まりっぺのお気楽読書

読書感想文と家系図のブログ。
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イギリス王ジョージ4世愛妾 エリザベス

2009-10-28 02:17:11 | 王の寵姫・愛妾
宝石の後光で光り輝く
カニンガム候夫人 エリザベス・カニンガム


1769~1861/愛妾 1819~1830

エリザベスの父親は銀行で財を成した人でした。
25歳の時にアイルランドの貴族、カニンガム子爵ヘンリーと結婚します。

       

エリザベスはとても美しかったにもかかわらず非常識さが先に立ち
貴族社会では “ 卑しい女 ” よばわりされていました。
それでも愛人や崇拝者には事欠かなかったっていうんだから
陰口をたたいていたのは女性陣だったってことでしょうね?
エリザベスのお相手にはロシアのニコライ1世もいたそうでございます。

ウェリントン侯爵によれば、エリザベスは1806年頃から
摂政ジョージの愛妾になろうと心に決めて頑張っていたらしいですよ。

1819年にはどうやら努力が実ったようで、ふたりで酔ってふざけあう姿が
しばしば見られるようになります。
ジョージはエリザベスが側にいないと退屈で寂しそうなのに
一緒にいるとウィンクしたりうばずきあったりと少年の初恋並みに大忙し…
とても分かりやすい人だったみたいですね。

しかし、エリザベスは50歳ですよ
しかも肖像画じゃ分からないけれど、かなり横幅が広い人だったそうです。
若い美人にはしる王様はたくさんいるけど… ジョージ4世ってなんか憎めないタイプね。

エリザベスはとんでもなく強欲だったと言われています。
ジョージはもともと愛人に宝石を贈るのが大好きで借金を作ったようなものですが
しまいには国の宝物庫にあったスチュアート家から伝わる宝石を持ち出す始末。

エリザベスにパーティーで会うと、体中に宝石をつけていたせいで眩しくて
霞んで見えたらしいよ
シャンデリア状態だったのかしら?

政治的な野心はなかったけれど、家族の地位獲得には熱心でした。
夫は子爵から侯爵に格上げされています。

エリザベスに対するジョージの愛は死ぬまで変わらず
年をとるにつれて彼女に依存するようになっていきます。
もちろん健康も衰えてくるので、エリザベスはけっこううんざりしたらしいけど
1830年にジョージ4世が亡くなるまで付き添っていました。

さて莫大な宝石ですが、誰かにデュ・バリー夫人(宝石を取り返そうとして処刑された
ルイ15世の愛妾)の話しを聞かされて、全てを国に返還しました。

ウィリアム4世の時代になると完全に宮廷から閉め出されました。
看病までしたのにね…

92歳で亡くなりました。

ちなみに孫のジェーン・チャーチルは後にヴィクトリア女王の寝室係になり
良き友人にもなっています。

単純で “ 可愛い女 ” タイプの人だったんじゃないかしら?
宝石だってその気になれば手に入れられただろうし、年金だってもらえただろうに…
戦略的でも思慮深くもない… そういう天真爛漫さが
ジョージ4世には好ましかったのかもしれませんね。

(参考文献 エレノア・ハーマン『王たちのセックス』 Wikipedia英語版)

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2 コメント

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Unknown (cucciola)
2009-10-28 17:39:08
まりっぺさま、

こんにちは。
愛妾シリーズ、楽しく拝見しています。
このあたり、森譲氏の本を読んだ記憶があるのですが、名前がみんな似ていて定かに思い出せません。
ジョージ四世、肖像画で見てもおデブさんでいかにも放縦な男、という感じですが結構女性とは長く続いてるんですね。たしかに女性から見ると憎めない人だったのかも。
それにしても英国人女性って、相手が王族だろうがいっこうに遠慮もしない態度は伝統なんですね。英国王室ってスキャンダルを提供することも支持を維持する要素なのかな、なんて思ってしまいますが。
この当時は王室は統治もしていたわけですから、今のようなわけにはいかなかったと思うけど。
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こんにちわ (まりっぺ)
2009-10-31 12:01:30
いつもありがとうございます。

森譲さんの本は大好きで古本市などで見かけると買っているのですが、なかなか在庫がないんです。

虐げられた王妃が多い中、愛妾は王と対等につき合っている気がします。
恋愛関係で繋がっているからなのか、快楽を提供しているんだから見返りをもらうのは当たり前でしょ?という考えからなのか、かなり強気な人が多いですよね。

愛妾シリーズを書いていて思うのですけれど、愛人を持つ王(貴族)は、ほとんどの人が多数の愛人を持っていたみたいです。
野心ある女性たちは「次はわたくしが!」という感じで女好きな王に近づいていたのではないかしら?と思ったりしています。

王妃は家柄がよくて淑女だというだけで良いですが、愛人は会話やいろいろな面で王を満足させないといけないから、女性としてのスキルは高かったんではないでしょうか?
王妃より存在感があり人気者の愛人や国家に貢献した愛人もいるようですし、芸術を愛して支援した愛人も多かったところをみると、宮廷文化に欠かせない人たちだったのかもしれません。
「不倫は文化だ(by.石田純一)」はバッシングされましたが、間違っていないんじゃないかと思う今日この頃です。
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