JTBが28日発表した2021年3月期の連結決算は、最終損益が1051億円の赤字(前の期は16億円の黒字)となった。コロナの長期化で旅行需要が急減し、赤字額は過去最大となった。700人規模の追加リストラや今夏冬の賞与ゼロなどを発表したが、オンライン旅行予約が台頭する中で収益環境は厳しく、抜本的な構造改革が急務となっている。
昨年11月の発表分と合わせて人員削減は全体の約25%に当たる7200人規模になる。2021年度末までに国内の約25%の115店を減らすとした昨秋の店舗削減計画は70店超まで進んだ。
JTBなど国内の旅行会社の事業モデルは厳しさを増していた。米調査会社フォーカスライトによると、2019年は国内旅行市場のうち、オンライン予約の占める割合は43.6%で、店舗などオフラインが56.3%だった。オンラインの割合は2014年に比べて8.8ポイント上昇し、その割合は今後も高まる見通しだ。
JTBでは、2019年の個人向け旅行取扱高のうち、7割を店頭販売が占めている。ウェブ上での販売も強化しているが、店舗での対面販売が主流だった中、2020年には新型コロナ禍が直撃した。店舗を持たず少人数で運営できるOTA(オンライン専業旅行会社)に比べて、店舗型の固定費の高さという構造的課題を浮き彫りにした。
団体旅行の元祖とされる英旅行会社のトーマス・クックは業績悪化で2019年に破産、オンライン予約の普及に対抗できなかったことが最大の原因とされる。独大手TUIも2020年5月、新型コロナの影響でグループ全体で8000人規模の人員削減を決めた。
HISも国内約100店舗統配合し、海外拠点も3割削減。グループ外に1500人規模の社員を出向させた。日本旅行は、グループ全体で店舗を半減、2022年度の従業員数を2019年度の3割減に。
先週、PCデポに言ったら、HISから出向している若い女性がいた。2年契約だと言っていたのだが、2年後に景気が回復していると良いな〜。