真面子の社会観察日記

社会で起きている様々なできごとを真面目に言いたい放題!

友情は最高の財産の一つ

2019年05月23日 | Weblog
元文部大臣の赤松良子さんは89歳、尊敬する女性の一人だが、「人生に必要なもの」とは、「友情は最高の財産の一つ、よき友を得るために労力を惜しんではならない」と語る。

私が20歳の頃、日本は敗戦で軍国主義から民主主義へと転換し、憲法には男女平等規定が盛り込まれました。国立大学の門戸が女性に開かれたのも戦後のことです。私のような野心家の女子にとっては、まさに「チャンス到来」でしたね。

進学した法学部では800人のうち女性は4人、労働省に入省した1953年の国家公務員採用なんて女性は2人でした。研究職の夫と結婚した時も話し合って私の姓を選択したら、新しいスタイルとして新聞に紹介されたぐらいです。家事も育児も折半して、単身赴任も何度も経験しました。

でも、世の流れに逆らって選択した意識はなく、むしろ大きな時代の波に乗ってやってきたというイメージです。苦労はありましたよ。上司、部下との板挟みで悩んだり、育児が大変で体調を崩したこともありました。でも国内外の友人たちと語り合い、お酒を飲み、おいしいものを食べることで、いつも気持ちを切り替えて前に進むことができた。

だから本当の意味での「失敗や挫折」って思い浮かばないの。友達がいいと勉強も続くのね。米国に34歳で赴任した時に、米国人が幅広い交際を大事にする様子を目の当たりにして、私もさらに長く続くいい友情を得たいと思ったものです。

友情を築ける人の条件? 女性は「みめ麗しく、才たけて」ですね。男性は「女の敵は女」なんて無駄に対立させたがるし、「同性がどうしても嫌い」というタイプの女性も確かにいるけど、人情の機微が分かって、女性同士で深いコミュニケーションが取れる人もいっぱいいるのよ。労働省に入った頃、湯のみ茶碗に日本酒を注いで、女性ばかりの課の未来についてにぎやかに議論したわね。

私は「少数派」であることが多かったけれど、友人たちのおかげで孤独を感じることがなかった。友情は間違いなく、人生最高の財産の一つですよ。よい友を得るには、時間とエネルギーを惜しんではいけません。もうすぐ90歳を迎える私からのアドバイスです。(談)


 

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