まりっぺのお気楽読書

読書感想文と家系図のブログ。
ゆる~い気持ちでお読み下さい。

イングランド王チャールズ2世愛妾 ルイーズ

2009-06-11 01:19:21 | 王の寵姫・愛妾
フランスからの密偵
ポーツマツ公爵 ルイーズ・ルネー・ド・ケロワール


1649~1734/愛妾 1670~1685

ルイーズは小さな頃からオルレアン公妃アンリエッタ・アン(チャールズ2世の妹)の
宮廷で暮らしていました。
父親ギョーム・ド・ケロワールをはじめ家族たちは、ルイーズを王侯貴族の愛妾に
したがっているのだ、と公言している人もいました。

1670年、イングランドとフランスの間にドーヴァー密約が結ばれて
オルレアン公妃が一時帰国することになりました。
その時付き添って行ったのがルイーズだったのですが
なんとイングランドでオルレアン公妃が突然亡くなってしまいます。(毒殺説があります)
途方に暮れたルイーズにチャールズ2世から「王妃の侍女にならない?」という
申し出があり、翌年にはしっかり愛妾になっていました。

実はルイーズはルイ14世からスパイとして選ばれた女性で
王の愛人となってイングランド側の動きをフランスに報告するという役目を担っていました。
チャールズ2世はまんまとひっかかったことになりますね

    

ルイーズは幼くけだるそうな顔つきとは裏腹に、かなり才知に長け意志が強い女性で
政治にもガンガン口を出し、王にも影響力を発揮して宮廷で幅をきかせていきます。

1673年にはピーターズフィールド男爵、ファーナム伯爵、ポーツマス公爵という
3つの爵位を得ていますし(これにはネル・グィンの怒り大爆発!)1675年には
愛妾だったフランセスの夫の死後断絶していたリッチモンド公爵位を
息子のために手に入れました。

けれどもこんなにやり手のルイーズには敵もたくさん、市民にも不人気で
チャールズ2世だけがよりどころだったみたい…例えばこんなエピソードがあります。
ある日ネル・グィンがルイーズの馬車で町に出かけたところ、怒り心頭の市民に
取り囲まれてしまったんですって。
そこでネルが窓から顔をだし「あたしはプロテスタントの方の妾だよ」と言うと
やんややんやの拍手喝采がおこったって話しです。

そんなわけでチャールズ2世が亡くなると
ルイーズはすぐにフランス大使館に保護されて、イングランドを脱出する予定でした。
ところが新王ジェイムズ2世が借金の返済と財産の返還を求めると奮然と立ち上がり
宮殿に出向いて逆に恩給を払えと訴えをおこしました。
3ヶ月戦った末19.000ポンドを手に入れたルイーズは、財産を持ち帰るために
艦隊を組んで イングランドを後にしたらしいですよ。

ルイーズの莫大な財産は賭けや豪遊ですぐに底をついたので
フランス宮廷やイングランド宮廷を訪れては「恩給くれ!」と要求して暮らしていました。
それで払ってもらえるってのがすごいんだけど…やり手だね。

やはりチャールズ2世から性病をうつされていたといわれていますが
大病もなく(やっかいなことに)とっても長生きして85歳で亡くなりました。

他の愛妾の子供たちもなんらかのかたちでダイアナ元妃に伝わっているのですが
ルイーズの場合はダイアナ元妃のみならず、現王太子妃カミラ・パーカー・ボウルズ
アンドリュー王子と離婚したヨーク公妃サラ・ファーガソンにも流れています。
長年貴族同士で結婚してりゃ、そうなるのは不思議じゃないですけどね。

(参考文献 森譲氏『英国王妃物語』 エレノア・ハーマン『王たちのセックス』
      Wikipedia英語版)

王様たちの恋愛スキャンダル満載です
読んでみたいな!という方は下の画像をクリックしてね



コメント (1)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 『赤毛のアン』大人買いする... | トップ | イングランド王チャールズ2世... »
最新の画像もっと見る

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
フランスの美しき“枝垂れ柳”ルイーズ・ケロワール (メリエンダ)
2018-10-23 18:40:14
ルイーズ・ケロワールは、チャールズ2世の寵姫の一人だけど、その出自はイギリス人ではなく、フランス貴族の出で、フランスからのスパイ、ハニートラップだったみたいですね。だけども、チャールズは彼女の正体を解っていて、寵姫にしたとされていますね。そもそも、チャールズ2世、スチュアート朝の王達は、“王権神授”をモットーにしていて、王が主権を振るえない、イギリスの議会制を、目障りに思っていたらしく、フランスと手を組み、“王による、王のためのイギリス”を実現させようとしていたらしいですね、だけども、父、チャールズ1世みたく、あからさまに議会と敵対しては、父のように処刑されてしまう可能性があり、チャールズ2世は、ルイーズ・ケロワールを媒介にして、フランスと秘かに。様々な策を講じていた、と言うのを読んだ事があります。
ルイーズは、そんな出自、寵姫になった経緯のためか、国民に嫌われ、自身とは逆に、国民に好かれていたネルに、助け船を出され、なんとか窮地を乗りきった事が有りましたが、ライバルに借りを作って、プライドの高い彼女が果たして喜んだのでしょうか?あるいは、ルイーズは、国民からの不人気を逆手にとり、“この国で、わたくしが唯一頼みにしているのは、王、貴方様だけですわ”と何かと泣き崩れ、チャールズの同情を引くのに大いに利用していたともされていますね‥王とはいえ、一人の男、女の涙には弱かったようですね‥だけども、女の涙は、同性には通用しません、ネルは、彼女の魂胆、泣き真似を、“枝垂れ柳”と茶化し、すぐに騙され、同情するチャールズに、不満たらたら‥ルイーズは、“憎まれっ子、世に憚る”(笑)を地でいったのか、驚くほど長寿だったみたいですね。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

王の寵姫・愛妾」カテゴリの最新記事