~現状と先端的な解決策~
・間殺処分数は、犬7,687頭、猫30,757頭である(2018年度)
・過去10年間の推移を見ると、殺処分数は約24万頭減少している
・殺処分数の減少の背景には、そもそも保健所の引取り数が減少していること
、殺処分率が低下していることがある
・現状&今後、引取り数減少・殺処分率低下には行政と民間団体の協力が欠かせない
◎今後取り組むべき課題
殺処分数はここ10年程で約24万頭減少したものの、依然として、年間4万頭近くの犬・猫が犠牲になっているのが現状だ。
殺処分問題に関する今後取り組むべき課題は以下の点である。
①引取られるペットの数を減少すること
ペットが保健所に引取られる要因は、飼育放棄や高齢者飼育、あるいは、迷子等の偶発的なものまでさまざまだ。
その中でも最も重大且つ解決し難い問題は、「終生飼養」に反して無責任に保健所や愛護団体に引取らせる飼育者がいることだ。飼い始めた後に苦労するであろうことを考えず、「可愛い」という感情に流されて気軽に飼うことを決断してはいけないはずだ。従って、行政と民間団体が協力して、責任を持って飼育できる人のみがペットを飼い始めることができる環境、及び、飼育者に責任を持ってペットを飼育してもらう環境を作ることが課題である。
一方、偶発的に起こってしまう「迷子」についても、ある一定の対策・対応はできるはずだ。例えば、ペットが迷子になってしまった際にBluetoothで探索できるようなウェアラブルデバイスが発売されているし、マイクロチップの普及啓発も行われている。保健所が引取るペットのうち8割以上が所有者不明である事実からも、迷子対策は重要度が高そうだ。
②引取られたペットを殺処分せずに済ませること
結果として、保健所に引取られてしまったペットが殺処分されずに済むために、保護センターが民間団体と協力して動物の継続的な引上げ活動を行ったり、行政自体が積極的な返還・譲渡活動等を行っていく必要がある。
また、その際には、譲渡後に同じような問題が繰り返されないように、保護されているペットに対して手厚いケアやしつけを行い、健全な状態でペットを送りだす努力が重要だ。