龍の声

龍の声は、天の声

「世の中は 夢か現(うつつ)か現とも」

2022-09-09 06:54:34 | 日本

「世の中は 夢か現(うつつ)か現とも 夢とも知らず ありてなければ」                                         詠み人知らず 


北辰は不動の輝きを放っていたという、天空の星々の輝きを見ていると、地上の異変が夢のように感じられる。日々、当然のように流れていく時間の中で、人々はそこに存在するもの、そのすべてが有って当たり前だと思っている。物があることに疑問を持たずに暮らしている。しかし、地上の万物一切が無限の縁の糸によって結ばれ、織りかさねられて、この世に姿を現し存在している。世の中は縁という糸で織りなされた美しい一枚の織物でしかない。どんなに堅固に思える物も、その物を織りあげる縁という糸が解けてしまえば消えゆく、限りなくはかない存在である。世の中の一切の物、その一つ一つが奇跡のような尊い縁によって結ばれている。そのことを今の人は忘れている。

地上の万物だけではなく、宇宙に存在する一切が、縁が絶たれれば儚くもろく移ろう存在であり、夜空で何千年も道を示し續ける北辰でさえも、そこに存在させる縁が失せれば消えゆき、滅せするという同じ定めを持っている。

命も人も物も、そこに有ることが当たり前では無い。有ることが実は有難いこと。この言葉が日本の感謝の、、、、言葉になっている。万物に対する感謝の気持ち、命と縁の不思議と深さに感謝する心。

今この一瞬一瞬を愛おしく尊い世界と讀むか、上記の和歌は宇宙の真理が秘められ金剛不壊の輝きを放っている。