上砂理佳のうぐいす日記

銀座中央ギャラリー「10×10版画展」は無事終了。お越しいただいた皆様、ありがとうございました★

宇宙人たちの空中戦★

2021-03-30 | うぐいすよもやま日記
世界フィギュア全競技終了。
結局、男子シングル以外はロシア選手が優勝ということね。
来週Jスポで全カテゴリーやってくれるので詳細感想はまたあとで。

男子。
「あーネイサンも人の子」とSPのミスで思ってたら、フリーで「やっぱり宇宙人!」に返り咲いてしまいました(笑)。
フリー前の私の予測は、優勝は羽生君が49 %、ネイサン49%、そしてまさかの鍵山君優勝(!)が2 %でした。
だってフィギュアスケートは何が起こるかわかりませんからね。
全日本の好調から見て、SPでリードしてる羽生君が、精神的余裕でこのまま逃げ切れそう。
でもネイサンは平昌五輪の伝説フリーがありますからねえ。。。ビハインド8点なら逆転可能か。
そして鍵山君は初出場で、枠取りは先輩たちにまかせときゃいいし。ノンプレッシャーでノビノビ出来そう。その辺期待を込めて「2%」。

昌磨君・キーガンまでは落ち着いて見てたけど、コリヤダ君からはちょっと無理。心臓持たん。
別室に行ってガラケーのちっこいワンセグ画面でチラチラ見る、なんて意味不明の行動に出るのですが、母が大声で私に実況解説をするので無駄でした(笑)。

滑走順が違ってたらまた結果も違ってたのかな。それもまたフィギュアスケートの妙。
ともあれ、今季ずっとモヤモヤしてたネイサンのフィリップ・グラスのフリーが、完成されて嬉しい。
スケアメ終了後だったか、ネイサンがフリーの曲の一部を自分のピアノで演奏してたのですよね。
それがとても美しくリリカルで、「ああネイサンはこの曲をこのように表現したいのだね」と如実にわかりました。
スケートではまだ、このピアノほどは上手く表現出来てないと思った。
全米終わってもまだスッキリせず。
昨季のフリー「ロケットマン」が良かっただけに、今季はこれ選曲の失敗かな。。。なんて思い始めたけど。
この、ワールドで、全てが昇華された思い。
あのピアノ演奏と同じく、心がこもった美しいフリー。とても集中している、いわゆる「ゾーン入ってる」演技でした。
ネイサンが「今日のフリーは一生忘れられない」と言ってるぐらいだから、やはり格別です。
ジャンプ全部成功させたあとのステップって、みなさん爆発するよね~。
あのハイキックで、全てのモヤモヤ、コロナ禍の憂鬱まで、消えてしまったかのよう。
観客席にお客さんはいなくても、他選手や関係者が拍手してスタオベしてくれてホンマに良かった。あれで全米みたいに録音された拍手効果音だったら悲し過ぎる。

鍵山君の演技は後から見てもドキドキするけど、まさか羽生君の上をいくとは予想してなかったな~。あっぱれ宇宙人の仲間入り!
そしてかわいいキスクラを、今後もずっと見られますように。
昌磨君がランビコーチといるようになってから、復調してきて嬉しい。この調子で再び上がっていって欲しい。このフリーが好きなもんで。

羽生君は今回のワールドで、また違った心境になったような。
年齢的に色々なことが頭をよぎると思いますが、オリンピックで再びネイサンたちと競い合うのか否か、これからの方向性を、探っている感じがしました。インタビューを読む限りでは。

他にもいっぱい書きたいのだけど、とりあえず開催してくれてありがとうストックホルム★
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展覧会のお知らせ★

2021-03-27 | お知らせ


ネットショップのブログを更新しました。
→「心斎橋ギャラリービルオープニング展のお知らせ」です。

前に個展を開催した心斎橋のアイギャラリーのオーナーが、すぐ近くにギャラリービルを作られました。
青い塗装でおしゃれですが、まだ今工事中だと思います(笑)。
ほんとうは昨年始まる予定でしたが、コロナで大幅に遅れてしまい、今になりました。
4月10日(土)から25日(日)までの開催です。
私は新作版画を出す予定です。なんせ140名余の作家さんが「一人一作品」出されるそうなんで、どういう状態になるのか予想もつかないのですが、アートな空間を楽しんでいただければと思います。

なお、五階建てビルなのですが、エレベーターが無いのです(!)
階段で上がって頂くことになります。2階と3階も展示予定ですが、どうぞゆっくりゆっくり上がってくださいね。

<大阪も再びコロナ感染者数が増えて緊張気味ですが。
ギャラリーでアート鑑賞は、基本、声を出さない状態なので、検温・消毒・ドア開けで空気入れ替えなど、万全を期しての敢行となります。
体調などじゅうぶんにお考えのうえで、楽しんで頂きたく思います

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宇宙人の仲間入り?★

2021-03-27 | うぐいすよもやま日記
寝てから見るか、見てから寝るか。。。仮眠して起きるしかない。女子フリー!

その前に男子SPですが、とにかく鍵山君やね~。
ノビノビ素晴らしかったですが、100点出るとは想定外。
PCSが高い!
ということは、今回は全体的に点高めかな?と思ったら、まあまあ高い。男子はね。
レベルが高いから、2ミスしてはもうフリーに残れないわけですね。。。アメリカのヴィンセント・ゾウ君がまさかの予選落ち(SP落ち)。
あまりにショックやー。
フリー楽しみにしてたのにー。
ネイサンが弟分をいたわるインタビューに泣けてきました。ネイサン、自分も五輪でどん底味わったものね。

そのネイサンにも、昌磨君にもミスが出ましたが、点はまあそこそこ出ました。それが「実績点」「チャンピオン点」というもの。
なので今回、ジャッジが新人の鍵山君に気前よく点を出したということは、「次期チャンピオン」として期待してるってことですよ。
五輪前年に成功しておくのは大きい。ワン・チャンスを生かせるか?
フリーで真価が問われるけど、全日本があれだったからなあ~。五分五分かしら。
それにしても強心臓でぶっ飛んでるところは宇宙人っぽい。
羽生君も昌磨君もネイサンもみんな宇宙人族。鍵山君も仲間入りか?

それからリトヴィンツェフ君もフリーに進めなかったのね。ジャニーズ系の(笑)麗しい選手です。まだ若いからこれから!
若いといえばドノバン・カリーリョ君がフリー進出なんとか。あとロシアの二人は三枠取れる?
中国の二人もなんとか頑張って欲しいよ。そんなこと言ってるうちに仮眠仮眠★
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シェルバコワ美★

2021-03-25 | うぐいすよもやま日記
先日から世界フィギュア始まりました。
昨年コロナで開催されなかったので二年ぶり!
無観客ですが、会場は綺麗な飾り付けをしてくれて寂しくないです。スウェーデンのストックホルム。

女子SPはやはりシェルバコワ選手がとても美しくて、実力を見せました。ジャンプと踊りとスケーティングのバランスが絶妙で、かつお客さんに伝えようとする意志力みたいなものが素晴らしい。
コストルナヤ選手と実力は拮抗してて、もうあとは好みの問題では。
トゥルソワちゃんも可愛くて好きだし、坂本選手も良いんだけど。シェルバコワの直後に滑ると物足りなく感じてしまう。
紀平さんは注目されてる中で頑張った!回転不足あれで?厳しいなあ。アクセル跳んでるんだから彼女が首位でも良かったです。
宮原選手が珍しくミスが出てしまいましたが、円熟の滑りでしたね。フリーで挽回してくれますように。
アメリカの二人は、カレンが素晴らしかったけど、カナダ勢は?

そしてそして、ペアで三浦&木原組がSP8位!大健闘!総合で10位以内に入りたいなあ。
なんか久しぶりにちゃんとした試合見れて、嬉しい嬉しい私★
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五分咲き?★

2021-03-24 | うぐいすよもやま日記
お彼岸の墓参りは、早まった桜の開花とちょうど重なり、しだれ桜は満開でした。
品種によって色々なので、全体的には五分咲きというところでしょうか。
うちの近辺は大阪の北のせいか、いつも開花は遅いです。京都の方が早い。

着物を着たカップルが何組も。「観光の人が戻ってきたな」感あり。
でも例年の桜の頃の京都なら、この10倍は人がいるな~。
ああ今ぐらいの人出がいい!
絶対いい!(勝手)★
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「少女」★

2021-03-23 | うぐいすよもやま日記
マツコの知らない世界でやってたユーミンの「翳りゆく部屋」。良かったね~。
私は初期ユーミン=荒井由実時代の歌が特に好きなので、ピアノ本も買って練習してました。。。若き日に(^_^;)
「翳りゆく部屋」は唯一、弾きながら歌える曲でした。
「ベルベット・イースター」とか「いちご白書をもう一度」とかあったな。(「いちご白書」はユーミンの歌なんすよ)
やっぱり、10 代で作ったものって神がかってる。垢がついてなくて「感性のまま」がいい。

そして五輪真弓の「少女」がね~。
こんなに良い曲だったなんて。あらためて聞き惚れてしまった。
「少女」知ってはいたけど、どうしても「恋人よ」の方ばかり有名になっちゃって。
ジョニ・ミッチェルか~。わかる。
SNSでも同じ事思った人が多いようで、私もYoutubeの「少女」見に行きました。はい。
直太郎氏の歌声は、女性ボーカルに影響受けてたのか。
さすがの見識と実力でした。藤堂先生!★
コメント (4)
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解除そして★

2021-03-22 | うぐいすよもやま日記
東京も緊急事態宣言解除になりました。
京都や大阪がこれだけ人出が増えてるということは、東京はもっと!でしょう。
時はお花見シーズンだし。。。
解除になってもなんとなく、遠出がしづらい、会食をためらう、遊びを躊躇する。そんな心理が働きます。
でもね。「気を引き締めて」って、そんなに長く無理な気がしますよ。
もうコロナ禍は一年経ってしまった。
なのになのにほとんど何も状況が良くなってない。
ワクチンなんか私の世代が接種出来るのは、年末になるんじゃないかと思っています。

その中でオリンピックって。
やるもんだろうか?
見たいし選手は気の毒だし。
でも今の中途半端なままで、やりそうな気がする。。。たぶん★
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動画配信・白鳥たちの足★

2021-03-21 | うぐいすよもやま日記
今日の夜までの無料配信になんとか間に合った!
パリ・オペラ座がパトリック・デュポン追悼「白鳥の湖」全幕を、公式サイトで配信していたのです。
なんせ二時間半もあるから、集中して見る時間を確保するのが大変ですが、おかげで毛利臣男さんのゴージャスな衣装も見ることが出来ました。
1992年当時、「歌舞伎メイク」の悪魔で話題でしたが、「あ。キッスやん」思った(笑)。
次から次へと豪華コスプレです。踊りにくくないかしら。でも見ごたえありますね~。
音楽も勿論生オケだし、絶頂期のデュポン王子が恋に悶える様が、なかなか母性愛をくすぐります(ホンマか)。
オデットよりオディールがハマっているピエトラガラ嬢の、気合いの入ったキレキレの踊りがまた絶品。
道化がエリック・キエレでこの衣装も凄い。出番多し。
ヌレエフが王子様役だった時、確かデュポンが道化役でした(そんな時代もあったのです)。

オペラ座の舞台は奥が広くて、白鳥の群舞の美しいフォーメーションが、万華鏡の如く変化していきます。
上から見ないとその美しさがわからないから、バレエは二階から見るのがいいのかも。
いつも群舞で寝てしまうんですが、今回は美しくて起きてました(笑)。
そしてみなさん。
足の形が綺麗過ぎ!
膝から下のしなり(=カーブ)がなんとも優雅で、足の甲は反対側にカーブ。
群舞の白鳥たち全員、そのような美しい足を持つバレリーナたちで、深いため息が出ます。
そして皆さん、足は常にシャープに動いているのに、上半身はあくまで優美。
「白鳥は水の下で懸命に足を掻いている」あのことわざ通り?

私はデュポンはそんなにプロポーションが良くない、と思い込んでいたのですが、こうして久しぶりに王子スタイルを見たら、なんとも美しい足の形、爪先やないか~。
男性も全員、足の形が優美なんです。体が芸術品。
もうね。
バレエは膝から下が全てです!
って力説したいぐらい。
それぐらい足に執着する私です。
いやでも、ピエトラガラのオデットのとろけるポール・ド・ブラも素晴らしかったよ。

ぶらぼーオペラ座!さすがの太っ腹。
輝かしい舞台を見ることが出来て、また涙ぐむ。有難い限り★
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いよいよ花本番★

2021-03-19 | うぐいすよもやま日記
今日はまたまた京都でした。
桜が咲き始め、いよいよと春花開く!感満載です。観光客も増えました。
沈丁花の花の香りが漂う、京都の古い小路。

母の人形教室お稽古は、なんとか続けていますが、もう、一人で行くのは難しいので、知恩院前にある教室まで私も付き添いで行ってます。
母は物忘れで「知恩院前」という単語がどうしても出てこず、タクシーの運転手さんに行き先を告げられないのよね。
メモに書いても、メモがあることを忘れる、メモを見ることを忘れる。
きっと私の理解を越えた、脳の境地にいるんだなあ~と思います。

人形教室は、着物古着屋さんの二階にあり、市松人形の着物を縫うのですが、先生やお稽古仲間の方々の助けを借りて、90歳まで続けることが出来ました。
今日は、一年以上かかった「お雛様」が完成しました★
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与太話★

2021-03-18 | うぐいすよもやま日記
雪柳が満開です。
いつもよりめっちゃ早いです(^_^;)

朝起きたら「オリンピッグ」問題がネットニュースに。
いや~。
「与太話」が週刊誌に漏れてしまっただけで、アートディレクターの方に深い意図はなかったと思いますが。
居酒屋の個室でやる話を、ライングループでやっちゃった。
ライングループには、若い女性や面識の無い方、いろんな方がいただろうに、「いつもの調子でふざけちゃった」。
「相手がどう思うか想像できない」。あの年代の男性ならあり得るなあと思いました。

てか、これほどくだらないギャグで、本当にオリンピック演出しようと思っていたのかな?
まさかの本気?
本番でやっちゃって、国際的歴史的汚点にならなくて良かった。
オリンピックって結構、後世まであれこれ言われますもんね。
古関裕而さんの「オリンピック・マーチ」だって、50年も経ってるのに、いまだにドラマにまでなってるんだから。楽曲が良いからですが。

「オリンピッグ」が実現していたら、後々まで格好の語り草になってたかな。。。
しかし考えてみたらバブル期は、ナントカディレクターとかデザイナーとかコピーライターが、「時代のリーダー」でした。
時代の空気を敏感に読み取って、「カッコいい」を演出する。
糸井重里さんとか代表格ですね。。
今回の佐々木ディレクターも、同じ世代なのではないでしょうか。
だって「時代の空気を読む」には程遠い(笑)。
きっと、自分が老いて、時代とリンクしなくなったことに、気付いておられないのでは。
偉くなっちゃったら、「あんた、古いよ」って誰も言えませんもんね。
今の「時代のリーダー」って、Youtuberなんだろなあ★
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HAPPY BIRTHDAY!★

2021-03-16 | うぐいすよもやま日記
高橋大輔選手、3月16日でなんと35歳に。おめでとうございます!
早いね!
信じられない(笑)。
私がファンになってから、実に20年近く経ってしまいました。
最新DVDも今日発売なんですが、これは最初に出たDVD。
大ちゃん単独でDVDが発売されるということは、長年の夢また夢でした。だから特別でしたね。

今なら当たり前のように出ますが、日本男子フィギュアで単独DVD発売は、大ちゃんが初めてでした。
スポンサーを獲得し、アスリートマネジメントの事務所と契約して、選手活動の「自給自足」を実現したわけですね。
あまり知られていませんが、フィギュアスケートは活動費が膨大にかかる。リンクを借りないと練習出来ませんから。これが高い。
そしてコーチの指導料が高い。振り付け料が高い。衣装代が高い。トレーナーを雇ったらトレーナー料も高い。
そしてそして海外へ試合に出ないと世界ランキングのポイントが稼げませんから、飛行機代やホテル代。
海外遠征に帯同するコーチの飛行機代やホテル代は、なんと選手自身が払うのです。スケート連盟が払ってくれたりしないのです!

もうどんだけお金かかるの~の世界で、自給自足してきた大輔さん。
新たな挑戦はあと一年足らずで終わるのか、その後も継続するのか。どうなんだろな~★
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わたし入籍します★

2021-03-15 | うぐいすよもやま日記
。。。という奇抜な店名の高級食パン。
友達にもらって、有り難く半分は冷凍保存なり。
なんでこんな店名にするんかね(笑)。あのプロデューサーよね。
でも、サンマスカットレーズンとやらが練り込んでありますよ。
とっても美味しそうだよ!★
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宝石たちのきらめき★

2021-03-14 | バレエにハマって幾星霜
写真は1992年パリ・オペラ座日本公演のパンフレットより「春の祭典~ニジンスキー振付復刻版~」、女性はマリ=クロード・ピエトラガラ

今日、3月14日はパトリック・デュポンのお誕生日だったのですね。。。追悼日記は続きます。

さて大阪公演2日目は「グラン・ガラ」です。
ここが私が間違えた「水晶宮」でした。「ジュエルズ」と「水晶宮」ってどう違うの?
と今の今までよく考えてませんでしたが(汗)今回、あらためて調べてみました。

「水晶宮」は初演が1947年、「ジュエルズ」は20年後の1967年。両方とも振付はジョージ・バランシンです。
先日、「バレエ・リュッス」のことを書きましたが、ディアギレフ率いるバレエ・リュッスは、ロシア人で構成されているけれど活躍の舞台はパリでした。バランシンはそこで活躍した最後の振付家兼ダンサーで、のちにアメリカへ渡り、ニューヨークシティバレエを設立。アメリカバレエの始祖となりました。
この「水晶宮」は「LE PALAIS DE CRISTAL」=「クリスタルな宮殿」となってますが、その名にふさわしくキラキラと豪華な宝石たちが煌めくような、「抽象バレエ」です。演劇的物語性はなく、バランシンの作品の特徴である「音楽を踊りで表現する」典型的なバレエといえますか。

第一楽章が「アレグロ・ヴィーヴォ」。当時書いたメモを見ると衣装は「赤」。
各楽章ごとに、メインの人と数人の群舞で踊りますが、ここがデュポン&プラテル、モラン&ベラルビでした。
幕開けにふさわしい華やかな踊りで、上半身が赤い衣装のデュポンは、他ダンサーより一回り大きく見えました。とにかくずーっとキラキラ・キラキラ。そして空間パターンが大きい。
第二楽章が「アダージオ」。グレイの衣装。ここのメインはフランソワーズ・ルグレとシャルル・ジュド、クロード=ド・ビュルピアン&ジャン=イブ・ロルモーという組み合わせ。
アダージオなので、抒情的でゆったりとしたパートです。
第三楽章が「アレグロ・ヴィヴァーチェ」。緑の衣装。
ここのメインが当初、ルディエール、ピエドラガラ、男性がプルミエ・ダンスールのエリック・キエレだったんですが、大阪公演で張り出されたキャストはマニュエル・ルグリでした(!)
ルグリはまだエトワールになって日が浅かったんじゃないかなーと記憶してるのですが、とにかく、まぶしい若さが溢れ、「さわやかな風が吹く」踊りでした。線は細いのにオーラはすごい。大きな拍手が嬉しそう。
未だになぜ突然、キエレ→ルグリになったのかナゾなんですが、美しい彫像みたいなルグリに惚れましたとも。どんだけ綺麗やねん。
第四楽章は終章。「アレグロ・ヴィヴァーチェ」。これはメインがアヴェルティ、ヴァイエ、アルボ、男性はロモリとプルミエのオリビエ・パテでした。白い衣装で優雅に踊ります。
最後は全員が出てきて、赤・グレイ・緑・白、と華やかなカラーが揃い、大団円で大喝采なのでした。
この最後の「全員集合」って、目が10個ぐらい欲しいよね。煌めく宝石たちばかりだから、見逃したくないのに!でもこの大団円で見るデュポンは、「自分だけが目立てばいい」系でなく、ちゃんと監督としてみんなを率いている感じがしました。
ここでも彼の温かさ、空気の温度を上げるエネルギーが充満、絢爛豪華な「水晶宮」は幸せ過ぎました。。。

2本目は「イン・ザ・ナイト」。ロビンス振り付けです。ショパンの音楽に乗せて、合計6組の男女が細やかな情愛を踊るのですが、本当に「静かな夜は更けて」って感じで、暗闇の中、神秘的で美しかったです。

3本目は「プッシュ・カムズ・トゥ・ショブ」。1976年初演。振り付けはトワイラ・サープ。
トワイラ・サープ、一世を風靡しましたね~。アメリカでモダンバレエの振付師として大活躍しました。
もともとアメリカン・バレエ・シアターとバリシニコフのために作られた…とありますが、コミカルで奇想天外なステップとポジションが楽しい作品。バリシニコフの初演、見たかったね~。ここではデュポンがバリシニコフ並みに超絶技巧も駆使し、軽快に踊ってみせました。
「粋でかっこいい」のは得意中の得意ですね。でもこういう踊りがとても難しいんだろなあ。
以前、ルグリがドキュメント番組で「クラシックバレエを踊ったすぐ翌日に、モダンを踊らなくちゃいけないんだから。体がバラバラになっちゃうよ!」みたいな悲鳴をあげておられました。
やっぱり、クラシックとモダンでは、使う筋肉が違うらしく筋肉痛が起こるらしく。
でもそんなことはおくびにも出さず、バランシンからロビンス、サープまで、古典から現代まで踊りぬくオペラ座の踊り手たちは、厚みが違うというか脇役の人たちまで全て「美」で埋め尽くされていました。

パンフレットに、頂点(横綱)のエトワールから順に、第一舞踊手(大関)のプルミエ・ダンスール、その下のスジェ(関脇)、コリフェ(小結?)、カドリーユ(前頭?)と、全員の名前が書いてあります。
以前「パリ・オペラ座バレエ学校」の来日公演で、主役のシルフィードを踊っていたデルフィーヌ・ベイが、一番階級が下の「カドリーユ」のトップに名前が載ってました。
「ああ入団出来たんだなあ。。。でもここ(群舞)から頑張って!」と思わず応援してしまう。
バレエ学校を出たからといって全員がオペラ座に就職できるわけではなく、数名採用されたらあとの人は自分でバレエ団を探して、オーディション受けて生活していくのでしょうね。
その厳しい階級制度は、日本人には馴染まないかもしれないけれど、今、日本のオニール・八菜さんが上から二番目の「プルミエ・ダンスール」で踊ってらしゃいます。
誰が昇格するか?とか、自分の御贔屓のダンサーが上がっていくのを見るのも、オペラ座ファンのお楽しみかもしれません。そう。大相撲みたいに。
なつかしく、「パトリック・デュポン監督」のオペラ座公演の華やかさに、思いを馳せました★
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オペラ座のニジンスキー★

2021-03-12 | バレエにハマって幾星霜
パリの教会で行われたデュポンの葬儀の動画がほんの少しアップされていましたが、コロナでなかったらもっと国葬級だったかも。。。でも沢山の人に見送られていましたね。
デュポンのパートナーの女性と、ピエトラガラが抱き合っている写真に涙。
そしてオペラ座の追悼動画や過去の踊りを見てまたボロボロ涙・涙。
やっぱりねえ。年齢が近いから切実に「死」を実感しますのよ。ベジャールじゃないけど「これが死か」ですよ。
泣いても泣いても泣ききれないよ。

そしてまた引っ張り出してきました。昔々のパリオペラ座日本公演のパンフレット!
右が1992 年、左が1995年版です。二回とも「デュポン監督」が率いてきた公演ですね。
今日は1992年の公演のことを書きます。
私、先のブログで「デュポンが踊ったジュエルズ」と書いてしまいましたが、「水晶宮」の間違いでした。すみません。でも「ジュエル」「水晶」似てるっしょ(笑)。
大阪公演は、2/15が「ディアギレフ・プロ」、2/16が「グラン・ガラ」で、両方見ました。
東京、横浜、相模大野、名古屋、高松と回って大阪が千秋楽でした。凄いよ。今ならこんなにツアーしてくれないわ。やっぱバブル時代ね。

「ディアギレフ・プロ」は、あの天才ダンサー、ヴァスラフ・ニジンスキーが活躍したバレエ・リュッス時代の名作コンサートです。1800年代の終わりから1900年代の初め、ディアギレフという総合プロデューサーが率いるバレエ・リュッスが一大ブームを巻き起こしました。
当時としては革新的で、深い芸術性を示した振り付けと踊りだったのでしょうね。
ストラビンスキーやドビュッシーという「絵画のような音楽」を作る人たちが活躍したことも大きかったのかも。

一本目は「ペトルーシュカ」でした。
芝居小屋のドタバタ恋愛劇で、ペトルーシュカ役はシャルル・ジュド。バレリーナ役はヴルピアンでした。
華やかで祝祭的で、さすがオペラ座~(本場!)泣きそうでした。
ペトルーシュカって哀れなピエロで、演技力がないと勤まらないんですが、哀愁を漂わせた踊りと表情はさすがでした。

次は有名な「牧神の午後」。
牧神はデュポンでした。本当はシャルル・ジュドの当たり役だったから、ジュドを期待してたんですが(笑)。
そんなに跳んだり回ったりしない役なんで、男性にとっては見せ場がなく難しいでしょうね。。ってことは漫画「アラベスク」で知ったのよね。
見せ場が無いにも関わらず大評判になったのは、初演のニジンスキーの演技が素晴らしかったからですが、デュポンはとてもセクシーで「18 禁や」と思いました(笑)。
神話の世界そのものの舞台美術といい、美しい踊り手たちといい、いや~こういう演目はおフランス製じゃなきゃ駄目!とつくづく思いました。ニンフ役はナタリー・リケ。

次は「薔薇の精」。
少女が見たひとときの夢。
舞踏会のあと、部屋でまどろんでいると、大きな窓から美しい薔薇の精が飛び込んできます。
この「薔薇の精」役で、ニジンスキーの驚異的な跳躍と両性具有の演技力が評判になり、彼の代表作となりました。
少女を薔薇の香りで目覚めさせ、一緒に軽やかに踊る二人。
やがてまた薔薇の精は大きな跳躍で窓から去っていきます。
目が覚めた少女は、幻を見たのかと床に落ちた薔薇の花を手にして涙に暮れます。
これはマニュエル・ルグリで見たい所でしたが、大阪公演はロルモーさんでした(笑)。頑張ってましたが後にビデオで見たルグリ版は美しかったね~。
デュポン版は先日、動画で初めて見ましたが、最もニジンスキー版に近いのでは。高い跳躍、両性具有。。。夢みたい。

最後は「春の祭典」です。
ベジャール版はよく上演されますが、このニジンスキー振り付け版は「原本」ですね。ストラビンスキーのヘンテコな曲で(笑)、振り付けも斬新で、初演は大ブーイングだったとか。でも私、このヘンテコな曲が大好きなんす。
兼ねてからニジンスキー版を見たかったので、忠実に?再現された「春の祭典」をナマで見ることが出来て、いたく感激しました。
生け贄の娘役はクロティルド・ヴァイエだったと思います。
躍動感となんともいえない不思議な(アナーキーな)世界観が相俟って、これもまた「さすがオペラ座(本場!)」と唸らされました。

とにかく「人生初・ナマ観賞パリ・オペラ座」が「おもいっきりニジンスキー」で、さらにさらに「パトリック・デュポン監督」だったので、強烈体験過ぎる。
興奮冷めやらぬままに翌日を迎えたのでした★
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東日本大震災から10年★

2021-03-11 | うぐいすよもやま日記
3.11がまためぐってきました。
大阪は、曇った寒い日の昼下がりでした。
あの長い横揺れは今も覚えています。
まさか東北で地震が起こっているなんて。
考えもしませんでした。

福島の原発事故で汚染された地域の、除染がほとんど進んでいないという今日のニュース。
気が遠くなります。
時が止まった町は、あのまま朽ち果てていってしまうのか。
10年が過ぎても、傷の深さは変わらないけれど、あの時子供だった人が、大人になって地元の為に働いている姿がまぶしい。
いつの日も、子供が「希望」なのだなあと思わせられます。

もう二度とあのような地震が起こりませんように。
今日は黙祷の1日でした★
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