合
任期満了に伴う選挙であれば、告示日も容易に想像でき、そこから逆算してある政党は現職を押すとか、別の政党は現職が強そうだから候補者調整をして告示前に一本化しておくというのもしやすい。しかし現職が突然死去したり、辞職したりすると5日以内に選挙管理委員会に通知し、50日以内に選挙を実施しなければならない。知事選を例に取ると告示は投票日の17日前と決まっている。すると「いきなりの死去」「いきなりの辞職」で選挙など何も考えていなかった各陣営が、その一報を聞いてから1か月強で候補者を決めないと間に合わない。かなりタイトな日程となり、しばしば調整が不十分なまま届出=告示日がやってくる訳である。

結局、「立候補後」を告示後とみなせば、投票所から「出馬辞退」を宣言した名を消し去るという完璧な辞退はできない。四角四面にいえば、それが唯一可能なのは「候補者の死亡」である。


◎アメリカにはない「告示」制度
なお窮屈にも思える日本の告示制度はアメリカにはない。大統領から市長に至るまで決まっているのは投票日だけ。したがって政治家は年中選挙活動をしているのと同じである。もっとも突然選挙当日になるわけではなく、党の集会など出馬した候補者ならば来てアピールするのが当然という場がいくつも設けられていて、有権者もそれを通じてとことん時間をかけて候補者の人品骨柄を見抜いていく制度である。







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「20歳になったら無条件で投票できるのか?③」

2014-10-31 09:18:29 | 日本

選挙権とは、憲法にもうたわれた国民の権利の一つで、文字通り選挙で投票する権利である。満20歳以上のすべての日本国民に与えられる。それに対し、被選挙権とは、選挙を通して国会議員や地方議会議員、首長に就くことができる権利である。それぞれの権利について、詳しくみてみる。

まず選挙権。満20歳以上に等しく与えられる選挙権だが、「選挙人名簿」に登録されていなければ、実際に投票を行うことはできない。注意すべきなのは、他の市区町村に引っ越しをしたばかりの人。転入届をした日から3カ月以上住んでいないと選挙人名簿に登録されない。その場合、基本的には引っ越し前の住所地で投票できる。

しかし上記を満たしていても、選挙権がない人もいる。例えば、禁錮以上の刑に処せられその執行を終わるまでの人や公職についている間に犯した収賄罪で刑に処せられ、実刑期間経過後5年を経過しない人や刑の執行猶予中の人、公職選挙法に関する犯罪で選挙権や被選挙権が停止されている人などである。
「満20歳以上」とは、投票日の翌日に20歳の誕生日を迎える人まで含む。例えば7月21日が投票日の場合、7月22日に20歳になる人も選挙権を得ることになる。
被選挙権の年齢要件は、選挙の種類によって違う。衆議院選の場合は満25歳以上の日本国民だが、参議院選は満30歳上の日本国民と定められている。立候補時に資格年齢になっていなくても、投票日に達していればよいとされている。







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「参議院選の投票方法と選挙の流れ②」

2014-10-31 09:17:16 | 日本

実際に参議院選の投票所に行ったら、どういう手順で投票したらいいのでしょうか?

先ず、受付で入場券を出すと、選挙人名簿に載っている本人かの確認を受ける。確認が終わると、2枚の投票用紙を手渡される。参議院選挙には「選挙区」と「比例代表」の2つがあるので、その両方に投票する。入場券を万が一忘れた場合でも、本人確認の上で投票することは可能なので、あきらめずに係の人に申し出る。

「選挙区」では、当選させたい「候補者の名前」を書く。「比例代表」では、当選させたい「候補者の名前」か「政党の名前」を書く。無効票にならないように余分なことは書かず、しっかり記入する。なお候補者の名前は、投票所の投票記載所でも確認することができる。

ちなみに参議院選の「比例代表」は、ドント式による「非拘束名簿式」で当選者を決定する。簡単に言うと、政党ごとの得票率に応じて議席が配分され、その中から個人名での投票数の多い順に当選者が決まっていくシステムである。あらかじめ政党によって名簿順位が決められている衆議院選の「拘束名簿式」とは、有権者が名簿順位を決めるという意味で異なる。

参議院選では総定数の242人全員を選ぶのではなく、半数の121人を選ぶことになる。参院議員の任期は6年だが、改選は3年ごとだからである。こうして改選時期をずらしているのは、議院の継続性維持と国会機能の空白化防止が理由といわれている。







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「選挙運動はいつから、どうやってするのか?①」

2014-10-31 09:09:09 | 日本

選挙関係・国会関係等を14回にわたり学ぶ。



「選挙運動」といわれてすぐに思い浮かぶのは、選挙カーでの名前連呼や、街角での演説である。 選挙運動とは、特定の候補者を当選させるために、または当選させないことを目的に投票行為を勧めることだが、内容や期限は公職選挙法で定められている。どういった内容なのか。

選挙運動ができる期間は、公示日に立候補の届け出をした後から投票日の前日までである。選挙運動の期間は、選挙によって違う。参議院選の場合は17日間、選挙運動ができる。

公職選挙法で認められている選挙運動の主なものは、選挙事務所の設置や選挙カーの使用、政見放送や選挙公報、街頭演説や個人演説会などである。また、ポスターを張ったり、有権者に電話をかけて投票を呼びかけることなども選挙運動である。ただし選挙カーなどでの名前連呼や街頭演説は、午前8時から午後8時までと制限されている。

一方で、禁止されている選挙運動もある。金品や物で有権者に投票を依頼するなどの買収行為や、有権者の自宅や会社などを訪ねて投票を呼び掛ける戸別訪問、署名を集める運動、飲食物を提供する行為(ただし、お茶やお茶菓子、一定の範囲での弁当はOK)などである。

また、ネットによる選挙運動が解禁された。候補者がツイッターやフェイスブック、ブログなどで、有権者に投票を呼びかけることができるようになった。






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「日本国力の回復」

2014-10-30 07:37:06 | 日本

㈱マーケットバンク代表の岡山窟主さんの論文、日本が資源大国になる日については実にいい。以下、学ぶ。


◎日本にはI00年分の天然ガスと700兆円の油田

周りを海に囲まれた少資源国日本は、石油や天然ガスなどのエネルギー資源、 鉄鉱石やレアメタル (希少金属)などの鉱物資源のほとんどを海外から輸入し ている。エネルギー資源や鉱物資源を保有する国は国力が強く、持たない国は 国力が劣る。エネルギー資源は国家の重要な資金源となり、経済力に直結する。時に戦争をも引き起こす。主要なエネルギー源である石油を99%を輸入に頼っている日本はエネルギーが断たれると経済が壊滅状憩となる。

では、日本がエネルギー資源や鉱物資源を輸入に頼ることなく、自給自足で き、世界有数の資源大国であったらどうだろう。米国におけるシェ―ル革命と 同様、日本経済の成長に大きく寄与することは間違いない。

実は驚くべきことに、日本には資源国家に成り得るだけのエネルギー資源と鉱物資源 を保有しているのだ。この事実を知った人は「日本は生まれ変わる」と日本の 将来に明るい希望を持っただろう。同時に実用化に向けて政府は全カで取り組 むべきだと思ったに違いない。

日本の陸地としての国土 (領土)面積は、約38万平方キロメートルで、世界61 位であるが、日本領土となると、東は南鳥見、西は与那国島、北は択捉島に広 がっている。そこから生まれる領土と、日本が経済的権益を持つ排他的経済水域 (EEZ)を合わせた海の面積は、約447万平方キロメートル。なんと米国、オーストラリア、インドネシア、ニュージーランド、カナダに次いで世界第6位の広さになる。

広大な日本の海には、石炭、石油に続き、人類が次世代のエネルギーとして 期待する 「メタンハイドレート」が眠っている。メタンハイドレートは水の分 子に天然ガスのメタン分子が取り込まれ、氷状になっていることから「燃える 氷」と呼ばれる。では、日本の排他的経済水域や大陸棚の海底には、どれくらいのメタンハイドレートが眠っているのか。実に日本の天然ガス消費量の約100年分相当にもなる。既に昨年3月に愛知、三重県沖の海底にあるメタンハイドレートから天然ガスの取り出しに、世界で初めて成功している。

また、尖閣諸島周辺海域に埋蔵量豊富な油田がある。日本の調査では同海域 の海底油田の推定埋蔵量は1,000億バレルを越えることが判明。1,000億バレル とは、世界第2位の石油埋蔵国イラクの全油田埋蔵量の合計にほほ等しく、約700兆円に相当する。

ロシアの有力経済紙、コメルサントは、クリール諸島 (千島列島と北方領土) 近海に大量の次世代エネルギー資源 「メタンハイドレート」が埋威されている可能性が高く、露国立研究機関が国営石油大手 「ロスネフチ」に開発の検討を提案したと伝えた。日本の2012年の天然ガス消費量は1167億立方メートルで、同研究所の最大推定は、この約745倍にあたる。ロシアでは、日本のメタンハイドレート開発が将来、自国の天然ガス生産にとって、米国発 「シェ一ルガス革命」以上の脅威になりかねないと懸念されている。


◎日本の「海底熱水鉱床」は世界第一位

日本の海にはレアメタルを含む「海底熱水鉱床」、そして、コバルト、銅、白金、レアアースを含む 「コバルト・リッチ・クラスト」といわれる鉱床が多数発見ている。しかも、海底熱水鉱床では世界第一位、コバルト・リッチ・クラストでは、世界第2位の資源量があると試算されている。

電気自動車 に(EV)やハイブリッツト自動車 (HV)、燃料電池自動車 (FCV)など次世代自動車のモーターに永久磁石は欠かせない。レアアースを使って、非常に高い磁力を誇るネオジム磁石を開発したのは日本だ。l983年に佐川眞人博士が開発したものだ。ネオジム磁石はレアアース (希土類)のネオジム、鉄、ホウ素の3元素を組み会わせた磁石である。計算上は1グラムのネオジム磁石で約 1キロの鉄を持ち上げることができる。東京財団研究員の平沼光氏は、このような革新的な技術開発があったからこそ、脱石油時代の今、次世代自動車が求められ、そのモーターに必要な材料としてレアアースに世界の目が集まったという。このように、日本はその英知で次世代自動車のみならず、革新的な永久磁石の技術をも生み出したのである。今日、レアアースが資源として成り立つのは日本の存在が極めて大きい。レアアースが 「資源」と決めたのは日本であり、中国が戦略物資にできるのも、日本がレアアースの先端的な使い道と市場を作り出したからだ。日本の英知なくしてはレアアースはだだの土に過ぎない。貴重な資源に変えてくれた日本に、中国は感謝すべきではないか。


◎日本の「都市鉱山」は世界第一位

海中や地中に埋まっているもの以外の姿源として注目されるのが 「都市鉱山」だ。都市鉱山とは、廃棄物となり家庭やごみ処理場などに眠る、電化製品に使われている多数の鉱物資源だ。これらを地上に存在する鉱山と見立てて、「都市鉱山」と呼んでいる。

また、廃棄物から鉱物資源を回収、リサイクルして利用するという試みが日本 で始まっている。では、都市鉱山を 「資源」とした場合、日本にはどれほどの鉱物資源が埋まっているのか。平沼光著「日本は世界1位の金属資源大国」によれば、「日本の金、銀の資源量はなんと世界一」となるのだ。;独立行政法人物質・材料研究機構の調べによると、地下資源としての金の世界埋蔵量は4万2000トン。これに対して、日本の都市鉱山としての金の蓄積量は6,800トン。世界の埋蔵量に対する日本の金の都市鉱山比率は16%となり、その量を埋蔵量国別順位でみると世界第1位になる。また、金だけでなく、銀の日本における都市鉱山の蓄積量は、世界の地下資源の埋蔵量と比べた場合、金と同じく世界第一位となる。アンチモン、イシジウム、プラチナなど日金族といったレアメタルも、日本は世界有数の姿源国家に匹敵する備蓄量を有する。このように地中や海中に埋まっているもの以外も「資源」ととらえることで日本は世界一位の金属資源を持ているといえる。


◎アベノミクス第三の矢は 「海洋資源開」

日本政府は、今後5年間の海洋政策の新指針となる 「海洋基本計画」を閣議 決定した。次世代エネルギー資源 「メタンハイドレート」の商業化実現に向け 2018年度をめどに技術整備すると打ち出すなど、海洋資源開発を加速させる方 針を明記。関連する海洋産業の振興を成長戦略の軸に据える。中国船の領海侵 入などを踏まえ、海洋の安全確保へ態勢強化を図ることも盛り込んだ。

東海大学教授の山田吉彦氏は 「メタンハイドレート開発において、日本は世 界の最先端を走っている」という。開発のフェーズ3(2016 年~2018年度) は、商業的産出の準備などに当てられ、いよいよそこから民間企業が乗り出す 段階に入る。政府は天然ガスを安価に回収・貯蔵する技術を5年以内に開発し、 23年までに採算の合う産業に育てることを狙う。

メタンハイドレートの商業化が成功すれば、日本はエネルギーの海外依存から脱却することができるだろう。そうすれば、原油相場の高騰などエネルギ一 に関わる国際情勢により経済が疲弊し、国民の生活が圧迫されることも無くなる。安倍首相が目指す 「国力の回復」につながるのだ。

米国がシェールガス革命により、経済成長しているように、日本の経済力が飛 躍的に高まり、景気浮上効果は絶大である。日本が抱える1100兆円の借金も解 消され、財政は黒字化になり、年金や医療費など社会保障問題も過去の間題になるだろう。

また、安倍首相が日本政策投資銀行の幹部を呼び、「メタンハイドレートに 日本政府は命をかける。1兆円の資金を投人したいから、あらゆる準備をした い」とひそかに指示したという話も伝わっている。それが事実とすれば日本の 将来は相当明るい。海洋資源の開発に命がけで取り組む決意と日本の将来像を 日本国民に訴えれば安倍首相の支持率は大幅にアップし、長期安定政権が維持 されるだろう。当然、多くの外国人投資家は日本の株式市場に資金を振り向け ることが予想される。国内の個人投資家も積極的に株式市場へ参加することだ ろう。その時こそ、日本に 「黄金の時代」が訪れるのだ。

海洋資源の開発は、将来の日本人の生活を保障するものであり、離島振興策の実施は、隣国との国除紛争を未然に防ぐことに役立つ。また、水産資源の再生を果たしておけば、将来日本人が飢えることはないだろう。人が生きてこそ国家だ。海洋国家である日本の国民が、将来豊かに生きていくために海洋資源開発の政策投資を国家戦略の最重要課題として取り組んでもらいたい。







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