朴氏の「真実は明かされる」発言に怒り

韓国の憲法裁判所は3月10日、裁判官8人全員が賛成して弾劾訴追案を「認容」する判決を下し、被請求人である大統領・朴槿恵を罷免した。弾劾の判決は言い渡されると同時に効力が発生するので、3月10日11時20分をもって朴槿恵氏は前大統領になった。効力については知らなかった。

朴氏は、判決から2日経った3月12日午後7時過ぎに大統領官邸を出て、韓国で初めて罷免される大統領になってしまった。先週韓国に行った時に色々な人に罷免について聞いたのだが、両親が殺害された人は、自分以外の人を信用出来ないから大統領などの重職に就くべきではなかったという意見が多かった。

朴氏は自宅前で出迎えた「親朴」と呼ばれる議員らに「時間はかかるが、真実は必ず明かされると信じている」とのメッセージを残したことが判明すると、主な韓国メディアは朴氏のこの発言を「朴氏が憲法裁判所の判決に事実上不服を申し立てた。判決に不満を示した」と大々的に取り上げ、さらに野党は一斉に批判した。

弾劾裁判の請求人である国会弾劾訴追委員長クォン・ソンドン議員（正しい政党所属）は、「法治主義と国民主権を確認できた判決」と評価した。大韓民国憲法第1条2項には、「大韓民国の主権は国民にあり、全ての権力は国民から生じる」と書いてあるからだ。

韓国国内は罷免によって一区切りがついたわけではなく、現在、韓国は北朝鮮の核・ミサイル開発問題や、米国のミサイル防衛システムの配備による中韓関係の悪化などで、とても深刻な状況だ。韓国は一刻も早く政治の安定・正常化を取り戻す必要があるとと思うのだが、次期大統領選挙の投開票日は5月9日になるそうだ。

今後、韓国はどこへ向かい、何処にいくのだろうと思う。激しいデモが続いていた青瓦台（大統領府）近くに今回行ったので、少し心配していたけど、市民による数ヶ月続いた抗議デモは落ち着きを見せていた。

３月16日から中国政府の決定で、韓国に中国人観光客は入国出来なくなったけど、14日の青瓦台辺りには、団体バス何台もで大挙して乗り込んで来た中国人がいた。